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アンラッキー アンド ラッキー
「飛行機のチケットって、突然キャンセルになることあるんだよ」
と、長きにわたってフリーランスの写真家として活躍されてこられたお客さま
なんでも、
国際的なV.I.P.の方がどうしてもその便に乗りたいと申し出た場合、飛行機会社は無作為に搭乗予約者の予約をキャンセルして、V.I.P.の方をお乗せするのだそうです。
写真家の方と同行の方は、まさにそのとばっちりを受けてしまったのです。
場所はトランジット目的で降り立ったレバノンの国際空港。
アフリカ、北サハラの社会主義国家の革命指導者が演説を打つ、その演説シーンを撮影する目的で、社会主義国へ渡航する途中でのできごと。
仕方なく、別の飛行機で予約を取り直したものの、演説開始の時間に間に合うはずもなく、件の国に降り立って、失意のまま、ホテルにチェックイン。
部屋に入って、テレビのスイッチを入れてみると、なんと! 指導者の演説はまだ続いていたのでした!
開始時刻から4時間を優に超える大演説。
「おっ! まだやってるぞ!」
と慌てて、カメラを掴んで演説会場に駆けつけて、撮られたのがその革命指導者の演説シーンの写真なのです。
そんなエピソードを聞くと、その写真からは、4時間を超えてもなお熱く語る革命指導者の熱意が、益々もってビンビンと伝わってまいります。