サビサビママチャリ復活記

ここ一年くらい、不具合を放置していたママチャリ。ランニングを始めてから、まぁ、自転車に乗らなくなった。島内で自転車で行けるような場所には走っても行けるので無くても大してさしつかえはない一方で、そろそろ暑くなって自転車があれば、、と思うことが増えて来た。

さて、現状だ。
・前輪のブレーキが戻らず、ずっと摩擦している
・後輪の動きがスムーズでなく、ペダルが重い
・ライトのスイッチがサビついていて動かない
・後輪タイヤはパンクしている


6年前に買ったギアなしシンプルママチャリで、以来ノーメンテ。島に来てからの4年間で、潮風の影響を受けまくった結果だ。

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なにこれ(笑)

って、まあこんな具合なので、乗らずに押して整備工場まで運んだ。ブレーキがかかりっぱなので、これまたキツいこと。

「タイヤは亀裂が入ってるから取り換えたほうがいい。チューブもダメだろうな。ブレーキケーブルは劣化してるからそのうち切れるよ。スポークも変えた方がいい。・・・買った方が安い。」

なんと、匙を投げられてしまった(笑)
ならばいたしかたない。自分で直す。

①一般的なママチャリの前輪を一新する簡単な方法
チューブとタイヤを外して交換するよりも、すでにフレームに組まれたタイヤを買ってそれに交換する方がハードルが低いのでは、と考えた。そういえばこの自転車の後輪パンクは、前回タイヤとチューブを交換しようとしたらタイヤレバーでチューブを破損させてしまい、「あとで直そう」状態なのだった。脳裏でよみがえる苦戦の記憶(笑)

完組状態で、一般的な26インチのママチャリにそのまま装着できるという神がかった前輪タイヤがAmazonで売っていた。送料込みでこの額というのはマジで神としか言いようがない。おかげで前輪パーツのサビ落とし作業もかなり省略できた。・・・しかし古い方はきたないな・・・。

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交換の仕方は、かんたん。前輪を固定しているナットとワッシャー類を外して、戻すだけ。案外、調子こいて外してるとナットの順番とかよくわかんなくなってあとで考えるハメになった。これは次への反省。忘れるもんだなぁ・・・。

②前輪ブレーキの交換・調整方法はYouTubeを見る
ママチャリの前輪によく装着されているタイプのブレーキをキャリパーブレーキと言うらしい。リム(タイヤを取り付ける金属のフチ)をわしづかみするアイアンクロー型(?)のやつね。これもそんなに高くないからいちいちサビを取るより交換しちゃおう。いちばん安いやつ付けてみた。ふつうに付いた。

外し方と取り付け方はYouTube先生に教わった。

がしかし、この動画で「このナットを外すと簡単に取れる」とされているブレーキ本体が、ナットを外しても取れない。なんでや、とウンザリしかけたけど、ハンマーでコンコンというかゴンゴンゴンゴン叩いてみたら外れた。やはり、塩で完全に固着してたようだ。

ブレーキを交換するなら、そんなに高くないから同時にケーブルも交換しちゃった方がよいと思った。金属のケーブルがビニールカバーの内部でスルスル動くというのが本来の状態なだけど、自分の場合はビニールのカバーと金属のケーブルが内部でくっついて動かなくなっていた。だからブレーキが戻らなかったのか。


ついでに、ブレーキレバーとハンドルグリップも取り換えたよ。

ブレーキレバーとハンドルグリップの角度は大事だと思った。新車購入時はブレーキレバーがほぼ真下に向いちゃってて、そんなんじゃダメだね(急にエラそうになるw)。 もっと角度を付けて近くで握れるようにしたら、かなり乗り心地が良くなった。

③後輪は悪戦苦闘(結局は分解清掃とチューブ・タイヤ交換)
後輪も前輪同様フレームごと交換したかったのだけど、ならず。というのも、チェーンスプロケットというチェーン受けの部分の外し方がわからずで、チェーンというかこの自転車はベルトドライブなので、検索してもノウハウがヒットせずだった。そこで、今回は後輪についてはチューブとタイヤのみ交換。しっかり落とせるサビを落として、フレームを新しくするのは、また次の整備のときにメーカーに問い合わせることにした。

