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エフェクターボードを組もうという話

ここではまだあんま言ってませんけど、ベーシストなんですよ。
で、しばらくバンド活動から離れていたんですが、
最近にわかに活動が活発化し始めまして。

まず、loomerloomerというバンドに加入致しました。
キーボードボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人組で
THE FLAMING LIPSやPAVEMENTに影響を受けたボーカル大久保さんの作る
ひねくれポップで洋楽テイストのロックを奏でるバンドです。
自分の加入後はまだライブは一回こなしただけですが、
現在Soundcloud用のデモ音源をレコーディング中です。
名前をお見掛けした際には是非チェックして頂けると幸い。

あと、ピープスゴーゴーというバンドも始動しました。
これは昔馴染みのキーボードボーカルとドラマーと一緒に
ゆるく楽しくやろうということでマイペースで曲作りを行っています。
現在ギター募集中。

そんなわけで、心機一転バンド活動を始めるにあたって
新たに機材をいくつか購入致しました。
で、最近ハマってるコンテンツのひとつとして
みんな大好き島村楽器の坂本氏の動画があるわけですよ。
もともとは島村楽器甲府昭和店の店長としてこちらのチャンネルで
目隠しでギターを当てるという変態奥義を披露していた名物店長ですが、
最近会社公認のインフルエンサーとしてマーケティング部に異動し
より動画制作に注力できる体制になったようです。
給料下がったらしいですが…なんでや…
頑張って欲しいです。
それとは別に、坂本氏が個人で運営しているチャンネルもあり
こちらで定期的に配信を行っている名物コンテンツが
「視聴者のエフェクターボードを見て年齢を当てる」という企画です。
何とも可愛らしいお声の奥様との仲睦まじい掛け合いや
伝統芸能と呼ばれる一歳外しやメンシプ勢の狂気など、
いつも本当に楽しい企画なのです。

自分は昭和生まれのおっさんで、
平成中期に大学サークルでバンドに打ち込んだ人間であり
その頃はベーシストには未だに
「ベーシストの究極はアン直」
「コンプは甘え」

みたいな老害的思想がうっすらと残る時代で、
実際自分も「結局大して使わねぇしなぁ」などと思いつつ
せいぜい当時発売されたばかりのMXRのプリアンプを
大した使い道も分からず繋ぐくらいだったのですが、
ギタリストの足元をカラフルに彩るコンパクトの数々への
飽くなき憧憬は常に心の隅にあり続け、
そこから時は流れて今や日向秀和氏や中尾憲太郎氏などをはじめとして
ベーシストがボードを組むのは当たり前の時代となり、
エフェクターの品質もどんどん上がってベーシスト向けの機種も増え、
そんな中で坂本氏の配信で全国のバンドマンの
百花繚乱たるエフェクターボードを見ているうちについに

ボ  組
|    む
ド  か

と、ナガノ氏のくまのように思い立つに至るわけです。

昔から持っている機材と新たに買った機材、
さらにボード組むならこんなのも入れちゃえと思った機材、
合わせるとメインのペダルは5つ。
ベーシストの足元としては丁度いい数ではないでしょうか?
それに加えてそれを乗せるボード本体、パワーサプライ、
ケーブルなどなどこれからご紹介していこうと思います。
果たしてどんなボードが出来上がったのでしょうか?

1.チューナー:BOSS TU-3W

もともと大学時代はTU-2というBOSSのチューナーを使っていた俺ですが
当時のBOSSコンのバッファーはまぁ評判が悪かった。
直列で繋いだら音が痩せると。
俺はバカ耳なのであんま分かんなかったんですが。
しかしそこから時は流れ、チューナーのバッファー戦国時代。
KORGやtc electronicなどライバルがひしめく中
BOSSが上級ラインWAZA CRAFTの一作として
満を持してリリースしたのがこのTU-3W。
相変わらずバカ耳なので結局よく分からんのですが
直列でいくつかエフェクターを繋ぐにあたって良質のバッファーは必須。
視認性も高く、堅牢な黒のボディもかっこいい。
ということで、最前段はこの子になっております。

2.コンプレッサー:MAXON CP9Pro+

大学時代からMAXONは愛用者の多いペダルメーカーでした。
未だにOD808とかの神話もありますが、
とりあえず安心と信頼の~といったイメージです。
で、ベーシストのコンプといったら古くはEBSのMULTICOMPとか、
近年だったらBOSSのBC-1Xとか、
高いのだとInner BambooのU-IIとかEmpressのやつとかでしょうか。
ど~も天邪鬼なもんで、王道を外したくなってしまう性分で。
定番じゃない中で評判の良いものってことで結構昔に買ったやつです。
スレッショルド、レシオ、ゲインだけのシンプルなコンプですが
迷わなくていいです。音も非常にナチュラルでいいペダルですよ。
スラップとか苦手だけど挑戦していきたい…という気持ちと
ピック弾きにかけるとかの実験もしていきたいなと思っています。
ブースターとしての使用も場合によってはアリかな。
コンプってこういう多彩な使い方ができるのが面白いですよね。

