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通訳学校振り返りpt.2: レベルチェック

こんにちは、なおきまです。

医師として勤務しながら英語学習を継続し、時事英語や医学英語、技術英語を中心に学んできました。2023年10月期をもって大手通訳学校の本科(逐次通訳科~同時通訳科)を修了、昨年からは医学系招聘講演等の場で通訳をする機会もいただくようになりました。

この「通訳学校振り返り」シリーズでは、2024年3月に通訳学校を卒業した私の「通訳学校に通うきっかけ〜卒業するまで」を振り返ってみたいと思います。

今回はそのpt. 2として、レベルチェックから逐次通訳科の入学するまでを振り返っていきたいと思います。

通訳学校に入学を決意する契機については、pt.1の記事に記載しております。もしよければお読みいただければと思います。


それではここから本編です。

●大手の通訳学校へ

通訳学校は数多くありますが、一般的にはサイマルアカデミー、インタースクール、ISSインスティテュートが大手3校と言われます。ほかNHKグローバルメディアサービス国際研修室、神田外国語学院などもよく知られたところかと思います。

私の場合、はじめから大手3校のどれかにしようと思っていました。

理由は、

①教育レベルの高さ
②修了後のエージェント契約の可能性
③医師という本職

①は最重要です。調べていて通訳者が実力勝負なのがよく分かりました。医師としての修練と同じで、自分がしっかり訓練することを前提になるべくよい環境、すなわち優秀な通訳者を輩出してきた学校で質のいい訓練を受けたいと思いました。

学費も安くありませんから、それに見合うだけの厳しくふるいにかけられ、生き残るのに必死な環境を望みました。また、そのような学校に集まる受講生はレベルやモチベーションが高く、自分に対していいプレッシャーになるだろうとも思いました。

②についてはシンプルで、卒業生に対する仕事の斡旋やフリーランス登録を考えた時に、母体に通訳エージェントがある学校の方がよいと考えました。

③について、私は医師なので「通訳学校修了したらすぐ専業の通訳者になる」というわけではありません。一方で、双方を本職としてダブルキャリアを目指す可能性を除外してもいません。であればこそ、よい訓練を受け、よい環境で切磋琢磨できることに越したことはありません。

概ね以上の点から大手3校に候補を絞り、ビジネス・国際の分野で活躍する通訳者を輩出しているサイマルアカデミーを志望校としました。

また、通訳者でサイマルアカデミーの卒業生である山下えりかさんのブログを拝見し、ブログに記された厳しい訓練の日々、「通訳ならサイマル」という言葉なども私の背中を後押ししてくれました。

●レベルチェック! 私の素養はいかに?

2020年4月期の入学を目指してレベルチェックを受けることとしました。

レベルチェックでは、

・ディクテーション
・英語面接(2分間スピーチとディスカッション)

の2科目、あと和文英訳もあったかもしれません。

ディクテーションは3分ほどのニュース音声が40秒ほどの塊4つに分けられ、白紙の紙に手書きでスクリプトを起こします。たしか4回聞くチャンスがありました。今はオンラインでレベルチェックしているようですので、タイピングで受験できるみたいですね。

これは正直あまり問題でなく、最後の1回を残してほぼ完璧にディクテーションし、最後1回を確認に使えました。あまり速くないので、単語の頭文字を書き留め、話の流れを頼りに文字起こしすることは十分可能でした。

スピーチ&ディスカッションでは、英検1級の形式と似ていて、トピックが1つ与えられ2分間のスピーチをします。その後関連する内容や社会的問題について質疑応答をしました。

こちらも何かに苦労した記憶はありませんが、「あるテーマについていい点と悪い点を答える」応答でいい点1つ、悪い点3つくらい答えたため、「あんま支持していないのですね笑」と言われたくらいで和やかに終わりました。

和文英訳もあったかもしれませんが、全く印象に残っていないので問題なかったんだと思います。

サイマルのレベルチェックでは、現在は

P-A (pre-advanced)
A-1 (advanced 1)
A-2 (advanced 2)

で評定がつき、それぞれに適したクラスに入学可能です。

通訳準備科はA-1、通訳本科に入るにはA-2が必要です。P-Aでは語学力アップのためのクラスが提示され、実力がP-Aに満たないと評価なし=案内できるクラスなし、と判断されることもあるらしいです。

私の判定は無事A-2+ と、A-2にさらに「+」がついた評価をいただき通訳本科からの入学を許可されました。

●世界を揺さぶる大事件

先ほど、2020年4月期の入学を目標に~、と書きました。

しかし、ある世界的大事件をきっかけに10月期から入学することとなります。

そう、新型コロナウイルス感染症です。

コロナは瞬く間に世界中に広がり、世界は混乱に包まれました。国内外の人の往来は途絶え、社会生活は寸断されました。

私の勤務先でも限られた物資のやりくりや患者動線の変更など、様々な対応を迫られました。加えて私は病院での診療とは別に複数の教育課程の責任者でもあったため、何十人もマネジメントしながらjuggle work and workの状態が続きました。

かなり厳しい時期だったと思いますが、過去に地獄のような日々や心が折れそうになる仕事をたくさん経験してきているので、粛々と業務に集中し、同僚と協力しながら心乱さずに乗り切ることができました。

一方、通訳学校の方も授業形態についてどうするか、変革を迫られているようでした。

総じて「今は安心して教育を受けられる時期ではない」と判断し、4月期の入学を遅らせることとしました。

落ち着いたわけでは全くなかったのですが、サイマルの2020年10月期は完全オンラインとなり、自分の方も「受講可能である」と判断できるくらいにはなりました。

サイマルには逐次通訳(通訳コース)が4クラス、同時通訳(会議通訳コース)が2クラスあります。レベルチェックでA-2判定を受けた場合、追加で通訳技能のテストを受けることができます。そのパフォーマンスによっては逐次通訳の一番下のクラスでなく2つ目・3つ目~と、上のクラスから入学することも可能です。

「レベルチェックがA-2+と評価も高かったし、受けてみようかな?」と少し思いましたが、卒業を急ぐより基本を着実に身につけていく方が大切だと判断しました。通訳テストは受けず、本科の一番下のクラスから順に通うこととしました。

ようやく、私の通訳学校ライフの始まりです。

どんな授業なのか?
授業やクラスメートについていけるのか?

期待と不安が入り交じる気持ちの中、ついに初回授業。

そして、のっけから通訳訓練の厳しさを味わうことになるのでした…


…ここまでお読みいただきありがとうございました。pt.2は以上です。

次回はpt.3として逐次通訳科の最初のクラスについて、書いていきたいと思います。

引き続きお読みいただけますと嬉しいです。

最後に、Xの投稿から来られた皆さまへ。元の投稿に「いいね」やリポストいただけますと多くの方の目に留まりますので、もしよろしければそのようにシェアしていただきますと泣いて喜びます。

それでは次回をお楽しみに!

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