蕎麦屋でコーチングセッションが売れた話
この記事は現在コーチングを無料で提供していて、
これからセッションを有料にしていきたいなと考えている、
いわゆる0→1フェーズの方向けに私の体験談を綴ったものです。
コーチングスクールを卒業した人の多くがぶつかる疑問
現在コーチングを学んでいる方やスクールを卒業された方の中には、
「コーチングを有料で提供してみたいけど、どうやったらいいのかわからない!」
という方も多いのではないでしょうか。
コーチ仲間と相互セッション練習をしたり、
友人知人にモニターになってもらってセッション経験を積んでいるけれど、
ここからどうやって無料から有料に転換するの?
どれくらいできるようになったら有料で提供していいの?
値段はどうするの?
などなど、わからないことだらけだと思います。
私もそうでした。
まずは身近な先輩に話を聞こう
で、当時の私は何をしたかというと、
まずコーチングスクールの先輩に話を聞きました。
スクール内のFacebookグループで呼びかけて、有料提供している方で話を聞かせていただける方を募りました。
そしてスクールで講座を担当している講師の方が2名参加してくださいました。
zoom開催なので人数上限は設けずに同じく興味ある方は一緒にどうぞ~で聴講者を募集したら、
30~40名くらい参加していた記憶があります。
それだけ無料から有料転換に悩んでいるコーチが多いんだ!
と私自身も驚きました。
コーチングスクールというものが、コーチング技術は教えるけど、
コーチングを収益化することはあまり教えてくれないというのが現実なのかなと思います。
(多数あるコーチングスクールをきちんと研究しているわけではないので、収益化までちゃんと教えているところがあったらごめんなさい)
無料でしかコーチングセッション提供をしたことがない人が特に気になるのは、
自分のセッションスキルが有料に見合うのか?だと思います。
その質問に対する講師の方の回答が、
コーチング自体に価値があると思っているから。
そうか!
コーチングセッションを提供すること自体がすでに価値あることなんだ!
この言葉は今でも私の中に強く残っています。
コーチングの価値って何?
これを読んでいるあなたもきっと、決して安くないお金を払って
コーチングスクールに行って、対話技術を身につけたわけですよね。
その技術料だと思えば当然だと思いませんか。
(なお、コーチングスクールも行かずに資格も持ってないけど最初から高単価で売っているようなプロコーチもいらっしゃいますが、ここでは詳しく触れないでおきます。)
それに、人の時間は無料ではありません。
今の時代、高校生のアルバイトだって東京なら時給1,000円超えてますよね。
それなのに、大人のあなたがお金と自分の時間をかけて学んで習得したスキルを使って小1時間のセッションを提供するのに、
なぜ「有料の価値があるんだろうか・・・」と不安になるのでしょうか?
例えば、靴の踵がすり減ってしまった時に、
修理屋さんでソール交換してもらうことありますよね。
で、1,000円とか2,000円とか払いますよね。
でも、あのソールの(ゴム?)自体の原価は数十円らしいんです(だいぶ前に靴の修理屋で働いていた友人に聞いた話なので正確ではないかも)。
技術料だよ、と言っていました。
ただ、素人ではやりづらい交換作業を、スキルを積んだ人の腕と時間を買って、自分の代わりにやってもらうことにお金を払ってるわけです。
ここまで書いて、美容師さんのカット代の方が技術料の例えとしてよかったかもしれないと思ってきましたが、考え方は同じです。
数万円や数十万円のセッションを売ろうとするならちょっとまた話は別ですが、
数千円のセッションなら今すぐ売っても良さそうじゃないですか?
4桁が怖かったら500円でも、100円でも、投げ銭制でもいいので、
とにかく0円以外で売ってみることが大事です。
で、その金額で実際に提供してみて、
「この金額でやるのは安いな・・・」って思えたら、次から
「怖いけどギリギリ受け取ってもいいと思える最大の金額」
に徐々に値上げしていけばいいんです。
あとここでよく陥りがちなのが、自分の商品価値を
「コーチングスクールに入ってからのキャリア」で捉えがちなこと。
コーチの商品はコーチングセッションではなく、
コーチとしてクライアントの人生に関わることそのものです。
コーチングスクールで学ぶ人のボリュームゾーンは、
30代~50代くらいまでの方が多いのではないでしょうか。
30年、40年、50年、あるいはそれ以上生きてきたら、
誰でも多かれ少なかれ、辛いことや困難を乗り越えてきてますよね?
なーんにもなく順風満帆でトラブルのない人生でした!
なんて人、一人も会ったことありません(笑)
それに、もしそんな人がいたとしたら、コーチは向いてないと思います。
困難を乗り越えてきたあなたの経験は、必ず誰かの希望になります。
そんなあなたがコーチとして関わってくれるって考えたら、
数千円って安くないですか?自分の人生が数千円で買われるなんて。
自分を安売りするのはやめましょう。
誰かにとって、あなたは必ず価値ある存在です。
で、その観点で考えると、
どのコーチングスクールを出たとか、
どんな資格を持っているかなんて、あんまり関係ない気がしてきませんか。
(取得するのがとても大変な上位資格を持っている方が気を悪くされたらすみません!)