3.ファズ:MXR M287 Sub Octave Bass Fuzz

ボードを組むにあたって、歪みを入れたいと思ったわけですが
個人的に、ベースに半端な歪みはあってもしょうがないと思っており。
理想はとにかくエグく、太く、かつきめ細かく、
レーザービームのように歪むファズが欲しい。
その理想を叶えてくれるのがこいつです。
まずウォームとブライトの二種類のファズを使い分けることができ、
そこに原音と、さらにはオクターブ下の音もミックスができます。
あまつさえイコライザーもついており、
およそファズに属する音で出せない音はないくらい多機能のペダルですが
何よりファズ自体の音質が好きなんですよ。滑らかにまっすぐ伸びる。
それぞれのツマミも効果が明確で実に使いやすくて、
さながら身の毛もよだつ蛮行を極めて理性的に執行する
マッドサイエンティストかシリアルキラーみたいなペダルです。
使いどころはこれから見つけるさHAHAHAとか思っていたら、
先日自宅で録音したloomerloomer楽曲のベースを大久保さんに投げたところ
MIXしました!つって返されてきた音がグッシャグシャに歪まされており、
使いどころ、もう見つかっちゃったな…ってなってます。

4.プリアンプ的なもの:1995fx Stomachache

ボードを組もうとか考える前に、
今回新たにバンド活動を始めるにあたって買ったのがこのペダル。
札幌のバンドマン&ビルダーである杉本優司氏のブランドのものです。

他にも色々なペダルがあるので是非ストアを見てみて下さい。
何故このペダルを買ったかというと、地元のブランドというのもありますが
以前から聴いている人間椅子の鈴木研一氏とか、近年だとIKUO氏とか
デフォルトの音がある程度歪んでいるベーシストっているじゃないですか。
自分も最近そういう感じの音でやってみたいという気持ちが強くなり、
あくまでバンドに馴染む範囲でちょっとだけロック感を足す程度の感じで
歪み感を得られるペダルが欲しいなと思っていたところで
出会ったのがこの子だったわけです。
現役バンドマン(杉本氏はギタリスト)作製だからこその
とにかく"現場で使える"実用性がウリのブランドですが、
このペダルはTHE NOVEMBERSの高松浩史氏のプロデュースのもと
ロックベーシストがバンドのステージで欲しい機能が
ツボを押さえて盛り込まれているところが魅力。
詳しくは動画を観て頂ければ分かりますが、
"Saturation"つまみがこのペダルのキモ。
直訳すると"飽和"ですが、"音を滲ませる"と表現される効果が得られ
具体的には軽い歪みと中域を足すことで、生音よりも
バンドサウンドへの馴染みを良くすることができるわけです。
"Dull""Sharp"と表される低域と高域のブーストも、
どちらも結構上げても使いやすいあたりにチューニングされており
非常に便利なペダルです。これは現状基本かけっぱなしで使っています。
宅録の際の音作りにも大活躍してくれます。
あと、筐体の加工がかっこいいんすよね。ノブのチョイスもGood。

5.空間系マルチ:ZOOM MS-70CDR+

loomerloomerの楽曲デモは大久保さんがPCで作っているのですが
そこで使われていたベースの音色が面白いなと思い、
こういう音でライブもやりたいなと思ってマルチの導入を考えました。
現状、価格と音のバランスでZOOMのマルチストンプシリーズの
右に出るものは恐らくいないでしょう。
これはそんな大人気シリーズの空間系特化の最新機種。
サイズ的に複数の音色の切り替えが難しいという難点はあるものの、
そこまでベーシストとしてめちゃくちゃ切り替えるわけでもないのでOK。
…いや、ベーシストなら、同じシリーズのMS-60B+買えばよくね?
とお思いの方、多いでしょう。
そこは俺のめんどくさい性分が災いしてまして…
まず、俺マルチエフェクターというものにおいて空間系はいいけれど、
プリアンプとか歪みを信用していないってのがあります。
それは別で用意するからいいよと。
…いや、じゃあ別にその機能使わなきゃいいだけじゃん、
ともお思いでしょうが
それを使う選択肢が存在するのも嫌という性分なんです。

