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#11 TOEIC S/W満点保持者の頭の中

こんにちは、なおきまです。

医師として勤務しながら英語の学習を継続し、通訳学校で逐次通訳科を修了、現在は同時通訳科で通学中です。2023年からは医学系の招聘講演に対し通訳をする機会もいただくようになりました。

検定としては2024年1月時点で英検1級、TOEIC LR990&SW400、国連英検 特A級、全国通訳案内士、工業英検1級、JTFほんやく検定1級(日英、医薬)、ビジネス通訳検定(TOBIS)1級などを保有しています。また、旧技術英語協会主催の「技術英語指導者養成基礎コース」を修了しています。

今回は、「TOEIC S/W満点保持者の頭の中」と題して、TOEIC Speaking test(以下、S)、Writing test(以下、W)の試験中に私が意識していること、そして必要に応じて注意点や練習方法などを問題別に書きました。

タイトルに「満点」とありますが、スコアによらずTOEIC S/Wを受けるうえで大切な考え方をたくさん載せています。またこの投稿は、私自身が百発百中でS/W満点を取る保証をするものではありません。

「Speaking test, Writing testどちらも余裕を持って満点を取る人が試験中にどのように考えて解いているか」の一例だと思っていただければと思います。


全体像

S/Wの満点のレベル感をざっくり言うと、

S→ ある程度のボリュームを考えて話せている。多少文法語法のミス、言い直しはあるが、話した内容に最低限論理展開があり、理解に支障はない。

W→短く平易な英文なら正確に書ける。文章を書かせると文法語法のミスが散見されるが内容の理解を妨げない程度で、ある程度筋が通った論理構成を作れる。

という感じです。完璧を求められているわけでは全くありません。

「正確に話さなきゃ」「覚えてきたことを言わなきゃ」と思って焦るほど本来のチカラを発揮できなくなるので、伸び伸びと受験できるようメンタル管理が大切です。

また、解答する上で気をつけていることは2つあります。

1つ目は「聞かれたことに答える」です。聞かれていないことに答えても点にはなりません。最も大切なのは設問を理解すること。

設問の読み違い、聞き違いなどがなるべくないよう集中力を維持することが肝心です。

2つ目は、「読んでor聞いて理解、納得できるか」です。

文法ミス即減点のパートもありますが、基本的には採点者が読んでor聞いて、理解できないところや論理の飛躍がない解答ができれば、多少のミスは許容され一定の評価がでます。

Speaking test

Q1-2

音読問題については「噛まずに丁寧に読む」ことが目標です。準備時間中に通して読み、自分にとって発音しにくい部分を繰り返し練習しておきます。

また、毎回のように出るA, B, and Cのイントネーションなど、頻出事項を押さえておきます。私の場合は普段のイントネーションがフラット気味なのでやや大げさに発音しています。

読む速度の参考までに、私の場合は20-25秒くらいで言い終わることが多いです(発音とイントネーション/強勢はHigh/Highをもらえています)。

Q3-4

写真描写問題では「なるべく詳しく描写せよ」と指示があります。私は4つ、できれば5つ描写するのを目安にします。

全体・背景で1-2つ、人・建物・モノなどで2-3つ選ぶようにするなど決めておくといいかもしれません。

複文や関係詞節などを使う必要はありません。SVOやSVCのシンプルな文で描写します。

In the middle of the picture, I can see two boys who are playing soccer.

でも

In the middle of the picture, I can see two boys. They are playing soccer.

でも大丈夫です。

40秒くらいで終えても満点取れています。35秒くらいの時点で今話している内容に加えてあと1つ言うか、判断するといいと思います。

Q5-7

アンケート回答問題は試験形式変更により、ノータイムでの解答から準備時間3秒が与えられるようになりました。

「3秒という短時間で、カウントダウンされたら逆に慌ててしまうのでは?」と思いますのでなるべく気にせず、パッと思いついたものを15秒で言い切れるようにします。

事前の対策がしやすいと思いますので、好きなもの、週末何するか…など自分の習慣を棚卸して口に出して練習しておくとよい対策になるでしょう。

この設問セットは「なるべくたくさん言え」とは求められていませんから、多少時間が余っても大丈夫です。私は15秒のところ5秒とかで終わっていますが、満点が取れています。

Q8-10

表を見て答える問題は、まず準備時間で情報を整理します。全部読みましょう。

イベントならいつ、どこで開かれるのか?
タイムテーブルは?

