藤田嗣治の新しい評伝
書店にふらりと立ち寄ったら、見たことのない評伝が出ていましたので早速購入。
ネット書店は便利ですが、見落としもあるので書店の棚でみる楽しさはやはり好きです。「アナクロ」と言われてしまうかもしれませんが…。
レオナルド藤田嗣治 覚書 レオナール・フジタとの散歩
藤田嗣隆
2020年8月13日、求龍堂
藤田嗣治を母方の大叔父荷物著者の視点で書かれた藤田の姿は色々なるほどと思ったり、意外だったり。
藤田の母、小栗家の事は知らない事が多かったですし、マドレーヌとのことは陰謀論もあったり、はっきりしないことが多い中で藤田家の人ならではの視線もあり、興味深く読みました。
著者の指摘通り、マドレーヌが死後の彼のモデルとして大きな地位を占め続けたのはその通りだと思います。
ディアギレフにとってのニジンスキー、ロルフ・ド・マレにとってのジャン・ボルランのように誰にかにとっての「永遠の存在」というのはやはりあるのだと思います。
個人的にはマレとも親しかった藤田と藤田が所有していた南米方面で入手したと思しき「獣面蛇頭」の仮面について何か関係があるかもしれない、という気もしていますが、そんな気がする…レベルの話なのでこれから少し調べて何かでてきたらいいなと思っています。
ともあれ、この1冊、これまでと違う視線からの藤田像が垣間見える重要な本、そして読み物としても楽しい1冊だと思います。
これからの秋の夜長に是非。
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