というわけで後輪に関しては、分解してできるだけサビを落とす。パンクしたチューブ・タイヤは新しいものに交換する。タイヤを元通りに取り付ける。という作業をした。自転車分解してると「何でや」と思うんだけど、いろんなサイズのナット使ってるからレンチがたくさん必要になる。15mmだったり、17mmだったり、14mmだったり。それも隙間が狭かったりするから、同じサイズでも同じレンチで対応できなかったり。こんなサイズのこういうレンチを使ってできたよというのはこの記事の最後にまとめます。

後輪フレームの中心部に組み込まれているベアリングという玉っころをひとつ作業中に紛失してしまったため、追加購入。大して高いものではなくて良かった。紛失というか、不覚にもコロコロ転がって側溝に落ちてしまった。転がり落ちたときの万事休す感と、あった!と思ったらダンゴムシだったときにコノヤロー感たるや(汗)

玉は、ほとんどのママチャリはこの大きさ(6.3mm)らしい。

ネットでパーツを売ってくれる業者は、島暮らしにとっては本当にありがたい。

やはりタイヤ装着は避けて通れないかという「ドラクエ3でアッサラームに行こうとしたらあばれザルが現れた」みたいな半ば絶望を伴う緊張感に襲われつつ、うまいやり方を調べまくってから臨むことにした。リムに装着する前に、タイヤにチューブを通しておく。そして、タイヤをチューブごとリムに装着する。このやり方で、3分でできた。強敵はレベルを上げてから倒すものであるという教訓を得た。(笑)

タイヤを外す際には、タイヤレバーが必要。

ちなみに、後輪の荷台は使ったためしがなくただの重りと化していたので外した。

④後輪ブレーキをキャリパーブレーキに改造する
元ついてたローラー式ブレーキは取り去って、前輪と同様のアイアンクロー型キャリパーブレーキに改造した。動きと仕組みが見えるのでこっちの方が好きだ。

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この自転車の場合たまたま簡単にできた。上の写真のように、泥除けのすぐ上(数センチ内)に、タイヤに対して垂直方向の頑丈な金属板が存在する。この条件を満たせば、その板に穴を開けてキャリパーブレーキを付けることができる。

付け方は前ブレーキと変わらない。ただ、前ブレーキは自転車の軸という結構厚みのある部分に取り付けることが想定されている。自分の場合は、その厚み分を真鍮パイプで稼いだ。なぜそうしたかと言うとちょうど良さげな真鍮パイプがたまたま家にあったから。キャリパーブレーキを自転車本体に固定するネジの径に合ったナット(ほとんどはM8だと思うが、確証はない)を一つ余分に用意して、穴を開けた金属板を挟めばいいんじゃないかな、たぶん。

キャリパーブレーキは耐久性や性能の違いを検証したかったので、前輪とは別メーカーで超メジャーなやつにした。ってもまぁ、極端に財布を圧迫するような代物ではない。

⑤ペダル交換はサビてなければコ型の15mmレンチひとつで行けるが、、、
ついでにサドルとペダルをちょっとかっこよくしてみた。どっちもレンチで取って新しいのを付けるだけ。なんだけど、ペダルが外れないと来た。またかよ。ネジが回らない。ペダルが回っちゃってうまく力が入らないし。これはマジで取れない。困ったときのYouTube先生~!

なるほど、モンキーレンチで逆側のクランクを固定すると。あといろいろ検索すると、やっぱりペダルレンチという専用工具は強力らしい。これらを使ことでスムーズに外れた。クランクは32mm幅、意外と幅があったので36mmのワイドモンキーレンチも新しく買った。ちなみに、動画でも言う通り、左ペダルのネジは逆回しだ。新しいペダルを取り付けるときも、一見同じに見えるペダルには左用と右用とがあって、ネジの向きが異なるという点に注意。

それにしてもやらなくてもいいペダル外し作業をしたいがためにだいぶ工具に散財した感が。。。知らなかったことを知った。できなかったことができるようになった。それで良しとする(笑)

⑥後輪のトルク調整は、本体にマウントしたあとでもできた
後輪を自転車本体に取り付け、いざタイヤを回してみると・・・・あれ固いぞ?ということで調べてみたところ(実際にはこの時点でかなり心が折れているわけだが)、

玉押し、軸受にボールベアリングが並んでいます、ボールベアリングが外れないように上から押えている(実際は軸にそって横からですが)、それが玉押しです、当然強く締め付けるとベアリングが押し付けられて抵抗が大きくなります。後輪外しただけではベアリングは見えませんがベアリングのある位置に蓋状のものがあります、それを緩めて調整。

