茜空 2014.10.19
彼女の誕生日に、茜空(根津まなみ)のライブに行った。
根津さんと彼女は地元の友達で、お互い東京で暮らしている今も相変わらず仲がいいようだ。
僕が最初に茜空と出会ったのは、2013年3月19日に行われた桜座でのライブだった。
その頃、僕は年末にその頃付き合っていた彼女と別れ、仕事ばかりしていた。
仕事は順調ではあったが、派遣社員だったので、行き先が不安だった。
「就職できなかったら、次はどうしようかな」とか考えてた。
それでも、彼女と別れた理由やこれまでの日々を振り返ってみたりして、もっとしっかりしなくちゃ。とか、将来のことなんかを漠然とだけど、考え始めていた頃だった。
結構、僕の中ではこの時の心情は今でも鮮明に覚えていて、とても重要な時期だったように思う。
そんな時のこと。
Facebookで、大学時代から仲良くしていた友人(現在の彼女にあたる)が茜空という人のライブが甲府は桜座であると告知しているのを目にした。
いつもだったら、こういうのはなかなか腰が重く行ったりしないのだが、この時は「何かいい刺激になるかも」と思った。
それにその友人も来るという事だったので、純粋に会いたかった。
人からの刺激が一番励みになったり、自分の栄養になると知っていたし、あとその時はちょっと寂しかったのかも知れない。
あと、桜座にも行ってみたかった。
そんなこんなで仕事終わりに、その足で向かったのだった。
桜座はなんというか、少し変わった場所で、座布団に座って舞台を観る。
座席は何段かに小上がりになっていて、その一番低い場所に舞台がある。
僕はちょっと緊張気味だったが、どうせなら前の方で観ようと思い、最前列から一つ上がった座布団に座った気がする。
友人を見つけようとも思ったが、間もなく始まるのと、薄暗い会場でそれは困難だった。
僕は少しそわそわして開演を待った。
正直これまで山梨であまりいい演奏というものに出会って来なかった私は、期待というものに欠けていたが、同年代の彼女がどういう演奏をするのかとても楽しみだった。
この時は、ちょうど「群青」をリリースしたということで、そのツアーライブだった。
確か、最初に演奏したのはそのタイトルになっている「群青」
彼女の歌、声、ピアノは本当に素敵だ。
基本となる低めの歌声と儚げなかすれ声と叙情的なピアノ。
胸が詰まるような、切迫する何かを感じさせる旋律と音階。
参考に聴いてもらうと話が早い。撮影させてもらったものがあるので、ぜひ観てみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=SU1gUo8ditc&list=UUResHXpU-T0ZYgfaH1y_FmA
本当に素敵。
また、この時は軽やかな気持ちにさせる「246」という曲も演奏してくれた。助っ人に来てくれた友人たちとみんなで。(最近なかなか聴けてない)
こういう深みだけじゃなく幅もあることにも驚かされた。
彼女は本物だった。本当であろうとする人だった。
演奏が終わった後、友人と合流して挨拶をさせてもらった時、とても喜んでくれて「来てくれてありがとう!CD聴いてね!」と言って、CDを手渡してくれた。
しかも後々知ったが、それは彼女がリリースした全て。これまでの軌跡だった。
僕はその時、買おうと思っていたけれど、持ち合わせがなく生活もきつかったので、また今度と思っていた。その矢先だった。
僕はとても嬉しかった。
でも、今となって考えるとそれはとてもとてもスゴイことだと思うのです。
感謝しても、し切れません。
ありがとう。
そして、10/19
彼女の歌を生で聴くのは数か月ぶりだった。(多分、半年ぶりぐらい)
新曲が増えているのも知っていたし、楽しみだった。
少し風邪気味のようだったが、その影響はほとんど感じず、相変わらず素晴らしい演奏だった。
そして、また新たな発見がいくつかあった。
茜空の演奏、曲調、声は深く浸らせる音楽だけど、屋外でのライブも新鮮だった。
雑音は多かったし、身体は冷えたけれど、光や木々たちの揺らめきと風なんかの自然の力が音楽に加わると、また音楽は屋内では得ることができない違った表情というか、素敵さを纏うんだなーと。
それと彼女は話をする時には「根津まなみ」で、演奏をするのは「茜空」なんだなーと。だからいいんだなって。
多分だけど引き込む力がかなりあるから、潜水しすぎると溺れる音楽性があって、その息継ぎがしっかりとあるから、疲れないし、元の場所に戻ってきて、また潜れる。その度に景色が変わっているし、同じ曲での表現が変わるから、好きなんだろうな。
書きたいことを書いてたら、なんという長文に。。。
ともかく、こんな文章は読まなくてもいいので、ぜひ聴いてみてください。
それぐらい素敵な音楽なのです。
これからも楽しみです。
応援しています。
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