大体最初の質問が「いつ?」「どこ?」なのですが、私は面倒なので全部言ってしまいます。

全部言ってしまえば「聞かれていることに答える」ことは達成されるからです。現に満点取れていますし、ガイドブックでもそういう解答例が紹介されています。

2つ目、3つ目の質問はある程度バリエーションがあるので、とにかく質問の内容を理解することが大切です。

Q11

意見を言う問題は難しいと思われているかもしれません。

しかし、皆さまが想像されるような素晴らしく論理的なスピーチをする必要は全くありません。

例えば「旅行の前に計画を立てるか?」というどこの対策書にも載っているお題。

結論
立てる

理由1
5年前にフランスに行った時、計画をたてなかった。どこに行っていいかわからず苦労した。酷い旅行だった。

理由2
フランス旅行の経験をいかし、2年前アメリカに行った時は詳細な計画を立てた。たくさんの場所を回れて地元の料理を楽しんだ。よい旅行だった。

結論2
これらの経験から、計画を立てるようにしている。

このくらいで十分です。以前に比べて準備時間も増えましたから、有効活用したいところです。

前述の通り、採点官が1回で「なるほどね」とある程度納得できるスピーチをすれば、

一定以上の発音や流暢さ、文法構文などの知識要素、論理の流れなどの採点基準を満たすことができるイメージです。

ここも複雑な英文を話そうとせず、シンプルに伝えればベストを尽くせると思います。

Writing test

Q1-5

ここは1つでも文法ミスをすれば減点されると思って臨みます。

コツは短く、シンプルな英文を書くことです。

一部の対策書に「高得点狙いの人は長い文を書き、複雑な文を書けることをアピールすれば加点が期待できます」「復文を使う」などと書いてあるのを見たことがありますが、絶対に避けるべきです。

公式ガイドブックには「長い文のほうが評価が高くなるということはない」と明確に書いてあります。

私は、このパートでは「This is a pen.」こそ至高の英文と位置付け、いかに簡単に短く指定の2語を用いて文が書けるかだけを考えています

結果、10語超えることも稀ですが満点取れています。

ただし、Q1-5に関しては複雑な英文を書くことは不要ですが、「複雑な英文を書こうと思えば書けること」は英語を運用する上で大切なことですので、色々な表現ができるように日々インプットしています。

※追記(2024.1.14)※
上記のように書いてある対策書、改訂版が出ましたが残念ながら記載は残ったままでした。
※追記終わり※

Q6-7

半分以上、覚えてきたテンプレを打ち込む作業です。

email問題は、大体がemailに指定された内容を入れることを求めてきます。文法構文のミスと、emailの体裁に合った文章作りを心がけます。

まず最初にテンプレ部分を書いてしまい、設問で求められた内容を満たす文を作ります。設問で求められた文を作れているか、しっかり確認します。

私はテンプレとして頂上制覇シリーズのものを使っていました。

Q8

エッセイライティングは、

イントロ→Body①→Body②→結論

を基準にしています。自分の意見を支える上で、

・論理の飛躍はないか
・同じことを無駄に繰り返していないか
・関係ないことを書いていないか

など注意します。

長く書けば高得点説は信じていません。

経験上350語でも500語でも満点を取っているので、問題文にある300語さえ超えれば、あとは内容勝負。

無理に引き伸ばすと大抵の場合、内容は薄く、表現は冗長に、論理展開は不明瞭になり、書くこと自体時間がかかる上に見直す量も増えるので、オススメできる要素が1つもありません。

短く締まりのあるエッセイの方がよっぽどいいと思います。

まとめ

TOEIC S/Wのようなアウトプットの試験では、知ってる表現を増やし、練習して使えるようにするインプット学習がとても大切です。

また、覚えた表現を使いこなすには相応の基礎英語力も鍛える必要があります。

そして忘れてはならないのが、「覚えた表現にどんなアイデアを乗せるのか」です。かっこいい英文をたくさん覚えても、しっかりとアイデアを構築して英文を組まないと残念ながら点にはなりません。

そのための基礎として語彙、文法、構文、発音、背景知識の英語の基本5項目として私は位置付けています。

英語力とアイデア構築、両面から対策すればきちんと結果がついてきます。TOEIC S/Wはそういう試験です。

私は、TOEIC S/Wはとてもよい試験だと思っています。型はかなり決まっていますが、設問形式は豊富で練習のしがいがあります。採点基準も「伝われば多少のミスがあっても許容される」といったコミュニケーションの現実に沿ったものです。

もっと流行ってもいいのになぁ、と思っています。

そういった意味でもこの記事が、TOEIC S/W挑戦のきっかけになったり、高得点を目指す方に何か1つでもヒントになれば嬉しく思います。

私もTOEIC S/Wの評価範囲でこそ満点ですが、まだ自分が目指すレベルの1%、いや0.1%にも達しておらず、さらに頑張らねばならないと思っています。

以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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