「ドレミの歌」が生まれたきっかけ 誕生編
三島由紀夫さんの勧めでミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」をご覧になったペギー葉山さん。
劇中歌に感動して、終演後にミュージカルの音楽担当の方とお会いになり、劇中歌を歌う許可をその場でいただけたそうです。
観劇後、ニューヨークのホテルに戻って、感動に浸りながらも、
「さて、どうしたものか?」
と思案に入ります。
というのも、「ドレミの歌」の元歌である「Do-Re-Me」は、ミュージカルの設定では、音楽の知識のないトラップファミリーの子供たちに「音階」を教える歌として歌われます。
「ドレミファソラシド」はイタリア語の音階表記なので、それを英語の比較的近い発音の単語で説明する、というのが歌詞の内容です。
ですので、それをそのまま日本語訳すると
♬“ド”は鹿、メスの鹿(doe)
“レ”は、黄金色の太陽のしずく(光)(ray)
“ミ”は、自分自身を呼ぶときの名前(Me)♬
というように、英語歌詞をそのまま日本語にすると、「ドレミファソラシド」という音階を教えるという主旨には全く沿わない内容となるのです。
そこで、ペギーさんは日本語によくある説明の仕方で日本語歌詞を“作詞”することにしました。
私は井村です。 “井戸”の“い”です。
と日本語の会話で聞き取り間違いやすい音を説明する、あの方法です。
そうして生まれたのが、ペギーさん作「日本語歌詞のドレミの歌」なのです。
ちなみに、
「ド」が「ドーナツの“ド”」になったのは、ペギーさんがミュージカルを観劇したニューヨークでよく見かけた食べ物だったから、なのだそうです。
ひそかに、ニューヨークの風物を取り入れているのが、オシャレですよね♪