めんどくさいですね~。
まあそんな感じで、これから様々な形で活用していこうと思います。
ここまでがペダル部分。

6.パワーサプライ:Strymon Ojai

これは定番ですね。高いですが。
電源はやはりノイズと音質に大きく影響する部分なので拘りたい。
というわけで、フルアイソレートのこちらにしました。青い筐体もキレイ。
ちなみに「オジャイ」ではなく「オーハイ」と読みます。
口が5つでもう全部埋まってるわけですが、
あえてもうこれ以上は増やさないぞという意志表示でもあります。
ベーシストはこんくらいでいいのよ、少なくとも俺は。

7.パッチケーブル:Free The Tone CU-5050/SL-5

現代のボード制作において、ソルダーレスケーブルはもはや
切っても切れない(切れるんですが)存在と言えるでしょう。
正直なとこ、おっさんとしてはソルダーレスに不安感があったんですよ。
はんだ付けせんで本当に大丈夫なん…?っていうね。
とはいえ取り回しの良さ、値段などなど諸々勘案すると
矢張り導入は必然と考えるに至り、今回定番のFree The Toneの
CU-5050とSL-5の組み合わせで組むことにしました。
CU-416よりも太いんですが音も太い。
ベーシストなら当然こちらのチョイスかなと。
形から入る男なので、これも用意しましたよ。

園芸用の剪定ばさみ。高かった…
動画にもあるとおりFree The Tone推奨のれっきとした楽器工具です(違う)
切れ味の良さが身上ですね。ケーブル制作において重要なことは
スパっと切れてケーブルの断面をできるだけ潰さないこと。
というわけで、初めてソルダーレスケーブルを制作してみたわけですが…
もう戻れん。
簡単すぎる…こんな楽チンでええんかいっていうね。
オヤイデのソルダーレスとかもあるんですが、
プラグの小ささでは矢張りFree The Toneに分がある。
音は良いんでしょうけどね。

8.ボード本体:WARWICK TRES 3.0

そもそもすのこ型にするかケース型にするかという選択があったのですが、
昔大して入れるものもないながらにエフェクターケースを使っていたので
今回はすのこ型にチャレンジしてみようと思ったことと、
サイズ感やカラーリングなど諸々勘案してこちらをチョイス。
ベースで有名なWARWICK製ってのもデカいですね。
ペダル5台くらいって意外とサイズに迷うところで。
バカでかくはしたくないけどキツキツも嫌だし…
と考えると案外選択肢が無くて困りました。結果バッチリでしたけどね。
あと、この手のグッズって店頭だと全然置いてないのね…
北海道だけか?実際見てサイズ感とか確かめたいのにねぇ。
そして話は変わりますが、この"ROCKBOARD"という名前…

知ってる人いますか?このゲーム…
ロックマンシリーズに一番勢いがあった時代、
何を思ったかボードゲームでリリースされたロックマン、
ワイリー&ライトのロックボード ザッツ☆パラダイス」。
しかもロックマンはただの司会役という…
ただねぇ、このゲーム、結構面白いんですよ。
マップをルーレットの数で進み、土地と建物を購入して
キャラクターそれぞれの夢を叶えるという、
いただきストリートとかに近いゲーム。
株要素がない分一発逆転が難しいとか粗い部分はあるんですが、
ガキの時分には相当ハマってやっておりました。
何の話だよ!
いや、これが重要なんです。
これを見て思いついたことがありまして…
それはまたボード組み作業後半で。

さて、ここまで揃えたパーツでもって、
いよいよボードを組み上げていきますよ~。

ボードの表面に付属のマジックテープ(メス)を貼っていきます。
これの正解がイマイチわかんないんだよな。
全面に貼るのが正しいのか、乗せるとこだけ貼るのが正しいのか。
多分いらんとこに貼ってもゴミが付くだけなんで、
今回は必要なとこだけ貼っていくスタイルにします。
これに限らず何かにテープ系を貼る時は表面の脱脂をしっかりしましょう。
あと、ボード背面の穴に付いてた白いパッキン(?)は
Ojaiを貼り付けてケーブルを挿すのに邪魔なので取っちゃいました。

んで、エフェクターの裏面にはオスの方を貼っていきます。

これでマジで苦労したのが、MS-70CDR+。
こいつ、令和の最新機種とは思えない裏面の仕様になってやがるんですよ。
こちらの画像をご覧下さい。

分かりますかね?
この上下に付いてる長方形の部分がゴム脚になってるんです。
ただ、ボードに組むにあたってマジックテープを貼るためには
底面が平面になってなきゃいけない。
この細っこいゴム脚が出っ張ってるおかげで、
マジックテープを貼れる部分がほとんど無い
んですよ!
ひどくないすか?
エフェクターボード文化がこれだけ一般化した現代において
こんな底面の設計にするのはマジで嫌がらせとしか思えん。
これを平面にするパーツとか別売りであるんでしょうか?
俺は知らないため、ちょっと細工をする必要がありました。

