サスペンションポイントって何?
こんにちは!理学療法士の和田直樹です。
前回に引き続きレッドコードの勉強のアウトプットをさせていただきます。
最後に読んで閃いたことも書いたので良かったら読んでみてください。
サスペンションポイントとは・・・
サスペンションポイント(SP)とはレッドコードを天井に取り付けている装置からコードが出ている部分のことを言います。
サスペンションポイントとスリングを使用することによる6つの利点
セラピストの手が自由になる
大きな重さを支える必要がない
患者がリラックスしやすく、安心感を与える
患者が痛みを生じない肢位に設定することが容易になる
患者に痛みが生じない肢位を保持することが容易になる
身体各部位の制御がしやすい
つまり・・・
患者に痛みが生じない環境を容易に作ることができ、加えてセラピストが
両手を使用できるようになる為、患者とセラピストの両者が力を抜いて治療を
行うことができるということです。
サスペンションポイントの位置による違い
サスペンションポイントは位置によって効果が変わってきます。
参考書を元に自分の考えを加えてまとめました。
<SPが狙っている関節の上にある場合>
水平面上での平らな軌道を描く動作を行える
重力の影響を受けずに屈曲・伸展or内転・外転の動きが行える
ロープの長さにより関節内へのわずかな圧迫が加わる
<SPが狙っている関節より尾側にある場合>
凹面軌道の動作になる
動作の最後で抵抗が最大になる
スタートからゴールに向かう時は抵抗が加わるが、戻す時は負荷はかからない
関節内の減圧が行える→OAの人に有効?
動作範囲は減少する
<SPが狙っている関節より頭側にある場合>
凸面軌道の動作になる
中間位で最も負荷がかかる→抗重力になる為
スタートポジションに戻る時は動作の軌道を通して逆方向の負荷がかかる
関節内の加圧効果がある→関節のインナーマッスルの過緊張に対して有効?
動作範囲は増加する。
<SPが狙っている関節より内側・外側にある場合>
ポイントに向かう運動では負荷がかかりにくい
ポイントから離れていく運動では抵抗が増大する
斜めの動作は複合運動動作を誘発する
<狙っている関節よりも遠位にSPがある場合>
凹面軌道の動作になる
動作の軌道を通して動作時の抵抗が増加する →スタートからゴールに向かっている時は常に抵抗が加わっている?
スタートポジションに戻る時は、負荷がかからない
股関節には圧迫でも除圧でもない負荷がかかる
サスペンションが安定する
読んでいて閃いたこと
サスペンションポイントは狙っている関節より後方にあると、
その関節に圧縮力を加える。CKCの運動の特徴として体重支持によって関節への圧縮力が増すので神経筋系のシグナルが増強され、主動作筋、共同筋、拮抗筋がより活性化されやすいと言われている。
このことからサスペンションポイントを狙っている関節より後方に位置させて運動を行うことで、容易にCKCの運動を行うことができると考えました。
肩関節などの上肢のCKC運動も座位にて行うことができる為、肩関節の整形疾患や脳卒中の後遺症により麻痺してしまった上肢、麻痺により亜脱臼してしまった肩関節に対し、痛みが生じにくい状態で容易に関節部のインナーマッスルを賦活することが出来るのではないかと閃きました。
参考文献
発行者:青山 智
発行所:株式会社 三輪書店
編集:日本ニューラック研究会
「レッドコード・ニューラック・マニュアル ースリリング・エクササイズ・セラピーからの進化」
発行:2010年3月5日 第1版 第1刷
2013年8月1日 第1版 第3刷©️