第50回衆議院議員総選挙で思うこと
与党大敗
10月27日、第50回衆議院議員総選挙の投開票が行われました。結果は、自民党が選挙前247議席だったのが191議席と56議席減らしたこと、対して立憲民主党が98議席だったのが148議席、国民民主党が選挙前7議席だったのが28議席と大きく議席を伸ばしたことがあげられます。
「小選挙区」や「比例代表」の別という切り口で分析することもできますが、いずれにせよ、自民党と連立を組む公明党の政権与党が過半数を割り込む大惨敗であることは、言うまでもないと思います。
今さら後腐れを言っても仕方ありませんが、「どうして組閣してすぐ解散に打って出たのだろう」、「有権者の目にどう映るかも考えずに、どうしてこのタイミングで活動費2000万円を配ったのだろう」というのは、今でも疑問に思っており、本当に悔やまれるところです。
「負けに不思議の負けなし」
プロ野球の南海、ヤクルト、阪神、楽天の監督を務めた野村克也氏の座右の銘に、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というものがあります(元々は江戸時代の大名「松浦静山」(まつうらせいざん)の言葉だそうですが)。つまり、勝負事で勝つことについては「まぐれ」(不思議)の場合があるけれど、負ける時に「まぐれ」というものはなく、何か必然的な要因があるということです。
ここできちんと敗因を分析しておかなければ、次の選挙、早くて来年の参議院通常選挙でも、自民党は同じ過ちを繰り返すのではないでしょうか。
「裏金」「統一教会」だけで問題を片付けようとしていないだろうか
今回の選挙で敗因の一番大きいところは、やはり政治資金収支報告書への不記載問題(いわゆる「裏金問題」)や統一教会をめぐる問題が大きかったのは間違いないでしょう。そして、個人的に納得ができないのは、「自民党=裏金、統一教会」というイメージを持たれたがゆえに、問題とまったく関係のない自民党の候補まで巻き添えを食らい、罵詈雑言を浴びせられたことです。
そこで、きちんと考えていただきたいのが、今回の与党の敗因を「裏金」「統一教会」だけで片づけようとしていないかということです。本来であれば、選挙というのは政策で戦い、競うものです。政策とは関係のない「政治不信」の部分で片づけるのは、政策や公約のどこに誤りがあったのか点検のしようがなく、信託する国民にとっては何のメリットもありません。
選挙で自分を選んでくれるのは有権者です。どれだけ厳しい言葉を投げかけられても、選挙区の住民、有権者の声に向き合う姿勢は本当に大事だと感じました。もちろん、今回の選挙は、マスコミや野党は「裏金」「統一教会」で、一斉に自民党を叩いたのは事実ですが、実際に有権者は「裏金」「統一教会」をもって、自民党に投票しなかったのか、今一度考えてほしいと思いました。
原点回帰のための「辻立ち」
そんな中で、印象に残っているのは、比例代表の東北ブロックで初当選した森下千里さんです。
前回(令和3年)の選挙では、小選挙区で立候補したものの落選をし、それ以降、今回の選挙まで辻立ちをして、有権者の耳を傾けていました。
このような姿勢が、有権者にとって「本当に地元のために働いてくれる」と信頼を寄せられるのではないかと、私は思います。
今回落選した候補者、元議員のみなさんも、一度、原点に立ち返って、真に日本・地元をよくするためにはどうすればよいか、有権者の声に真摯に耳を傾けるべきではないでしょうか。
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