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AIといえばスタンフォード大学(人間中心AI研究所)

世界で先進的なAIに関する取組みを行っている大学の1つとして、スタンフォード大学があげられる。
スタンフォードが生み出したAIベンチャーとしては、まずGoogleという会社名が出てくると思います。もともと半導体やコンピューターサイエンス等とITに関連するものが強く、シリコンバレーを中心としたベンチャーが生まれやすい環境があることもあり、現在でもトップリーダーとしての地位は確固たる状況だと思います。

スタンフォードでAIといえばスタンフォード人工知能研究所という研究機関があげられ、シスコシステムズやサン。マイクロシステムズといった企業を生み出すほどアカデミック・ビジネスの2面で世界に貢献している研究所です。
2019年にAIで世界的権威であるリー・フェイフェイ氏らが中心となり、スタンフォード大学に所属する200人の教授と研究者で構成される「人間中心のAI研究所(以下、HAI)」が設立されました。HAIは、人類社会および人間の生活に、AIがいかに肯定的な影響を与えられるかにフォーカスし、人間を中心としたAI技術やアプリケーションを研究することを目的とした研究所行っており、諮問委員会にはエリック・シュミット氏、リード・ホフマン氏、マリッサ・メイヤー氏、ジェリー・ヤン氏、ジム・ブレイヤー氏などが名を連ねています。
AIの人間中心的なアプリケーションや技術に焦点を当て、AIが人間社会および人間の生活にどのように肯定的な影響を与えられるかを評価し、人工知能の倫理的問題にも取り組んでおり、近年の生成AIについてのあるべき姿についてもいろいろと情報発信を行っています。

HAIは、「人間への影響」、「人間の能力の補強」、及び。「知性」という3つの領域を中心に研究を進めています。

人間への影響
AIと人間は混在することが多いため、両者の相互作用にについて整理が必要になってきます。司法システム、産業構造化、人口コントロールなどへAIの活用の推進につながるを研究を行っています。
これらの分野では、AIの活用方法を誤る可能性が高いため、問題のない融合が実現できることを目指しています。
人間の能力の補強
人間の能力を拡張するための新しいツールや設計手法の創造と開発を進めることによって、AIが様々な業界で人材育成や教育の機会をより多く創出でき、労働者の仕事への貢献度を高めて、より質の高い仕事を実現することを目指しています。
知性
人間の言語、行動、相互作用、意図などを研究し、利用し、理解することに長けたAIを開発し、AIが人間をコピーして理解し、その反応をよりよく模倣することができることを目指しています。この研究では、このプロセスを示し、人間の働きに近い働き方ができるAIシステムができるのを楽しみにしています。

最近発表された記事として、「2023年 AIの現状」をまとめたものがあります。
以下の14個の要素について言及されており、AI分野の現在のトレンドと動向を把握させてくれる記事になります。もしお時間がありましたら下の記事を見てください。

  1. LLMsの拡大: GPT-2やPaLMのような大規模言語モデルのサイズとコストが増加している。

  2. 新しいベンチマークが必要: AIシステムが現在のベンチマークを超えているため、より難易度の高いテストが必要。

  3. 高い環境コスト: GPT-3のような大型モデルは大きなカーボンフットプリントを持つ。例えば、BLOOMのトレーニングには、平均的なアメリカの家庭で41年間使用するのと同じ電力が消費された。

  4. AIの増加、問題の増加: AIの誤用に関する事件が増えている。これには、政治家のディープフェイクや学校での侵入的な監視技術などの問題が含まれる。

  5. 倫理関連の研究の増加: AIの倫理に関する研究提出が急増している。

  6. AI労働需要の増加: AIスキルを求める求人が増加しており、特にカリフォルニア、テキサス、ニューヨークで顕著。

  7. 企業投資の変動: AIへの投資は2022年に2021年と比較して減少したが、過去十年間で大幅に全体的な成長を見せている。

  8. 中国のロボット統合: 中国は産業用ロボットの導入でリードしており、全体の半分以上を占めている。

  9. AI博士は産業を好む: 新しいAI博士の多くが産業の仕事を選んでおり、学界や政府のポジションよりも人気がある。

  10. 世界的なAI関連立法: 過去1年間に127カ国が37のAI関連法を導入し、米国がその中でリーダーとなっている。

  11. 米国の連邦AI予算: 米国のAI研究開発への予算は着実に成長しており、2022年度には17億ドルが配分された。

  12. CSのジェンダーダイバーシティ: 男性が優勢である一方、AI業界は次第に女性が参入してきている。

  13. CSの民族的多様性: CS学位は民族的に多様化してきており、新卒の中でアジア、ヒスパニック、複数の民族の割合が増加している。

  14. 女性教員の増加: 北米の大学の教員に女性が増えてきている。

以上のようにHAIが発信してくれる情報を通じて今後のAIについていろいろと把握・整理ができると思いますので、面白い記事があれば今後も紹介していきたいと思います。


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