髙橋直樹 レビュー・感想ノート

髙橋直樹 レビュー・感想ノート

最近の記事

ダーティハリーとアメリカンニューシネマの話・続き

「もしも」「しても」「あまり」ですか。予防線ですね。そこはまあともかく。 北村氏の主張に疑問を感じて今なお飽きてない人たちは、ダーティハリーの評価についてというより、アメリカンニューシネマをその評価に繋げて白人男性中心主義がどうたらの三題噺にされてる点に納得できないんだと思いますよ。僕の前回の記事ですが、 この場合、ダーティハリーがアメリカンニューシネマに含まれるかどうかは問題じゃないんですよね(含めて語る切り口はあまり見た事がないけど含めたって構わない)。僕の記事でも指

    • ダーティハリーとヴィジランティズムとバニシングポイント、アメリカンニューシネマ、ジャンルを知らずに作品批評は可能か?

      このへんのおはなし。 自警主義とアメリカンニューシネマ 映画を思想の乗り物にしてそれしか語らない手合いを僕は嫌いだ。例えばまあ宮台氏の映画批評とかね。好かなかった。でも宮台氏はまだなんとか、そういうテーマなんだろうなと広く認識はされそうな主張はしていた。しかしここで北村さんの書いている感想は、映画のテーマや思想の読解としてもおかしいし、作品がそうなった背景の解説としてもおかしい。何でも白人男性中心主義の話にするのはいかがなものか。 アメリカンニューシネマを「セックスと暴

      • 一般社会には権利商売でないお仕事のほうがたくさんあります。そういうのを知るのも社会性。

        この投稿に対する一部の方々の反応がちょっと酷いかなあと思って記事を書きます。曰く、「“本当の絵描き“からすると大爆笑案件」「Aiイラストに著作権ないから普通に使われても仕方ない」「AI絵に著作権は無いんだよ残念ながら」「AI出力で自分で描いてないのに イラスト依頼を有償でうけててイラストをパクられるという発言しているの本当に意味わからん」 …………。 あのね、作業が生じたらお金払うのは社会のルール、当たり前だからね? 納品まで済ませてるんならなおさらだ。そこに著作権は関係な

        • Paints-Undoの意義

          「好意的に捉えるの流石に無理過ぎる」(こういう感じの見解が割と見られる) 別にこれ、技術者は無理矢理擁護してるわけじゃないんだよねぇ。普通に新しい切り口でこれは面白くなりそうだぞと思ってごく自然に賞賛しているのだ。普通にこの先の展望がある技術だからね。評価出来る人間ならそう思うだろう。 この絵の塗り方が知りたい、となったときに、ぱぱっと手順を出してくれるツールがあったらめっちゃ便利でしょ。平たくいうと、無料で使えるタイムラプスお絵描き講座があらゆるイラスト対象に量産できた

        ダーティハリーとアメリカンニューシネマの話・続き

          生成AIの利用に関する私のスタンス

          これが(256△の自作VRMモデル) こうなって(copainterで線画・着彩) こうじゃ!(Luma Dream Machineでプロンプト「dance」で動画化) 色々破綻しているし、これを出力するのに無料枠とはいえ深夜で30分掛かっているので、さすがにちょっとこれを動画制作で直接使うのは厳しいかもしれない。でも、首が描かれていたり手足胴の太さの変化、頭の形状や、影が付いた事による細かい凹凸陰影等がいい感じで、このAIイラストとAI動画を元にハイポリモデリングした

          生成AIの利用に関する私のスタンス

          温泉むすこ「玉袋ゆたか」を応援したい(皮肉とかではなくガチで)

          ポリティカルな文脈とか、そういうの関係なく僕の好み直球ど真ん中なのです。すばらしい。本当にすばらしい。これが政治的に色のついた表現であることがとても残念で悔しく思えるほどに本当に手放しに素敵なイラストであり素敵なキャラクターデザインです。ありがとうございます。これがお店に並んでたら僕は即決で全種買いますよ。大好きです。色々悪くも言われてると思いますが、出来たらこのイラストは残しておいてほしいし、このキャラクターを使った他の作品も期待しています。 これVRMとかlive2dモ

          温泉むすこ「玉袋ゆたか」を応援したい(皮肉とかではなくガチで)

          これがVTuberに関する論考として歴史に残ってしまうのはだいぶ知的にまずいと思います。(論座2021年10月1日)

          50年100年後の研究者がこれを参照して(なんといっても日本のクオリティペーパーな新聞社なわけだから)信用して研究をしてしまうのはだいぶまずいよなあと心配しています。 まず記事として構成がおかしい。キズナアイの複数人制は、中の人を入れ替えることが失敗した業界最大規模の実例ですが、それを取り上げた上で、彼はこう論じているわけです(以下引用) しかしその一方で、アバターと中の人が一対であり不可分な関係性だというのは、VTuberのアバターひとつに中の人ひとりという、現在主流な

          これがVTuberに関する論考として歴史に残ってしまうのはだいぶ知的にまずいと思います。(論座2021年10月1日)

          「遊び方にパテントはない」「女性器四文字の禁忌について」(NKODICE関連でのホロライブ批判への意見)

          遊び方にパテントはない 前提として、僕はゲームプログラマとしてもゲーム作家・シナリオライター・プランナーとしても、「遊び方にパテントはない」と言いたがるほうの人です。実際に必ずしもそれが通ってない実情はあるとしても。 また、仕事や創作してない時間のほとんどをYouTube視聴に費やしていて(飯食ってても風呂入っててもベッドの上でも観てるからね)、その半分くらいはVTuber(ホロライブ、にじさんじ、個人勢)の視聴に当ててるくらいどっぷりそちらのファンであり、ホロライブに肩入

          「遊び方にパテントはない」「女性器四文字の禁忌について」(NKODICE関連でのホロライブ批判への意見)