西直紀 最期の『ゾンビこぼればなし』集
思いのほか上手く人を噛めた日のゾンビは帰宅途中のコンビニで新作スイーツを2個とか買ったりする
童貞のゾンビは噛む時めっちゃモジモジする
感染力ゼロの落ちこぼれゾンビは『噛ませ専門風俗店』にハマったりする
ゾンビだらけのフリーハグ大会に参加する時は注意が必要
ハエがたかりすぎてて実際より倍ほどデカく見えるゾンビがいるらしい
映画『泣くなゾンビ』は泣ける
炭のパワーでゾンビが人間に戻ることがある
年間MVPを何度も獲って殿堂入りするような世界トップレベルのゾンビは、幼い頃から毎日ゾンビノートをつけ、81マスのマンダラチャートに具体的な目標を記し、理想のゾンビ像を絶えずイメージし続けている
ゾンビの勘はあまり当たらない
ゾンビのオールナイトニッポンでリクエストが多い曲は、BUMP OF CHICKEN の『ゾンビー ゾンビー グローリー』と BOOWY の『ゾンビー ゾンビー クレイジー』と 鈴木聖美 with Rats&Star の『ゾンビーチャップリン』
ゾンビに生まれたからには噛み甲斐や腐り甲斐、あと黙り甲斐にはとことんこだわるべき
ゾンビに二言は無いし一言も無い
ゾンビの通知表は『凄噛み』『甘噛み』『噛めてない』の三段階評価
キツツキのゾンビはめっちゃ何度も噛む
あまり自分に自信が持てないゾンビは噛む前に『人』という字を書いて飲み込む
ゾンビが好きなうまい棒は『人の皮膚味』
不良のゾンビは噛まない事をカッコイイと思っている
バイトテロで炎上してしまったゾンビの末路は言わずもがなである
ゾンビのワークショップはいつも不人気だ
耳先をVの字にカットされたゾンビは地域で保護されている
ゾンビに「あなたにとって一番大切なものは?」と質問すると無言のまま口元が『お…も…い…で…』と動く事がある
ゾンビであることに疲れてしまったゾンビは母親似で聞き上手なママゾンビが営む小さなスナックに入り浸り、ふるさとでの青春時代を思い出しては「ウー」とか「アー」とか言う
失恋した女ゾンビは女友達ゾンビを誘って『やけ噛み』に走りがちだ
サッカー好きゾンビはデザインされたセットプレーで噛みに来る
ゾンビだからと言って誰もが『ゾンビ検定』に合格できるとは限らない。特に『二級』以上は猛勉強したゾンビでも落ちる事がある。
ひねくれ者のゾンビは『ヨーロッパ軒』で「カレーライス」とか言い出す
顎の力が衰えないように5~6枚ほど重ねた『五月ヶ瀬』を噛み砕くトレーニングをゾンビ達は欠かさない
『オーカワパン』の『窯焼き生シュー』好きのゾンビは盆が過ぎるとウキウキし始める
『エルパ』のフードコートに復活移転した『ふくしん』について『とりあえず行ってみる』か『常時激混みらしいからもう半年ほど様子を見てから行ってみる』か『エルパで並ぶなんて面倒だからもう多分行かない』かで悩んで悶々としているゾンビは意外と多いらしい
『エルパ』の近くに住んでいるモスバーガー好きゾンビの中には『モスバーガーエルパ店』付近の駐車場が日常的に隣接するパチンコ店の客の車で満車過ぎる事に嫌気がさし自暴自棄モードで絶えず空いている『モスバーガー春江店』まで車を走らせる個体が少なからず存在するらしい
『アルビス』の『国産森林鶏のチキンカツ』はなかなかのコスパだとゾンビは思っている
別になんてことはないと思いながらも気付けば『はるせん』のオムライスを頻繁に食べているゾンビが一定数存在する
『はるせん』で揚げ物やご飯物やパックのおかず物を求めるゾンビは多いが、メイン商品であるはずの『刺し身』を優先するゾンビは未だに存在しない
昼下がりに『ポワール花月店』へと辿り着きピタサンドが売り切れていた時のゾンビの落ち込みようは見るに堪えないが、そもそもゾンビなのでピタサンドが残っていて喜んだとしても見るに堪えない
ゾンビは『今川焼本舗』で『カレー焼』しか買わない
高志高校の卒業生ゾンビの中には『何だかんだで世界一うまいソースカツ丼は【やっこ】だろ』と思っている個体が僅かだが存在する
ピアとシピィとアゼリヤと新田塚ファミリープラザとパルとポアンカのゾンビが、今もまだ生き残っている『ベル』に襲いかかろうとしている
西武百貨店西側の裏路地には2024年現在でも『グリコア』のゾンビが徘徊しているらしいのだが、そのグリコアゾンビに噛まれすぎて西武もゾンビ化しかけているらしい
ピアピア大行進ゾンビと日ベルこんゾンビが足羽川の両岸に陣を構え睨み合うようになってからもう久しい
城の橋陸橋ゾンビ(跡地)界隈にジョンレノンのゾンビが出るという噂が駆け巡ったのだが、よくよく調べると『ノイズボックス』の店主のゾンビだったらしい
ゾンビは『ファミマの黒豚まん』と『ローソンの塩豚まん』を『甲乙つけがたい』と思っている
永井博ゾンビが描くイラストレーションと言えば、青い空、ヤシの木、プール、白いパラソル、そして忘れてならないのは『どこまでも続くゾンビ』だ
ゾンビが義務教育で最初に学ぶのは『本気か冗談かよく分からないフワフワした近付き方』だ
自殺を決意したゾンビはショットガンを持った人間に向かって、わざとゆっくり近付いていく
最近の若いゾンビは『噛みニケーション』などの昭和的交流を嫌う
