
実家を後に 〜 驚愕の事実
人間五十年 下天のうちを比ぶれば 夢幻の如くなり 一度生を受け 滅せぬもののあるべきか。
信長が好んだとされる【 敦盛 】の言葉だ。
人の命は50年と短きものだ、仏界と比べれば、まるで夢や幻のようであり、この世に生まれたからには、滅びないものはない。
好きな言葉だ。
ただ今と昔が違うのは、人間50年では無い事だ。私の両親で言えば、人間90年!なんとプラス40年である。
先日実家に行った時、母がまたショートステイはお金がかかるから勿体ないと言い出した。確かに10万以上かかる。
毎週5日間ショートステイで、残り週2日家で過ごすルーティンの1ヶ月と、老健施設で丸々ひと月入所していた費用があまり変わらなかった。正直ちょっと驚きだった。
詳しくは解らないのだが、入所と退所を繰り返す方が点数を取れるらしい。送迎加算があるからしょうがないね。母を車椅子に乗せ、階段登って家まで運んで貰うのは家族では無理だもの。絶対に。
知り合いの看護師さんに聞いた話。
病院と施設両方持つ医療法人も多々あるが、入院は3ヶ月過ぎたら入院費が安くなるので、いったん施設に戻して( 退院させて )また入院という技を使う所もあるらしい。あるいはその逆?( もちろん全てがそうでは無く、でも利益を追求する為に技を使う所もあるって事 )
どうなんだろう、家族に説明あってるのかな?お世話になるだけでありがたいから、わかっていてもイエスと言うんだろうな。うん。
親の介護はお金がかかる。今は両親の蓄えで充分やっていけるのだが、国民年金の最低額しか貰ってない両親は心細いのだろう。だって、いつまでこの状況が続くか分からないのだから。
要介護3だと自宅介護でも最低平均6、7万。ヘルパーの回数やおむつの使用量次第で変動はあるだろうが。入所だと安くても、12、13万。地方でそのくらいだから、都市部ではもっとするんだろう。
こうなれば、年金とにらめっこ。
たまたま、両親の年金のお知らせが来てたので確認してみた。
うーん、元大工の父とその扶養者となっていた母。昔、年金の制度に無頓着だった両親はしばらく払ってなかったのよね。後にアタフタ払い出したけど遅かったのだ。ほ・ん・と・に・雀の涙。
「 65歳から年金貰ったら3万は多かったのにね。同級生がみんな貰ってたから61歳頃手続したの。早くしなきゃいつまで生きるかわからないって思って 、早まったわ」
どうにもこうにもタイミングが悪い夫婦である。
二人とも同じ金額かなと思っていたら2ヶ月に一度の振り込み金額に2千円ほどの差があった。世帯主が若干多いのかな。
ええっ?
何故ゆえ母が父より多いの?!
えっ、まって、まって…
…厚生年金がついている!!
「 お母さん?若い時どこか会社で働いた事あったの? 」
「 そうね、缶詰工場に行ってたよ 」
「 えっ、どのくらい働いてたの? 」
「 昔だからあんまり覚えて無いけど、3か月くらいかな 」
61歳から89歳まで 2千円×28年×6か月=33万6千円 貰っているやん。
3か月で割ったら1ヶ月で11万2千円。
缶詰工場そんなにお給料払ってないだろう。
絶対得してるやん。
まさに厚生年金恐るべし。
それより何より
私より市役所の方が、母の過去を把握していたっていうことが
驚愕の事実だ!