コーチングの価値は、気付きや目標設定や行動促進ではありません。
どんな質問、提案、フィードバックをするかなどは、大切ではあるけど本質ではないと思っています。
私の考えるコーチングの価値は、
クライアントが自己変革を起こすための勇気づけです。
勇気づけというのは、
「頑張って!応援してるよ!」と言うことではありません。
コーチ自身が過去に困難を乗り越えて強くなり、しなやかに軽やかに生きている。
勇気を出して、覚悟を決めて挑戦し、自己変革し続けている。
そんなコーチの姿を見て、クライアントが
「私にもできるのかもしれない」と思えることです。
クライアントを「やる気」にさせるのではなく、「その気」にさせるのです。
コーチングの価値を伝えるために絶対に必要なこと
コーチングの価値を伝えるために絶対に必要なこと。
洗練されたセールストーク?作り込まれたプレゼン資料?
違います。
それはあなた自身が身銭を切ってコーチングを有料で受けて、
お金を払ってコーチングを受ける価値を心から理解して、
自己変革してきた経験を語れるようになることです。
それが最高のセールストークになります。
劇的ビフォーアフターです。
自分が買う価値を理解できていないものを売ることはできません。
少なくとも、コーチングセッションという無形サービスにおいては。
商品のスペックを語るのではなく、商品を買って得られる未来を語る。
企業の営業マンだって基本は同じです。
トークスクリプトを完璧に読み上げる人よりも、
自社製品を本当に愛していて、自身もユーザーである人が語ると
熱量も全然違うし、具体的でユーザー目線での解像度も高いから、
買った後の未来がより鮮明に描けるんですよね。
蕎麦屋でコーチングセッションが売れた話
お待たせいたしました。
ここまでの話をふまえて、実際に同僚に1時間5,000円のセッションが売れた時のエピソードを紹介します。
2023年12月に会社に新しく入社してきた女性(Aさん)がいました。
その方はガバナンス部門の配属で、私は当時カスタマーサクセス部門のマネージャーでした。
各部門の業務内容を把握されたいとのことで、私へのヒアリングの時間をセットされたのが最初の接点でした。
話してみると、住んでいるところが同じ沿線で2駅隣と判明。
とても話しやすく、第一印象でこの人とは仲良くなれそうだなという感触はありました。
さらにカスタマーサクセスは社内の多岐にわたる部門との折衝が多いので、この方とのパイプはしっかり掴んでおこうという魂胆で(笑)、私からランチに誘いました。
社交性の低い私は出社していても基本席で一人でお弁当を食べていることが多いので、職場の人とのランチはほぼビジネス目的です笑
オフィスからほど近い蕎麦屋に行きました。
サムネイルの画像にそっくりの、住宅街にある渋いお店です。
どういう流れでコーチングの話題になったのかは覚えてません。
たぶん趣味の話かなにかの流れだったのかなと思います。
Aさんはコーチングについてはだいぶ前に1回くらい受けたことがあるとかないとか、そんな感じでした(記憶が曖昧・・・)。
私がコーチングをやっていることに興味を示して色々質問してくれたので、
コーチングを学び始めたきっかけや学んでみてよかったこと、
コーチングを受け続けてきたことで自分自身がどんな風に変わってきたのかなどを蕎麦を啜りながら話しました。
そして今は学びを超えてビジネスとして有料で提供し始めたこと、
今は副業だけど本業にしていきたいといったことを話していたら、
Aさん『受けてみたいです。いくらですか?』
私「え、あ、受けます?1時間5,000円です」
なんとも肩透かしな感じで有料クライアントの成立です。
あ、これでいいんだ?という感じでした。
有料化し始めてまだ2人目か3人目のクライアントだったと思います。
しかもそれ以前の単価は3,000円だったので、5,000円で売ったのは始めてでした。
セッション回数や時間などの経験値は関係ない
こういう肩の力が入っていない売れ方をした時に、何がうまくいった要因だったのかを考えることで再現性を高めることが大事だと思っています。
蕎麦屋での私の何がよかったのかを自分で振り返ると、
コーチングとは何かを説明するのではなく、コーチングを受けてきたクライアントとしての経験を語った
売るぞ!という力みがなくリラックスしていた
「私なんてコーチとしてまだまだで・・・」みたいな謙遜をしなかった
以前からこの金額でやってますよ、感を出してサラッと言った(実は内心ビビっていたが顔に出さなかった)
当時、自己基盤を整えるプログラムに参加していて、セルフイメージを改善しつつあった
あたりかなと思っています。
当時のセッション経験回数も時間も覚えていないのですが、
ぶっちゃけあんまり関係ないかなと思います。
営業職とかでも、ベテランで知識も経験もたくさんある人より、
エネルギーの高い新卒の方がバンバン売れることもよくありますしね。
人の心を動かすのは知識やスペックではないということだと思います。
終わりに
コーチングは無形サービスなのでクライアントとの相性に大きく左右されたり、こうすれば売れるというセオリーが成立しにくいサービスです。
なので売れるタイミングも売れ方も人それぞれだと思います。
ただ一つ言えるのは、
「この人だからお願いしたい」と思ってもらえることが不可欠ということ。
そして、そう思ってもらえるために必要なのは、コーチングセッションスキルではなく、人としての振る舞いや日頃の信頼関係の蓄積です。
信頼関係を作っていくのは、普段からの挨拶、表情、姿勢、言動、言葉遣い、態度、メールやLINEの返信、ファッションなどなど・・・あなたが存在することで、周囲に与えている印象全ての積み重ねです。
これを「プレゼンス」とも言いますね。
そう考えると、潜在意識下ではセールストークの前にもう大方決まっているようなものかもしれません。
セッションの時以外も365日24時間コーチというあり方を貫いていること。
セッション技術を磨くことももちろん大事ですが、それよりももっと大切なことがたくさんあります。
今回の内容はstandfmでも話しています。
だいたい同じですが微妙に周辺エピソードが違うので、
よかったらそちらもお聴きください📻️
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