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高尾山に助けられて
もう20年くらい前のことですが、前夫の転勤でニューヨークに4年住んだ後に離婚して、英語を生かした事務職の派遣社員として働き始めた頃、ある日職場で5分間息ができなくなるという過換気症候群になり、救急車で運ばれたことがありました。
それが怖くて仕事をするにも不安な日々が続き、再婚してから治療をしたいとネットで整体師の方のホームページを見つけて、毎週その先生のお宅に通い始めました。先生の治療はマッサージも柔らかくて気を流すというもので、胸の辺りを優しくマッサージしてもらっていました。そして、先生は高尾山に登ると胸が開くから今度高尾山に一緒に行きましょう、と言って連れて行っていただきました。まだ30代後半だった私は山自然や登りは好きな方だったので、よし!これで過換気症候群が治るなら頑張って登ろう、と思いました。当時左肩が傾いていた夫にも先生に診てもらったら
治療してくださり、それから夫と一緒に週末になるとお弁当を持って高尾山に登りに行くようになりました。
あれから、20年の月日が経ち、私は精神科の病院の入院とかで中断したりしましたが、夫は毎週末登るという習慣が身につきました。先生の治療と高尾山のおかげで彼は頑丈な身体を手に入れるようになりました。整体の先生と高尾山は私たち夫婦にとってどちらも恩人なのです。
先週から頓服をタイミングよく飲みながらまた高尾山に登り始めると、お年のいった方々が登っているのを見て、皆さん健康のためにきつい坂を登ってるんだな、自然の中に身を置くのが気持ちいいから続けられているんだろうな、と思い、私は継続する力が弱いので麓の甘味処のお店で美味しい甘酒を飲むのを楽しみにして、これからできる時は登りに行こうかな、と思いました。