人間関係にビジョンを持っていますか?
と聞かれたとき、皆さんならどんなことを答えますか?
「どんな関係性って言われても…」「良好な関係性かなあ…」
という曖昧な答えではないですか?
実は、セッションでも明確な自分の答えを持っている方はかなり少ないのです。
こうなりたいという未来の自分のビジョンを明確にお話しになる方は多いのですが、一方で人間関係にビジョンは?と問われると「考えたこともなかった」という方が多いのが現実なのですね。
今回は、人間関係のビジョンを持つことについての意味を、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
子供の頃から意識していた人間関係のビジョン形成
まず、私のことからお話ししますね。
私はいわゆる「転勤族の子」として育ちました。
転校を経験した方ならおわかりかもしれませんが、出来上がったコミュニティに入ることって、想像以上に難しく、凄まじい労力が必要なのです。
どうやってクラスメイトの中に入り
どう立ち回れば嫌われないで済むのか
この答えを見つけるために私がやっていたことは、最初に誰と仲良くなるかを決め、その子と仲良くなるための行動計画を練っていくことだったんです。
リーダー的存在のAさんがいます。
彼女に好かれれば、BさんともCさんとも仲良くなれる、より多くの人に紹介してもらえるだろうと予想し、まずはAさんと何でも話せるくらい仲良くなろう…というビジョンを作ります。
その後は、Aさんがどんな人かを知ったうえで、Aさんは何時くらいに登校してくるからそのタイミングで話しかけてみようとか、これが好きだからこの話題を振ってみようとか。
それはそれは綿密に組み立てるのですよ、今思うと打算的で嫌なヤツですが(笑)
なぜ人間関係にビジョンが必要なの?
これって転校生だから必要だった訳ではないのです。
あなたが経営者だとしても、会社員だとしても、人との関わりが必要ない人は一切いない。
自分の人生設計にも会社にもビジョンを持つのに、切り離せない人間関係にはビジョンがないっておかしくないですか?
誰とどんな関係を築いていくのかを考える
これは、社会人にとっても重要なこと。
人とそれなりの付き合いをしていると、それなりの人間関係しか作れないから。
何の気なしに参加した飲み会で、よく知らない人の愚痴を延々に聞くなんてことに時間を使ってしまい、もっともっと距離感を縮めたい人との時間が減ってしまったりしていませんか?
職場の人間関係が良くないと仰る方に出会いますが、良くないと思っているのにビジョンを持たないままでは、どういう状態が「良い」状態なのか、目指すものすらわからず、その実現のために何をしていけば良いのかもわかりません。
特に、仕事上でチームワークが必要になってくる場合、人間関係のビジョンがないがために、コミュニケーションにすれ違いが出てしまうと仕事の結果にも影響してしまいますよね。
ビジョンを持つとどうなるの?
ちなみに、前述の転校生時代のビジョンは、打算的のようにも思えるものでしたが、ちゃんと血の通ったコミュニケーションは取れたのです。
このビジョンのおかげで大きな人間関係のトラブルにも遭遇せず、やりたいことをやりたいようにでき、そのうえ親友と呼べる友人も作ることができ、楽しい学生時代を過ごせたのです。
最初は、単純にコミュニティに入りたいだけの思いからでしたが、最終的にこんな結果も手に入ったんですね。
そして、この問いについて自分なりの答えを見つけたクライアントもまた、同じような結果を手に入れていったのです。
職場でも使えるビジョンの描き方
実際に、私も勤務していた弁護士事務所の人間関係に使っていました。
当初、理由は割愛しますが、弁護士と事務員との間に壁がありコミュニケーションがうまくいっていなかったのです。
その結果、お互いに「これをやってほしかったのにやってくれない」「こうお願いしたはずなのに違うものができてきた」など、齟齬が生まれていました。
コミュニケーションの齟齬が起こると、ミスも増えます。
時間効率が悪いので、裁判所からの提出期限がある書面作成はやっつけ仕事になってしまいます。
質の良い仕事ができていたかと問われれば、残念ながら「NO」だったんですね。
この状況は、自分たちもミスの修正などに時間が裂かれ大変だったのですが、最終的には事件を依頼してくださっているクライアントに迷惑がかかっていたのです。
ですから、最初に目標にしたのは、コミュニケーションの齟齬を無くすこと。
そのために「一緒に働く弁護士の先生方がどんな人かを知る」ことから始めました。
相手が「何にどんな反応をするのか」がわからない限り、コミュニケーションを取ることは難しいですよね。
そして、その人とどんな関係性になることが事務所やクライアントにとってメリットを生むのかを考え、ビジョンと行動目標を決め実践していきます。
結果的には「ベルリンの壁が崩れた」とボスに評価していただくほど、コミュニケーションは円滑になっていったんですよね。
初めは齟齬を無くすというビジョンだったものが、日を追うごとにお互いが困ったときに「助けて」と言える関係性へと変化していきました。
相手のことを考える時間を持つことに意味がある
私は、個別にセッションをお届けしているだけでなく、TCS認定コーチとしてトラストコーチングスクールという「コーチングを学ぶ講座」を提供しています。
この講座では、コーチングを学んでいただくと同時に、受講生の皆さんの人間関係のビジョンを描きコミュニケーションスキルを身につけるサポートもさせていただいています。
自分の理想の人間関係が作れるようになると、その人本来のやりたいことや目標に集中できることを、私自身の実体験から確信しているからなんですよね。
テキストを使ったトラストコーチングスクールの講座内では
コーチの私と一緒に考えていただいているんですね。
相手のことを知り相手のことを考える時間を持つことこそ、職場内のコミュニケーションを円滑にし成果を上げることに繋がっていくのです。
古井奈緒子がお届けする
トラストコーチング講座
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今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました!