なんのために山に登るのか?
まだ暗い午前3時に起床。
車のなかでゴソゴソ着替えて、カップ麺のうどんをすする。
夜明けとともに歩き出した。
このあたりは、ツキノワグマが出るエリアだ。
チリンチリンと鈴を鳴らして登山道を行く。
風が冷たくて空気が澄んでいる。
新緑はまだ始まったばかり。
5時間歩いてようやく山頂に到着した。
滋賀県金糞岳(1317m)。
昔、このあたりには製鉄所があったらしい。
40歳を過ぎてから始めた山登り。
なんのために登るのか?
少なくとも
健康づくりのためとか
体力維持のためとか
そういう目的ではないな。
そもそも
目的なんてあるのかな?
今しか見れない景色を見て
この瞬間の風を感じる
土の匂い、新緑の香り、木肌の触感
息をはずませて
大汗かいて
ヘトヘトになって
下りてくる。
それだけの行為をただ楽しんでいる。
あたりまえすぎる動作を繰り返す
やってることは、
右の足を出して
左の足を出すことの繰り返しにすぎない。
あたりまえすぎる動作を繰り返すことで
凝り固まった思考は抽象化し、俯瞰する視点がもたらされるように思う。
今月中に仕上げようと思っているHPの文章が
いっこうに進まないことにイライラしたり
ちゃんと方向性を定め、具体的な行動を起こしている人を
すごいなぁと思う反面、自分はできてないと否定したり
目の前の小さなことにとらわれて
本当はどうしたかったのかさえ見えなくなる自分の小ささに気づく。
二項対立のとらえ方にとらわれることの息苦しさに気づく。
自然の中に身をおくことで
自分の器を広げようとしているのかもしれないな。
自分と向き合い
自分をより深く知る時間にもなっている。
山登りは、自分を満たすためのひとつの手段ってことだと思う。