クエヴァス侯はご存知ですか?

「マルキ・ド・クェヴァス」と聞いてピンと来る人は少ないかもしれません。
ロシアからの亡命が世界的なニュースになったバレエ・ダンサー、ルドルフ・ヌレエフに詳しい方は「あっ」と思うかもしれません。

ヌレエフが亡命後初めて踊ったのがクェヴァス公のバレエ団でのことでした。

クェヴァス侯のバレエ団「グラン・バレエ・ド・マルキ・ド・クェヴァス」
ヌレエフが出演したのは1961年6月23日『眠れる森の美女』。
何と6月17日の世界をあっと言わせた亡命から1週間もない時でした。

バレエ団はバレエ・ミストレスにニジンスカを迎えて創設されています。
あのニジンスキーの妹ですが、その才能も仕事ももっと評価されるべき振付家。

クェヴァス侯は1961年に死去、その後甥のララン(美術・衣裳デザイナーとしても活躍)が跡を継いでいましたが、1962年には残念ながらバレエ団は解散します。
最後の輝きの一つにヌレエフの出演もあったということですね。

クェヴァス侯は大変な趣味人でバレエだけではなく、あらゆる芸術にも精通し、自ら仮装を楽しんでテーマのある "レジェンダリー・パーティーズ” も盛大に催したりしています。
当時はやった壮大な仮装パーティーの写真の数々は見ているだけで憂き世を忘れられます。

今年はなさそうですが、ハロウィンパーティーももう少し精度の高い仮装で溢れたら見ていて楽しいのにな、と思ったり。


ちなみに、このクェヴァス侯のバレエ団、これも私立カンパニー。
お金はどこから?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

奥様があのロックフェラー一族と聞けば納得されるかもしれません。
いいお金の使い方だな、と私は思いますが、どうでしょうか。


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