カームテクノロジー

本投稿は2021年の下書きを編集したものです。

本を読むことが増え、探していたデザイン本に出会ったのでご紹介。カームテクノロジーというタイトルの本。

カームテクノロジーとは、人間とテクノロジーの関係を改善するために、シンプルで最小限のテクノロジーをデザインするべきであるということ。

業務を通じてアウトプットした内容になる。システムの要件は下記の通りで僕はアプリのデザインを担当した。

目的と背景
ミッションクリティカルなシステムの運用・保守において、発生したトラブルや不具合の報告から対応まで情報の漏れなく進める必要性がある。

機能要件
ホーム画面からインシデント起票、事象内容と担当者、エスカレーション先の指定など。デザインとして、操作ミスや認識齟齬が生まれない表現、直感的な操作の実現。

本アプリを活用しお客様とのトラブルや問い合わせを解決する。デザイン原則として意識したのは下記。

1. ユーザの注意力を貴重なリソースとして大事に扱うこと
5W1Hの事象説明、関係者のキャッチボール、対処療法で有耶無耶に済ませるのではなく再発防止も含めた対応までのクローズ。注意力に配慮するためにはあらゆるムダを排除する必要がある。ここでのムダとは付加価値を生まない行為そのもの。

2. ユーザが意識しなくても基本的な機能を果たせるレベルまでもっていくということ
起票する際、記入する項目の簡潔さやエスカレーション先の明示、アプリを何のために使うかという文脈を常に考慮した。小一時間のユーザへの説明会、その後のフォローアップ。


独自性のあるアプリだと特にユーザへのコンセプトの明確化、利用に関する教育・練習、表記の統一性などでカバーすることが多く大変だった。ただ、実際の業務を通して「シンプルで最小限のテクノロジーをデザインする」を1つアウトプットできた。

意識した原則の中に勤めていた会社の思想が組み込んでいる部分もあるので、正確な理解をしたい方は本書を読むことをお勧めする。

以上

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