マンガ学校では「〆切りを守る」練習をしたほうがいい。
私は「マンガ学校」の現場の先生方が「課題の〆切り」についてどう考えているのか、一度じっくり聞いてみたいと思っていました。でもこのご時世でなかなか他の先生方とのコミュニケーションもままならず、ハッキリと聞けぬままお別れになってしまったのですが・・・。
会議など言葉の端々から感じたことだけで言えば、先生方は皆さんとても常識的で「〆切りはめちゃくちゃ大事!」と思っていることが伝わってきました。もちろん学校はそれを学ぶ場ですので、個々の事情を汲んだり、猶予をもうけたり、手厚いフォローはあるのですが・・・。
でも、私は内心とても安心しました。
私はマンガ家の友達がほとんどいないので、もしかして私だけが特別〆切りに厳しい考えを持っているのかな?と一抹の不安もあったからです。
「マンガ家なんてぇのは〆切りを破ってナンボ!編集の言うことなんか聞いてられっか!」なんてことはやっぱり無かった。・・・よかった!(ホッ)
「〆切りは大事!」と言いたいワケ。
課題が〆切りに間に合わない理由は大きく2つに分けられます。
①自分のせい
②他人のせい
「そんなの当たり前だ!」と笑っちゃうかもしれませんが・・・。
プロになるためには「①自分のせい」を極力排除しなければなりません。また、「②他人のせい」であったとしても、それをできるだけ防いだり、うまく対処する必要があります。
もちろん自分ではどうにも出来ない、仕方の無い事情もあります。
それでも基本的には「とにかく〆切りは守る!」という気持ちで、右往左往すべきです(笑)。
まず、実行可能で余裕を持ったスケジュールを組んだかどうか。そしてその通りに実行しているかどうか。それが出来ていれば〆切り直前に絶望することはまず無いはずです。
とはいえ、現実はなかなスケジュール通りにはいきません。私もよ~く分かります(笑)。いいアイデァが浮かばない、アクシデントがあった、とにかくやる気が出ない、急に読みたい本を見つけたなどなど・・・いろいろなことがスケジュールの進行を妨害してきます(笑)。
でもそんなときこそ、自分をきちんとコントロールする練習、物事に臨機応変に対処する練習が出来るのです。
「もう無理だからいいや」と早々にあきらめてしまってはいけません。「どうにかして〆切りに間に合わせよう」と思えばこそ、考えたり、工夫したり、「見切り」をつけたり、いろいろな経験が出来るのです。場合によっては先生と交渉して〆切りを延ばしてもらうことだってコミュニケーションの練習になります。そうした経験は必ずプロになってから役に立つと思います。
そしてなにより、〆切りを守って提出された課題は公正な評価を得られます。みんなそれぞれ事情がある中で、同じ課題を同じ期間で制作したのです。そこで得た評価は紛れもなく自分の実力を反映しています。
その評価がたとえ悪くても認めるしかなく、認めることで先に進むことが出来るのです。
もうひとつ言えることがあります。
これから個人的にWEBで作品を発信しようと思っている人は、その「〆切り」すら、自分で設定しなければならない場合があります。
自分で設定した〆切りほど守るのが難しい〆切りはありません(笑)。
他人の決めた〆切りさえ守れない人に、自分の決めた〆切りは守れません。それが出来る人だけが、WEBマンガ家として脚光を浴びる権利を手に入れることが出来ます。
ちなみに・・・〆切りは全然守らないけど、とてつもなくセンスのある作品をポンッと描いてくる学生がいたりします。真面目に〆切りを守る学生はそれを見て打ちのめされたりするのですが・・・大丈夫です(笑)。
これは学校での経験ではなくかつてのマンガ家仲間を見渡してみて思うのですが、真面目で常識的な人の方が残っているなと感じるからです。
才能やセンスのある人ほど、意外とあっさり辞めてしまうんですよね(笑)
それがマンガの世界の面白いところでもあります。
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