バレエ『サロメの悲劇』は日本と関係ある?? 《ディアギレフ&マレ》のお話し~1~
2024年6月に夢のようなブランド《ディアギレフ&マレ》(永楽屋)が誕生しました。ここではそのデザインになった作品についてオンラインサイトやリーフレットにはお様切らなかったお話しや関連動画などをご紹介していきます。
『サロメの悲劇』はバレエ・リュスで初演されたバレエ。
少しだけ日本との関わりのある作品とも言えます。
なぜなら、振付を手掛けたボリス・ロマノフは1916年、日本に初めて来日した正式に教育を受けたバレエ・ダンサーの一人なのです。当時彼はバレエ・リュスを離れた後で、ロシア帝室劇場所属の振付家でした。
1916年、エレナ・スミルノワと共に来日し帝劇を舞台に『瀕死の白鳥』、『白鳥の湖』の一部などを踊りました。
アンナ・パヴロワ来日の6年前の事でした。
2人ともバレエ・リュスの初期メンバーでしたが、ボリス・ロマノフがバレエ・リュスで手掛けた唯一の振付作品が『サロメの悲劇』です。
ニジンスキー振付『遊戯』『春の祭典』が初演された1913年に上演された作品。『薔薇の精』『レ・シルフィード』など今も踊られ続けている作品の振付家ミハイル・フォーキンは1912年のニジンスキーの振付デビュー作品『牧神の午後』をめぐる行き違いでバレエ・リュスを離れていたこともロマノフに依頼があった理由の一つでしょう。
美術・衣裳のデザインはセルゲイ・スデイキン。キュロットタイプの珍しい衣裳でもあることは下の映像で知りました。
デザインは明らかにオーブリー・ビアズレーの影響が見えます。
バレエ・リュスを創設し率いたディアギレフはバレエ・リュス結成前に創刊し、編集長を務めた高級芸術雑誌『芸術世界』のためにオーブリー・ビアズレー本人から版画を購入しています。そんなディアギレフのアイディアも入っていたのかもしれません。
ロシアで製作されたこのサロメの衣裳は現在英国のV&M美術館(ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館)に収蔵されています。
カラー写真がない時代ですから、衣裳そのものが残っていると想像力がより刺激されます。
細かな構造や素材なども紹介されていて興味深い内容をここで見る事ができます。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=dGVEtqvfZeA
このサロメを図案化した《ディアギレフ&マレ》の商品はこちらからお求めになれます。美しいので是非ご覧になってみて下さい。
https://www.diaghilevmare.com/products/2105100007015
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