DCMで厚さ2mmのゴムシートを買ってきて、両面テープで貼る。
(このゴムシートが何かすげぇ臭くて閉口しました)
上のゴム脚のちょっと下と、電池蓋部分。
DIYクオリティにしてはかなりツライチにできたと思います。
これでテープ面積を確保して、無事ボードに載せることができました。

エフェクターの横軸のラインをできるだけ揃えて載せて、
配線を行って一旦仮完成。
まずはこんな感じになりました。

ここでもう一つMS-70CDR+のクソ仕様を明らかにせねばならんのですが、
DCジャックが本体表面ではなくちょっと穴が開いた奥にあるせいで
L字のジャックが差せない
んすわ。
何でいちいちこういう仕様なんだろう?便利さに親を殺されたのか?
ともあれ、わりかし良い感じにはなった気がします。
かけっぱなし前提のStomachacheは上段に置いて、
ステージで踏む必要があるものは下段に揃えています。
パッチケーブルが一本だけEx-proなのは、
ボードを組むという考えが無かった頃に買ったのが勿体ないからです(笑)
流石にソルダーレスよりは音は良いと信じたいしなぁ。

でもな~…
もうちょっと何かこう…できるよな~…

まずこの時点では、Ojaiのデカいアダプターは
ボードから出して都度繋ぐ予定でした。
しかし、ステージ上で何かあってケーブルが抜けるリスクを考えた時
やはりアダプターまでボードに組み込むべきかなと考えなおしました。
それは左上のスペースに置くことにして。
後はもうちょっと…自分らしさというか、アイデンティティというか…
そういったものを盛り込みたい。
機材マニアの観客がステージの足元を覗き込んだ時に
「おっ」と思うか、クスっと笑うか、キモっと思うか…
いずれにせよ、何かしら人の心に爪痕を残せるものにしたい。
そう思ったときに、思い当たったのがさっきのあれだったわけです。

これもnoteに移ってから言ってませんでしたが、
俺マジでロックマンというゲームが大好きなんですよ。
2Dアクションゲームの最高峰だと信じて疑わないし、
キャラクター達も音楽も本当に愛してやまないんです。
狙ったわけでは全くないけど、ROCKBOARDというボードを買ったなら
そこにロックマンのオタクである自分の魂を込めるのが
俺の作り上げるボードとして正しい姿であるはずだ!
というわけで、決めました。
デコると。

こういうのとか、写真撮り忘れましたがロゴマークのデカアクキーとか。
買ってマジックテープ貼ってくっつけて、一心不乱にデコりました。
そして、遂に完成…!
胸を張って「俺のボードだ!」と言える一品が!!
こんなんなりました!!!どうぞ!!!!



公園で痛ボードの写真を一眼レフで撮ってる中年、不審すぎる。

とはいえ自然光に勝る照明無しと信じる俺、
頑張って作ったものはやっぱり屋外で撮影したいということで
近所の公園で撮影敢行して参りました。
痛ぇなぁ~~~~~~~~………
でもいいんだ、それが俺だから。
俺は、ロックする男…"ROCKMAN"だから…!!
色々繋ぐことで音的に失ってるものも多分あるんでしょう。
でも、こいつが足元にあることで俺のテンションが上がり
トータルで奏でる音楽のクオリティは上がるんで結果オーライなわけです。

出来上がってみると、色味がすげー良いなと思いましたね。
エフェクターの色が赤黄青の三色で(創価信者ではないですが)
ロックマンの色味とかなり近くて全体の統一感がある。
こうなると中身を入れ替える気もなくなりますね。
ずっとこれで行くんだ俺ぁ。
あと裏面の配線も結構頑張ったんで見て欲しいです。
もうちょっと分かる人にはやりようも色々あるんでしょうが
初めてにしては上出来じゃないですか?
おかげでスタジオでも非常にローノイズで良い感じ。
裏面に貼り付けてるアダプターは万が一断線とかあった時用です。
こういうのをくっつけられるのもすのこ型の良さかなと。
ちなみにこのドットストラップコレクションにはシークレットがあって
今回買ったセットにはそれが付いてなくてですね。
シークレット1がE缶と1up、2がフォルテなんですよ。
フォルテはいずれ何とかして手に入れたい…
手に入ったら多分背面の"TRES 3.0"って書いてあるとこに貼ると思います。

というわけで、中年男が初めてのエフェクターボード組んでみた回でした。
もしどこかのステージでこの痛いボードを見かけたら、
声かけたりかけなかったりして下さい。
それではまた次回!

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