サウナから出て水風呂に入ろうとすると大抵のゾンビは人間から嫌な顔をされるのだが、それは彼らが腐っていたり部位欠損しているからではなく『ゾンビだから』である
ゾンビは主観が強い
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやっても、ゾンビは動かじ
ゾンビには国や地域や民族や信仰や性別や言語や歴史や伝統や文化などの概念が無く、誰とでも行動を共にし誰にでも噛みつくため『極左のシンボル』や『リベラルのフラッグシップモデル』などと言われている
一流のゾンビは『自分流の噛み』にこだわる
ゾンビ達は多かれ少なかれ心のどこかで『我々ゾンビはどこから来てどこへ行くのだろうか』という根源的な疑問を持ち続けている
噛まずに『引っ掻くだけ』でイキっているゾンビはバカにされがち
ゾンビに人気の『人間噛み放題店』では人間の供給が間に合わず『人間に偽装したゾンビ』を提供していたことが発覚してニュースになったりするのだが、まったく、世も末である
思春期のゾンビが欲しいものランキングの1位は今年も『最新の iPhone の Pro Max 1TB』だ
いかしたゾンビは背中で語る
『ゾンビを極めるとヴァンパイアに進化できる』というフェイクニュースを信じている若いゾンビが近年増加しており社会問題になっている
『人間アレルギーのゾンビ』は苦労が絶えない
狼に育てられた『人間のゾンビ』は自分のことを『狼のゾンビ』だと思ってしまうらしい
『ゾンビが何を考えているか』なんてゾンビにしか分からないし、多分何も考えていない
人間界には『トンビが鷹を産む』という慣用句があるが、ゾンビ界には『ゾンビが墓を生む』という慣用句がある
ゾンビだってペラペラ喋りたい
『自分の噛んだ人間がゾンビ化し終えるまでの興奮状態』から急激に訪れる冷めた感覚の事をゾンビ界では『賢者タイム』と言う
ゾンビがよく『おふくろの味』として挙げるのは『煮物』だ
ゾンビが増えすぎて人間が極端に減ってしまった状態は『コストプッシュインフレ』なのか『ディマンドプルインフレ』なのかという議論は『ゾンビ経済学』の初歩の初歩である
ゾンビの性格をひと言で言い表すならズバリ『ピュア』だ
統計上ゾンビの中には『「霊が見える」と主張する個体』が存在しないため『ゾンビには霊が見えない』とされている
パンツの内側が汚れていないゾンビなどいない
都会生まれ都会育ちのシュッとしたゾンビは『やたらゾンビゾンビしているステレオタイプの田舎者ゾンビ』をあけすけに見下す
『私は噛みません』と書かれたボードを掲げながら笑顔で近付いてくるゾンビには要注意だ
『シロウオの踊り食い』にゾンビシロウオが紛れ込んでいると厄介なことになる
ごく稀に『話の通じるゾンビ』が存在するが、話している間に我慢できなくなり結局噛まれる
噛む人間が見つからず悶々としてしまったゾンビは自分の腕を噛んで一時的にスッキリする
世襲のボンボンゾンビには馬鹿が多い
エヴァ19話ゼルエル捕食シーンでは全ゾンビがテレビに釘付けになった
レベルがカンストした神ゾンビは『信仰』や『思想』や『時代』などの『形無いもの』まで華麗に噛む
あまりにもショボい結果ばかりが続くため『開かずの金庫のコーナーはヤラセでいいから毎回大判小判や金の延べ棒をザクザク出せ』と思っているゾンビは多い
ゾンビはお笑いブームにもお笑い芸人にもお笑い芸人達による内輪ウケな寸劇にもほとほと飽きている
メッセージ性の強い『噛み』を繰り出すゾンビは若いゾンビ達から絶大な支持を受けがちだ
何万頭という野豚を駆除した上で収穫される農作物をヴィーガン達が食べ、そのヴィーガンのひとりをゾンビが噛み、ゾンビ化したヴィーガンが仲間のヴィーガン達を噛みまくり、ヴィーガンゾンビの大群が偶然通りかかった野豚駆除業者に駆除し尽くされる… という何ともやるせない事件がカナダとアメリカの国境付近で発生したとかしないとか
ゾンビが握ったおにぎりはあまり売れない
承認欲求の強いゾンビは主人公っぽい人間を噛みたがる
ゾンビは『ゾンビ有利な世界』の実現のため議員や公務員になりたがる
かつて、ビゾンというタレントが『ゾンビの友達はみなゾンビだ。世界に広げようゾンビの輪』などと言って人気を博した『噛んでいいとも』という番組があった
カミツキガメを祀るゾンビは多い
「お願い、1回だけでいいから甘噛みさせて。あなたとの思い出が欲しいだけなの」と美人ゾンビに言い寄られても「NO」と言える人間であれ
満員電車でのゾンビは肩身が狭い
全身を義体化したゾンビは感染力を失いながらも噛む事への欲求は失わないため『人かゾンビか論争』が後を絶たず、そんな中から『ゾンビロイドは電気噛み噛みの夢を見るか』や『Zombie in The Shell 攻殻噛んでみ隊』などの歴史的名作が生まれている
ゾンビがダウン寸前の人間をリング中央に転がし、コーナーポストに登って片腕を天に向かって掲げた時、割れんばかりのゾンビコールが会場全体に鳴り響いた
ゾンビを本気で怒らせると噛む事も忘れて全力で殴ってくる
ゾンビだって噛まれてみたい
昔の偉いゾンビが残した言葉で一番有名なのは
『我噛む、故に我あり』