高値を付けてみたけれど
今日は、ありがちな失敗を例を挙げて説明します。
【売る側の気持ちと行動】
とある果物農家さん。
ある日こういうことを思いつきました。
農園で作っている果物をアイスにして売ったらどうだろう?
うん、いいね👍
地元の食材使ってるし、地元にちなんだ名前のアイスも作ればきっと売れるに違いない。地元の名物になっちゃうかも!
値段はいくらにしよう?
安くしたら客層落ちちゃうし、安く売るなってよく言われてるしなー。
お店や機材買うのにかなりお金使っちゃったから…。
販売員でバイトも雇ってるし…よーし、思い切って1個500円で売ろう!
「高い方が売れる」ってよく聞くし。
ん?ブランディング?
何それ?よく分からない。
やってるうちに、売れるようになるんじゃない?
ちなみにサイズはスーパーで売られているハーゲンダッツのミニカップと同じサイズである。
【お客さんの意識と行動】
なになに?新しくOPENしたアイスクリーム屋さん?
地元の食材を贅沢に使い、無添加。
へ~、おいしそう。
私、アイス大好き!
1番好きなのはサーティワンだけど、いろいろ食べてみてるんだ~。
でも、500円かぁ。ちょっと高いな。カップ小さいし。
カップにはロゴシールも何も貼ってなくて無地のまんま。
でも、試しに1回食べてみようかな。
おいしいかもしれないし。
「小豆島ミルク1個くださ~い」
もぐもぐもぐ
うーん、普通においしいね。
けど、サーティワンを超えるくらいおいしいわけではないな~。
値段もこっちの方が100円くらい高いし。やっぱりサーティワンがいいな。
いかがでしょうか?
売る側は、ブランディングもリサーチもせずに適当に値段を決めています。
一方買う側は、一度は食べてくれても、よほど気に入らなければ自分の馴染みのお店に戻るのが普通です。
しかし、これではダメなのです。
イチゲンさんばかりがお客では売上はあまり期待できません。
売上を伸ばすためにはリピートしてくれ、お友達にも「美味しいよ~!」と勧めてくれる「ファン」が必要なのです。
そのためには他とのハッキリした「違いや魅力」を出すことが大切です。
それは、味でなくてもかまいません。
カップのデザイン(コレ結構大切!)だったり、見た目であることも重要なのです。
思いつきで何となく始めたり、感覚で値段を決める人も多いです。
しかし、それでは後々苦戦を強いられることになります。
事業を始めるからには、何としても勝たなくてはなりません!(利益を出すということ)
そのためにも、思いつきや行き当たりばったりではダメなのです。
ここで、こちらの農家さんアイスと大手2社との比較をしてみましょう。
味は好みがあるため、比較しません。
大きさ
・ハーゲンダッツ(240ml)
・サーティワン(240ml)
・農家さんアイス(240ml)
知名度
・ハーゲンダッツ(抜群)
・サーティワン(抜群)
・農家さんアイス(地元では知っている人もいる)
宣伝
・ハーゲンダッツ(コマーシャルなど。今はしてるかな?)
・サーティワン(チラシ、インスタ)
・農家さんアイス(インスタのみ)
流通(人の目につきやすいか)
・ハーゲンダッツ(大手スーパーには大抵ある。)
・サーティワン(自社店舗のみでの販売がほとんど。量販店では見かけない)
・農家さんアイス(量販店での取扱はない。自分のお店とイベントでの販売のみ)
価格
サーティワン<ハーゲンダッツ<農家さんアイス
他にも独自性、包装のデザインなどがあります。
いかがでしょうか?
大手よりも高い値段をつけ、しかし知名度もブランディングもされていなければ、選んでもらう、リピートしてもらうのは難しいかもしれませんね。