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熊本 気になる建築巡り50,000歩の記録


人の数ほど建築がある中で、「お?」と気になるものがある。目の端に入って通り過ぎそうになったものを、慌てて引き返してまじまじ見る。あらゆる角度から、なにが引っかかったのかを確認しようとする。
熊本を訪れるにあたり建築について調べてみると、滞在予定時間が足りないほど面白いものがありそうだった。実際に来てみると、ネットには出てこない「お?」となったものも多く、とにかくここに並べてみたい。



集合住宅編

天気良かったので絨毯干してありますね。それはさておき、

なんかガチャガチャしてます。

ウイーンと出てきたようなひさし。そもそもひさしなのか?

中央に住民のための広場があって、周りをこのガチャコン建築が囲っている。つまり、全体として相当広い敷地面積で、現場で見ると「おおお〜」と声がでた。リアル要塞。

建築家は山本理顕。先日の広島旅でこの方の消防署建築を見た。(広島回に非掲載だったけど。。。)これ。

スケルトンな消防署。消防署なのにスケルトン。そういえば同じこの方の横須賀美術館も開放的だった。なんかそういう、中を覗かせてもっと見たい欲をそそるのが好きなのかしら。ワクワク感あります。

そこから道路を一本挟んで、山本理顕の弟子が設計したというアパート群へ。調べるまでてっきりこちらも山本氏のものと思って見ていました。テイストを揃えてる。

渡り廊下がモノレールみたい。

リアル要塞アネックス。


熊本は公共の建築デザインに力を入れていて、中でもアパートは注力先のよう。

相当な市営団地群があると聞いて熊本市中心部からバスで約1時間揺られて「新地団地」という場所へ。乗車から30分を過ぎたところで他の乗客は誰も居なくなり、こっちは不安、運転手さんも不安だろうという緊張感ある時間が続いた。と、そこに見えてきたお目当ての、というか、前情報で画像は無かったので目に飛び込んできたものに焦った。

新地団地A、B、C棟

こちらB棟


ででーん。なんだこれ。

色と規模のインパクトすごい。

横断歩道とのコントラストすらよい。


ここの団地群、群なので1つの団地では終わらない。縦横に違うテイストの団地が伸びている。さらに焦る。

A棟

C棟。

おまとめ式エレベーター。

このC棟はピロティ(一階部分が吹き抜け、実用部分が二階以上にある構造)があってそこがかっこよかった。

郵便受けまでデザインされてる。

うーん、かっこいい。

鼻息荒く向かった、道路を挟んだ向かいに伸びるD棟、E棟も個性的

オレンジがきれい。

E棟。

いらないっちゃいらない、デザインのためだけのこの「枠」。他と違いこのE棟のみ低層棟で、実はここが一番住みやすそうな。

A棟からE棟まで5人の建築家がそれぞれ設計したかなりなとんがり具合の団地群、見ごたえどっしり。
霧雨のお陰で洗濯物の無い写真が撮れた。団地の神様ありがとう。

市内に戻って、熊本のある有名企業の女子寮へ。SANAA妹島和世さんがSANAAになる前のデビュー作。普通に寮なので、しかも女子寮なのでガードが固く、そして高く、これ以上の写真は撮れず。

見えるようで見えない半透けが憎い。仕方ない。

集合住宅編だけでかなりお腹いっぱいになりましたがまだまだいきます。


警察編

熊本中央警察署

一見してヘンですね。安定の逆をいく警察署。

ガラスのキラキラとこのカクカク、「お?」レベルではなく目を引きます。

こちらは街の交番。

でっぱりがナゾです。

金の玉もナゾです。
KOBANて書いてるのでKOBANです。

これは熊本駅前のクラインダイサムの作品。六本木Google社のインテリアデザインを手掛けたことで知られていますが、、、散策途中で見た新水前寺駅にちょっと似てた。


熊本で見た交番では

NHK熊本の隣にあったこれとか

これなんかすごくかわいい。

水前寺公園近くの交番。

かわいいなぁ。


文化施設編

熊本県立美術館別館

肌がヘンなんです。銅板か?と思うような変色が表情を作ってます。調べてみると銅なのは屋根部分だけで、壁は石だそう。

近づくとたしかに石。石もこんな風に色が付いていくとおもしろい。

次に向かったのは熊本市から電車で20分の宇城市にある図書館と美術館が入った文化センター。

広い敷地に気持ちよく立っています。

右翼が図書館、左翼が美術館、

蔵書の背表紙をざっと見る限り、前身の図書館はかなりの歴史があったものと思われる。その図書館に替わってこの文化センターが建った時にはさぞかし住民に衝撃が走ったことでしょう。訪れた時には多くの方が来館、根ざしたらしい。わたしも気になる本があり2時間ほど読書に耽りました。居心地よし。


教会編

さて、ライフワークの教会写真もいくつか撮りましたが、中でもこの2つは引っかかりました。

引っかかるのは、「教会唯一の縛りでしょう」と教会巡りの回で書いたのに、

塔が一直線。クロスがない。

どこから教会を感じればいいんだろう。どこかに隠し十字架があるのかな。もしくは、もう十字架の縛りもないのか。

一方こちらは十字架全面押し。

この十字架がギラギラ

主張してます。



金融機関編

金融機関は見どころあります。だいたいの「本店」がいい時期に建てられていてその鑑賞も楽しいですが、新しい年代のものでも外観のかっこいいものが多いです。今後も注目していきたい。と、ハードルを上げたところで予想外な角度から、この美容室みたいな信用金庫。中で奥さまがパーマ当ててそう。

あなたの街の信用金庫感はありあまるほど出ている。作戦成功。


次のこの銀行のビル。金融街の大きな他社ビルの中埋もれるように建っていた。

控えめな存在感と表面の連続したデザインが合わせ技でかわいい。

新しいのか古いのか、年齢不詳なところも魅力的。たぶん古いのだけど。


そしてこちらの無機質なおしゃれビル。何だろうと近づいて見た。

なんだろう?

日銀様!驚いた。だいたいが威厳表す系の装飾が、少なくとも窓枠にクネクネ付いてたりするのに皆無。無印の家レベルのシンプルさ。こんなことってあるのか。


最後は泊まったホテルの近くにあったビル。

3棟から成っています。連続してウネウネしてるのは、コンセプトを共有して同時に一気に建てたのか、後から建てたビルが空気を読んでそうしたのか。

ウネウネしてます。熊本で話題になってたりするのかな。



建築って巨額の費用が掛かる。それでも安全圏じゃなく尖ったものを作ろうという意気込みあるものはかっこいいし、長い時間利用者と共に存在することを踏まえつつも、制限の出来るだけ端っこを突こうとするスリルを楽しんで作られたものは魅力的。一方で、建築時は真面目だったはずなんだけど、時間が経って周りとズレていったり、風格が備わってかっこよく仕上がっていく予定外な時間の産物もある。

街を歩くと、その場所が建築に対してどんな態度なのかも見えてくる。建築は、建っている現地で全方位から味わい尽くすしか、やっぱり方法がない。


気になるのは建築だけではないんですが、



またそれは別の機会に。


3日で50,000歩なので今回はちょっとズルい感。



#街歩き #建築 #熊本 #旅とわたし

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