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バレエ『ロミオとジュリエット』の基本形?~2週間限定~
英国ロイヤル・バレエ団はまだ劇場は再開しませんが、無料の過去の舞台映像配信とライヴの有料配信の両方を上演し続けています。
日本時間の11日3:00頃から2週間限定で『ロミオとジュリエット』が下記で配信されるとのこと。
あまり注目されませんが、バレエ『ロミオとジュリエット』はよく知られているバレエの中では誕生が案外遅いのです。
プロコフィエフ作曲の『ロミオとジュリエット』が初演されたのは1938年の事。今回配信されるマクミラン版の初演は1958年。
ジュリエットはイタリアの名花カルラ・フラッチとロミオはマリオ・ピストーニでした。
セルジュ・(セルゲイ)プロコフィエフもバレエ・リュスを率いたディアギレフによって見出された才能です。彼の依頼で最初のバレエ曲を手掛けたのが24歳の時でした。(結局上演はされなかった幻の作品ですが)
今回ご覧になれるロイヤル・オペラ・ハウスの美術はニコラス・ジョルジュディアスによるもので、この美術での初演はあのルドルフ・ヌレエフとマーゴ・フォンテーンが踊りました。
美術デザインはここで見ることができます。
実はバレエ・リュスでも『ロミオとジュリエット』が初演されています。
あれ?と思った方いらっしゃるかもしれません。バレエ・リュスは1929年に解散していますから、時が合いませんね。
バレエ・リュスでの『ロミオとジュリエット』の初演は1926年。
音楽はもちろんプロコフィエフではなくコンスタント・ランバートによるものでした。なんとランバートは21歳の時の作品!
依頼したディアギレフの審美眼もさすがです。
一部以下で聞くことができます。
ランバートは英国のバレエ史にも名を残しているのですが、その話はまたの機会に。
このバージョン、美術・衣裳はマックス・エルンストとジョアン・ミロ、振付はニジンスキーの妹で重要な女性振付家ブロニスラワ・ニジンスカとジョルジュ・バランシン。
バレエのレッスン場から始まり、最後は飛行機で飛び立ってしまう恋人たちという一風変わった『ロメオとジュリエット』でした。
再現上演はされていないので、残された写真から想像するしかありません…。どんな舞台だったのか気になります。
そしてこの音楽で上演しているバレエも見てみたいな、と思いますが、実現するでしょうか。
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