Revenge Season
2021-09-25 (sat)
改めまして、今シーズンはアイシンアレイオンズでプレーさせて頂くことになりました。
リリースから数週間が経ちましたが、
皆様からたくさんの、本当にたくさんのメッセージを受け取り、
改めて自分が多くの方々に応援されていることを感じています。
契約が決まった時、母に連絡を入れたのですが
契約に至るまでの経緯、これまで支えてくれた人達の話をしたら
「あんた、絶対に感謝を忘れたらいかんけんね。それを忘れたらあんたは終わりよ」
と涙ぐんで言われました。
んなこた言われんくてもわかっとるわい、とバカ息子は思いましたが、
間違いなく母の言う通りで、
僕は本当にたくさんの方々の支えがあって今があります。
その全てに対しての感謝を忘れた時、
僕にバスケをやる資格はまず無いと思っています。
今までもそうでしたが、今回の移籍でより強くそのことを大切にしようと思いました。
今回の契約、
僕を応援してくれている方々なら気になっていることだと思いますが、
会社勤めではなくプロ契約としてバスケに専念することが出来ます。
こんな事をこの場で書くか迷ったけど、
前チーム所属時に「この選手はアマ契約選手です」と公表されたところから始まっているので
そんな僕のバックグラウンドを知っている皆さんには伝えるべきかなと思いました。
鹿児島から始まった僕のキャリアは、
結局毎年バスケとは異なる仕事を、バイトをして生活をしていました。
「バスケだけで飯を食う」
そんな夢を追い続けていたのです。
プロ選手なのにアマ選手という最大の矛盾を抱えて。
そしてそんな僕の夢は、
企業チームという思いがけない場所で叶うことになりました。
人生とは本当に面白いものです。
今までは自分が働きながらで周りがプロ契約選手だったものが、
今は周りが働きながらで自分がプロ契約選手になりました。
ここでひとつ補足しておきますが、プロチームにおけるバイトで働きながらと、企業チームの働きながらは全く別物です。全く。全くわけが違う。
起きることには全て意味があるとは本当にその通りで、
今回この場所でこの契約をしてもらった事、
それはまるで神様から試されているかのようにさえ思えます。
働きながらバスケをすることの大変さを分かっている自分が、
今まで見てきた、感じてきたことをどうやってチームに還元するか。
これまで、とにかくプロ契約選手に負けないこと、
彼らよりチームの役に立つことだけを考えてやってきました。
それはプレーだけでなく、発言、行動、その全てで。
有難い事に僕の周りにはお手本となる選手がいてくれて、
その人たちのおかげで成長することができました。
しかし同時に真逆の人もいました。
プロらしからぬ発言や行動、常に言い訳を重ねる選手。
そんな選手がシーズンを通してどうなっていったか、間近で見てきました。
だからこそ僕は、
今自分がどう在るべきなのか、未熟ながらに分かっているつもりです。
昨シーズンの開幕前、
僕は週5日で働いていたのを週2日にまで減らしました。
それは他でもなく、バスケに専念するためです。
あの時理解してくださった勤め先の皆さんには本当に感謝でした。
仕事を減らすということは、当然それだけ生活が厳しくなります。
それなのに幸福度は高く、もちろんバスケのパフォーマンスも上がりました。
今まで働いているからという言い訳をしたことはたったの一度もなかったけど、
自分のパフォーマンスが上がったことで、
今までいかに大変なことをしていたか、改めて身に染みて感じました。
この仕事を減らすという決断の裏には、
ある選手のこんな言葉がありました。
「プロになりたいんなら、プロと同じような生活をすればいい」
その選手も働きながらという経験をしたことがあり、
その時プロとしてやりたかった(やれるという自信があった)その人は仕事をやめてお金を借りてプロと同じ生活をしたそうです。
そして1年で結果を出し、翌年から正式にプロ選手に。
これを聞いた時、意味がわからなかったし、
自分は人にお金借りるとか絶対しないから。としか思えませんでした。
でもその言葉は、僕の心に響いて離れようとはしませんでした。
それからその言葉が忘れられず、
本当に忘れられず、
自分なりに考えました。
そして気付きました。
この話のポイントは「仕事をやめてお金を借りてプロと同じ生活をした」ではなく、
本気になれば行動が変わってくるということに。
それに気付けた僕は、
仕事を続ける/やめる という2択ではなく仕事を減らすという選択に辿り着くことができました。
これからやってくる苦しい生活を覚悟しましたが、
そういう時こそ支えてくれる人たちが、やはり居ました。
困ったら面倒見てやると言ってくれた人
飯を食わせてくれた人
生活のヒントを教えてくれた人
そんな人たちがたくさん居て。
それこそが、僕の幸福度が高かった大きな理由でした。
世話をしてくれた人のひとりに、こんな事を言われました。
「なんか…尚樹って特殊だよね。プロバスケ選手になるって夢を叶えてるはずなのに、まだ何か足掻いてる。」
たしかに、と僕は笑いました。
そうだよなぁやっぱ特殊だよな〜。
でも、なんかもう、それでいいや。
英語が全く分からない小さな時からオンリーワンという言葉が好きでした。
人とかぶるのがあまり好きじゃなかったからね。
中学生の時、初めて手にした携帯のメアドはnaokiti-only1だったし(ダサ…)
これからもオンリーワンな選手で在り続けたいです。
さて、チームに合流して1ヶ月が経ちましたが、
このチームの選手は、分かっていた事だけど、素晴らしい選手が揃っています。
体がデカく強く、能力も高く、そして頭も良い。
それもそのはず、もともと大学を卒業してからプロに入ってもおかしくなかった選手たちが、
企業に入ることを選んだだけのことですから。
そんなチームメイトと一緒にプレーすることで間違いなく自分も成長させてもらっています。
自分もチームの役に立つために、誰よりも練習あるのみ。
誰よりも練習しないと。
普通のプロチームと違って、
企業チームの選手は長年同じメンバーで過ごしています。
そこに突如として加入することは正直容易なことではありません。
もちろん皆良い人だし、迎え入れてくれてはいるけど、
やっぱり彼らには長年築いてきた関係があります。
なのでまずは、選手としてではなく1人の人間としてのコミュニケーションを大事にしています。
みんなと良い関係が築けるといいなぁ。
人見知りがちな自分にはこれもまた成長の機会やね。(人見知り絶賛克服中)
そしてチームから発表があった通り、
今シーズン限りでアレイオンズの活動は終了します。
個人的には最初で最後のアレイオンズでのシーズンです。
このタイミングで伝統あるチームに迎え入れてもらったこと、
新しい出会いと新しい環境のその全ての「縁」、
アレイオンズ最後のシーズンをプレーできることへの感謝を持って戦い抜きます。
ということで、
今シーズンもたくさんの応援よろしくお願いします!
感染対策をしっかりして、会場でお会いしましょう☺︎
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主に試合後の振り返りを書きます。また、プロバスケ選手のストレートな心情や考えを綴ったり、ここでしか見れない、自分で撮った写真も。アメブロか…
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