試行錯誤の夏
熱中症警戒アラートが発表される日々が続いている。屋外で作業をされている方の体力の消耗度合いを考えると、冷房の効いた室内で仕事をしているのが申し訳なく感じてしまう。私達の生活の為に、道路工事や電線の点検など諸々のお仕事をしてくださる皆さんに、ただ頭が下がる思いだ。
室内でも、汗が滝のように流れている私だ。私の仕事は看護助手で、入院患者さんのお世話をしている。一番の滝汗タイムは、午前•午後のオムツ交換の時間である。午前中は陰部洗浄もするので、全員のケアを終えるには一時間以上もかかってしまう。
丁寧かつ、スピーディーに進めてくが、麻痺で身体が拘縮されている方、オムツ交換に抵抗される方、体重が重くて体位交換に力がいる方など、終わるまでには至難の道が多い。また、オムツや衣服のみならず、シーツまで汚れているときは服を着替えさせ、寝具も交換する。その全てをもつ方(拘縮があって、オムツ交換を嫌がり、体重が重い方がシーツまで汚されている場合)に遭遇したときの体力の消耗は相当激しいのだ。
オムツ交換前と後は、顔が別人になっている。塩分が効いた汗が目に入り薄く充血して、ファンデーションも眉も取れて無くなり、まさにビフォー、アフターだ。
これではいけない!ネットで「滝汗対策」と検索して出てきたのが「アイスベスト」なるもの。それは薄手のベストで、背中と脇の下にポケットがついていて、そこに専用の保冷剤を入れて身体を冷やす代物である。
早速購入して試してみた。気のせいか汗の量が少なく感じる。眉は取れにくい水に強いタイプに変えたから違いは分からないが、目は充血しなかった。ただ、背中に保冷剤の結露からくるシミが汗染みのように浮きでて、それが残念だ。今度は服とアイスベストの間にタオルを挟んでみようか、などと考えを巡らせるのは、まるでゲームを攻略している気分だ。
もう一つ攻略しないといけないのは、腰痛だ。大場久美子さんが腰痛で動けなくなったとネットで取り上げられているが、もはや他人事ではない。
三日前に腰を痛めて、その日は一日中ベッドで静養していた。湿布と鎮痛剤を飲んで昨日、恐る恐る職場に行った。適度に力を抜きながら、どうにか仕事をやり通すことができホッとした。
しかし、まず、腰痛を起こさないよう鍛える必要があるのだ。今はまだ、患部を冷やして炎症を抑えているが、痛みが治ったら、ネットで腰痛体操を検索してみよう。継続する事で腰の筋肉を補強して、必ず腰痛を克服してみせる。
年齢を重ねるごとに、旅行や美味しい食事に魅了されるより、自分の身体に目が向くようになった。若い人から見たらつまらない毎日に思えるかもしれないけど、刺激がなくても、人は退屈せずに生きていけるのだ。それは、老いの力だ。
両親が旅立って、世界観がくるりと回転した。両親が私の中に残した大切なメッセージが、
「老いと共にその瞬間を生きなさい」と、いうことなのだろう。
昨日の夜聴いた歌は、藤井風さんの「優しさ」の、島太星さんカバーバージョン。
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