ショパンとバレエ?
COVID19で開幕が延期になっていた ”ポーランド国交樹立100周年記念 「ショパン-200年の肖像” 展に行ってきました。
28日まで練馬区立美術館です。
くまさんがお出迎え。
ショパンは実はダンス、バレエとも関わりが深いのです。
イサドラ・ダンカン(2017年に公開された『ザ・ダンサー』でリリー・ローズ・デップが演じていたのをご記憶の方ももしかしたらいらっしゃるかも?!)が1900年代初めにそれまでにない ”即興で自由に踊る新しいスタイルのダンス" を始めた時選んだのがショパンでした。
今ではあまり驚きはないと思いますが、音楽はもっと踊るには舞曲、演奏には交響曲と別れていたのです。しばしばここで登場している『赤い靴』に登場するレオニード・マシーンが1930年代に交響曲バレエを振付けた時も「交響曲にバレエだなんて!」と非難の声があったほど根強い感覚でした。
ダンカンの影響でミハイル・フォーキンがショパンの曲に振付けたのが『レ・シルフィード』。風の精「シルフ」と「夢見る詩人」による情景バレエです。
と、いう事も紹介されているかな、と思ったのですが残念ながらバレエへの言及はありませんでした。
ですが、ショパンの「舞曲」から想を得たという版画にはダンスが時折登場していました。
個人的にはショパンの自筆譜が印象的でした。
手書き楽譜は音楽の雰囲気とつながる部分がありました。
そして献呈用の楽譜は周りがエンボス加工された素敵な用紙に書かれているのは知りませんでした。(絵葉書からのスキャニングなので見えるかどうか…)
『ポロネーズ ヘ短調 作品71-3』1836年
同時代のロマンティック・バレエのダンサー達もエンボス加工やとても細かいレース加工のレターペーパーを使っていたのですが、楽譜にもそうしたものがあるのですね。
そして、ショパンの母国、ポーランドはニジンスキーの祖国でもあります。ポーランド国立バレエ団の芸術監督にはニジンスキーの妹ニジンスカが就任していたのですが彼女についてはまだまだ評価が低すぎるなぁ、と思っています。
『ピアノの森』の原画やアニメの展示がありました。漫画の伝達力は強いので、バレエ史の魅力的な部分、素敵な漫画になるともう少し楽しんでくれる人が増えるかな、などと思いながら見てきました。
今回見逃してもまだ1か所巡回予定です。
2020年8月1日(土)~9月22日(火・祝)静岡市立美術館