どうやら締め付けすぎていたようで、玉受けを固定するナットを緩めたらスムーズに動くようになった。本体に車輪をマウントしたあとでも、外側のナットから緩めて行けば玉受けを固定するナットも緩めることができる。ある程度玉受けを固定するナットを緩めたら、本体とホイールを固定しているナットだけをキツく締める。

後輪の動きがスムーズでなく、ペダルが重いというのも、おそらくサビによってこのベアリング周りの可動性が失われて発生していたと考えられる。メチャメチャスムーズに動くようになった。

⑦サビとりは「液体」「消しゴム」「ネジ用」の合わせ技で

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「錆取り職人」というアイテムが思いのほか効果を発揮してくれて、サビが完全に取れるわけではないものの、ナットやボルト類はその性能が再生するくらいまでには取れた。平らな面には消しゴムタイプのサビ落としも併せて使用。動かないネジにはラスペネ。名付けて『サビ取り三人衆』。

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微動だにしなかったライトのスイッチも・・・

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動くようになりましたとさ。

道具まとめ

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・コンビレンチ(主に百均):8mm,10mm,13mm,14mm,15mm。
・ラチェットレンチ(主に百均):8mm,10mm,13mm,15mm,17mm
・薄い万能レンチ(百均):薄いレンチしか入らない箇所が数か所あった
・タイヤレバー:タイヤ外すとき
・プラスドライバー:ブレーキを外すとき
・ニッパー:ブレーキケーブルの切断に(ワイヤーカッターという専用工具あり)
・サビ取り:ラスペネ、サビ取り職人、消しゴム

あると便利
・ハンマー:くっついて動かないものを外したいとき
・マイナスドライバー:キャップを外すときなど
・ペダルレンチとワイドモンキーレンチ:きつくしまったペダルを外すとき(きつくなければ15mmの普通のレンチでいける)。
・蚊取り線香

反省点
①外した部品類(ネジ、ナット、ワッシャーなど)の整理
あれ?これどこに付いてたっけってけっこうなった。ベアリングの玉も無くしたし。どこについていたのかメモしながら作業するのと、置きやすい置き場を作って、そこに置くと決める。

②分解、取り外しできなかったパーツ
後輪のチェーン(ベルト)スプロケット。あと意外にも前かごが変な付き方していて外すと壊れる感じだった。

完成

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もはや購入時の動きが完全に再生された。故障というよりは「なんだかタイヤの動きが悪くなった」という場合、

①何かが車輪の動きを邪魔しているのでは?
→ブレーキ調整または交換、泥除けの干渉もチェック
②ハブ(タイヤの中心部分)周辺の可動性が失われているのでは?
→一回フレームごとタイヤを取り外して各パーツをサビ取り&注油。ベアリングを押さえるナットのトルク(締め具合)が強すぎないか?

この二点を確認するだけで、かなり変わるかも。

感想
自転車のパーツは思いのほか安く、ほとんどのパーツが千円程度から入手できる。今回は塩害と長年の放置で極端な劣化が発生していたため、ガンガン部品交換したが、通常は分解清掃(オーバーホール)だけでも十分効果が見込める。油、サビ落とし剤、工具を含めてせいぜい5千円程度だろう(百均に置いてある道具も多い)。むしろどうしていままでこれをやらなかったのだろうという気すらするほど、なめらかな動きには感動を覚えた。何の燃料も必要とすることなく軽度のマンパワーでこれだけのスピードが出るママチャリの底力を改めて感じた。これからもお世話になりますだ。

ちょっとおすすめの自転車の空気入れ
自転車の空気入れというのは、使用頻度は必ずしも高くないわりにデカくて保管に困る。重さもあるので、団地の5階に住んでいた頃は使うたびに1階まで持ち運ぶのもちょっとしたハードルだった。そこで、朝家を出る時に1階まで下ろして空気を入れて、夕方帰って来た時に回収しようとしたら、その日のうちに忽然と無くなってたという経験も。おいおいコンビニのビニール傘か。

そこでおすすめなのがコンパクトな足踏み式。これなら、靴箱のちょっとしたスペースにしまっておけるし、個人的には腕で押すより足で踏んだ方がラクだったりもする。


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