#6 基本を大切に pt.3

こんにちは、なおきまです。医師として勤務しながら英語の学習を継続し、時事英語や医学英語を中心に学んできました。現在は通訳学校で逐次通訳科を修了、現在は同時通訳科で通学中です。

実務では国際機関の事業で英語環境で教育を行うなど学会以外の、少し特殊な仕事で欧米に行くこともしばしばありました。

今回は「英語の基本5項目」について、

・なぜ重要だと考えるのか
・どのように私が身につけてきたのか
・学習する中で意識したいこと

を書いていく第3回ということで、背景知識についてです。

第1回: 文法&語彙&構文
第2回: 発音(本記事)
第3回: 背景知識

背景知識は「見聞きした情報を理解するために必要な知識をどれだけ持っているか?」ということです。

言語は情報伝達に使われますから、文法・語彙・構文・発音によって作られる文章や音声に乗っかる情報も、言語の要素と同じくらいの重要性を持っています。

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基本的に読むor聞くときは、自分の元々持っている知識と対照しながら行います。ほとんどの人が無意識にやっていると思います。

インプットした情報をどう咀嚼するか、その解像度や深さは背景知識の量に関わってきます。

考えるためには知識が必要です。知らないことを考えるなんて、肉がないのに焼肉をしようとするのと一緒です。

ウクライナ侵攻を例に挙げます。

ウクライナとロシアのことをよく知らないと、「ロシアは怖い国」「私には関係ない」と思う一方で (もちろんこう思うこと自体が悪いわけではありません)、「なぜ起こったか」「これからどういうことが起きそうか」などを考えることは難しいでしょう。

ここで、

・ウクライナとロシアの歴史的関係性
・両国の文明レベルや産業
・2014年のクリミア危機、ウクライナ紛争 (いわゆるthe Rosso-Ukrainian War)

などを知っていると話は変わってきます。

例えば、

・ウクライナ、ロシアの穀物輸出について知っていれば今後の食糧危機の可能性、値上がりについて予測できます。

・今回の侵攻を、2014年からのthe Rosso-Ukrainian Warとして理解していれば、ウクライナの義勇兵部隊について知っていると思います。

するとウクライナ国民の国土防衛に対する士気の高さを推測できます。士気は戦況への影響が大きいですから、ロシアが思ったようにはいかないかな?とも予測ができます。装備や支援、IT技術など、他の要素もありますが。

ちなみに医療に関する義勇兵部隊としては、Hospitallersという組織が活躍しています。

・ザポリージャ原発について知っていれば、ロシアがいつかこれを押さえにいくだろうことも予測できます。

・ブダペスト覚書について知っていれば、監督・警察機能の執行が限られる国際関係の中で協定や覚書など「お約束事」の限界について色々と思いが巡ります。

・ヨーロッパ諸国とロシアのエネルギー資源の関係について知っていれば、「ノルドストリーム2って最近できたばかりじゃなかったっけ?」と何か予測ができます。

・エネルギーの続きですが、欧州がロシアに対してどのくらい強気に出られるのか。強気に出るなら代替となるエネルギーはどうするのか。再エネ開発、脱炭素に向けた動きは加速するのか?などと考えられます。

これらは2022年2月、ロシアがウクライナ侵攻を始めた時点で私が考えたことのごく一部を、オブラートでぐるぐる巻きにしたものです。

オープンソース情報だけでも結構色々と考えられるので、能動的にニュースを見ると記憶にも残りやすくなります。

ウクライナ侵攻の件では、専門家や機密情報を持っている人はどこまでの解像度で見えているのか、気になるところですね。

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英語学習の中での位置付けですが、前述の通りある情報を理解するには、

・文法、語彙、構文、発音など言語の知識
・背景知識

が必要となります。

背景知識についてはニュースや新聞、ネットなどで仕入れてもいいのですが、基本的には体系的に学ぶ方がよいと思います。

個々のニュース報道やEconomistなどの雑誌の記事は個々の事象の一部分のみを扱っており、いわば「各論」であり断片的な情報です。

知識が体系的に整理されていた方がこれらを包括的に、より深く理解できます。

近現代史・国際情勢・地政学などを取り扱う書籍を読むことが最も簡便な方法でしょう。

何でもいいのですが、例えば

・茂木誠氏の「ニュースのなぜは〇〇から学べ」シリーズ
・池上彰氏の著書全般
・サクッとわかるビジネス教養 地政学

あたりはとっつきやすいと思います。

時事問題の本については1-2年以内に出版されたものがいいですが、地政学や近現代史は少し前の本でも良書はたくさんあります。

加えて情報の偏りや思想信条による影響を避けるために、複数の著者から情報を得ることをお勧めしたいです。

「中立的な考え方」、ここでは様々な観点からものを見ることができることとしますが、これを身につけるためにも色々な視点に触れることが大切だと思います。

英語の話に戻りますが、背景知識のおかげで文構造がわかる、ということもあります。逆に背景知識のせいで誤解が生じることもあり注意が必要です。

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3回にわたり、英語学習の基本5項目について紹介してまいりました。

文法、語彙、構文、発音、背景知識。

この5つを中心に学習を進めると4技能に跨る英語の基礎体力がつき、学習効果も上がると思います。

細かいことを忘れてしまってもいいんです。一度理解して頭に入れれば、忘れた頃に記事に出てもちゃんと思い出せます。

3回にわたる「基本を大切に」シリーズ、いかがだったでしょうか。

あくまでも私の考えで整理した5項目ですので、皆さまがそれぞれの方法で知識を整理し充実した英語学習をされることを祈っております。そのヒントになれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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