あなたを辛くしているインナーペアレントとの向き合い方
インナーペアレントとは?
インナーチャイルドという言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。インナーチャイルドとは、自分の心の中に住んでいる子どもという意味です。
これに対して、インナーペアレントというのは、文字通り、自分の心の中に住んでいる親という意味です。あなたのご両親はもう他界しているかもしれません。あるいは、遠くに住んでいるかもしれません。はたまた同居しているという場合もあるでしょう。いずれの場合でも、あなたの心の中にあなたの両親が住んでいるのです。
こういう時はこうすべき、これが正しい、これは正しくない、といった価値観やルールをあなたはまずはご両親から学びます。そしてその価値観やルールは、知らず知らずの内に、あなたの心の中に、内在化していきます。
価値観やルールが内在化すると、それはあなたの一部になり、あなたの当たり前になり、あなたは、それがご両親から植え付けられた価値観であり、ルールだったことにすら気づきません。
インナーペアレントと自己肯定感
この内在化しているルールや価値観が、あなたを肯定し、あなたの無限の可能性を開花するのに役立つものであれば、あなたのインナーペアレントは素晴らしい存在です。どんな困難に出会っても、あなたを励まし、支え続けてくれるでしょう。あなたの努力や成果を常に心から喜んでくれるでしょう。
あなたのインナーペアレントがありのままのあなたを無条件に受け入れ愛してくれる人であれば、あなたの自己肯定感はとても高いはずです。ものごとが上手くいっても、いかなくても、このようなインナーペアレントは、常にあなたの味方でいてくれます。
一方で、あなたの中で内在化しているルールや価値観が、あなたを常に否定し、あなたの無限の可能性を開花することを妨げているとしたら?つまり、あなたのインナーペアレントが、あなたを条件付きでしか受け入れ愛さない人であれば、あなたの自己肯定感は常に低いか、条件次第で上がったり下がったりしているはずです。
インナーペアレントが悪さをしている具体例
明らかに毒親だった、ものすごく厳しい親だったという方は、自分を辛くしているインナーペアレントの存在に比較的容易に気付くことができるはずです。一方で、一見何の害もない普通の親だったという場合、自分の中にそんな悪さをしているインナーペアレントが内在しているとは、にわかに信じ難い。自分を苦しめている価値観があると言われていても、何のことか検討がつかない。そんな方もいらっしゃるでしょう。
具体例はかなり長くなるので、次回の記事で書くようにしますね。
まずは、この段階で、インナーペアレントの存在にピンと来たという方のために、その手放し方をお伝えして、今回の記事の締めくくりにさせてください。
あなたを苦しめるインナーペアレントを手放す3ステップ
あなたの自己肯定感が常に低い、あるいは条件次第で上がったり下がったりしているとしたら、あなたのインナーペアレントの仕業である可能性がとても高いです。
大人になったあなたには、あなたを苦しめるインナーペアレントを手放すパワーがあるのです。そのための3ステップをご紹介しましょう。
ステップ1:あなたの苦しみの原因があなたの中に陣取っているインナーペアレントであったことに気付く
あなたのご両親は子どもの頃、どのようにあなたに接していましたか?どんな時に、褒められて、どんな時に、怒られましたか?どんな時に愛されていると感じましたか?
あなたのご両親があなたに接したのと同じように、大人になったあなたは、今自分に接していませんか?
ステップ2:インナーペアレントと対峙する
ノートにあるいはパソコンを使って、あなたのインナーペアレントに対する思いを書き出しましょう。あの時、こんな風に言われて辛かった、本当はこんな風に言って欲しかった。あの時、こんなことをされて悲しかった、本当はこうして欲しかった。などなど、思いの丈を書き出しましょう。
初めてインナーペアレントと対峙する場合は、このステップは少し怖い、辛いステップになるかもしれません。
それは、両親を悪者にするなんて、両親に楯突くなんてという罪悪感を感じたり、思い出したくない嫌な感情が封じ込められているからです。
ステップ3:インナーペアレントをゆるして、手放す
ほとんどの場合、あなたのご両親も完璧ではありません。ご自身の中に消化しきれていない問題を抱えたまま親になっている人がほとんどです。
また、今でこそアドラー心理学、ポジティブ心理学、マインドセット、そして脳科学などが一般に普及してきていますが、私たちの両親の世代は心理学や脳科学は専門家が研究することであって、心理学や脳科学をベースに子育てしたという親はほとんどいないでしょう。
ただ子どものために良かれと思い、そして他の方法を知らなかったのです。ありのままのあなたを無条件に受け入れ愛することができなかったあなたのご両親も、そのご両親、つまりあなたのおばあちゃん、おじいちゃんに同じように、ありのままの自分を無条件に受け入れ愛されることなく大人になっているはずです。
ここまで読んでくださったあなたがすべきこと。それはこのような時代背景を考慮した上で、ご両親をゆるし、そしてあなたの中に住んでいるあなたをいまだに苦しめているインナーペアレントを手放すことです。
そうすることに罪悪感は要りません。
大人になったあなたはあなた自身のルールと価値観に基づき、あなたらしい人生、あなたが望む人生を幸せに生きてよいのです。
あなたを否定するインナーペアレントとはお別れして、あなたを肯定してくれる理想のインナーペアレントをあなたの心の新しい住人にすればよいのです。そうすることで、あなたは、ありのままの自分を無条件に受け入れて愛する、つまり高い自己肯定感を持って生きることができるようになります。
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