サブスリー達成まとめ⑥:ロング走を欠かすまじ!
インターバル走は毎週行っていても、ロング走を欠かしているランナーはかなりいます。キプチョゲは、理想的なレースを語るときに、「美しい(Beautiful)」という表現をします。難しい表現ではありますが、最初だけ突っ走って後半失速するのではなく、一定のペースとリズムで走ることが「美しいレース」を形作る基礎だと思っています。
櫻井教美さんは、
今以上に速く走ろうとしなくても、上手に走るだけでかなりある程度までタイムは縮まります。
と、おっしゃっています。上手に走るということは、美しく走るということでもあり、最初から最後まできれいなフォームで、同じペースで走ること。終始頭脳明晰な状態であること。マット・フォックスの言葉を借りれば、終えて1分後にはジョグを開始できる程度の状態で終えることだと思います。
ロング走は、お芝居で言えばリハーサルの役割を担います。本番は、どんなことが起こるかわからない。風や雨で心が折れる。「30kmの壁」に悩まされる。トイレに行きたくなる。靴の中で足が痛む。そういう心技体あらゆる面でのトラブルをあぶりだすことに意味があります。あるいは、テーマを持って取り組んできたポイントトレーニングの成果を総合的に試すという意味でも、ロング走は必須です。
目標タイムで走る必要はありません。リカバリーに時間がかかって次の日に練習ができないし、故障する可能性も高い。次の日には回復している、もしくは一日休息を取れば回復するくらいのタイムと距離で走りましょう。たとえば、レースの目標タイムが4:15/kmならば、練習では4:30/km~4:45/kmに落として、30kmを走れるようになったら40kmにしてみる。あるいは2時間半とか3時間とか、時間を決めて走るのも良いです。
1回で満足せず、できれば週に1回、練習メニューに組み込んで繰り返すことが大事です。もう一つ大事なことは、どこかが痛むようなら無理せずすぐ中断することです。気を取り直して、次の週にまた頑張りましょう。
断食ラン
エイドステーションはありがたいですが
・ペースの崩れ(による脚攣り)
・集中力の乱れ
・接触の危険性
といった可能性が付き纏います。さらに、こういったことを危惧していること自体が精神的な消耗につながります。
そこであるとき、3時間程度のランニング中にそもそも補給って必要なの?ということを考えました。動物にとって腹が満たされたときは基本的にダラダラする時間で、走るときというのはむしろ空腹時なのでは?と。
さっそく、週一回のロング走を無補給・無給水でこなすようにしました。朝起きて着替えて家を出て、アップしたらすぐに走り出す。30km~40km、あるいは2時間半~3時間、飲まず食わずで走り続ける。もちろんヤバくなったらすぐにリタイアも補給できる短い周回コースです。何回か繰り返してイケると思いました。初めてサブスリー(サブエガ)を達成したレースも、特に何の問題もなく飲まず食わずで完走しました。
サブスリーかそれよりも速い記録を目指している人で、補給・給水について悩みを持っていたら、いっそのこと何も取らないというのも検討してみていいと思います。でもやる場合は自己責任で、そして必ずロング走や、ハーフマラソンを通して身体を慣れさせておくこと。人によってはかなりの危険な状態に至ると考えられるので、決して万人におすすめはしません。ちなみにわたしは7日間断食の経験者なので、空腹にはそもそも比較的慣れています。