Fediverse系SNSプラットフォーム比較2024(ざっと前置き編)
※2024年4月15日ちょこまかと現状に合わせてFirefishの記載を修正
2023年はTwitterがXになったことをはじめ、多くのSNSサービスにとって混沌とした年だったように思います。
その時にも、SNSサービスの1つの紹介としてFediverse比較2023春というマガジンを連載しましたが、何せ2023年がFediverseにとっても激動の1年であったため、このマガジンでは古くなってしまった情報も多いのです。
今回書き直しても、また直ぐに情報が古くなりそうな気もしますが、めげずに書いてみようと思います。
この記事における前提条件
そもそも、Fediverseとは?
手っ取り早くWikipediaさんから引っ張ってくると、こんな感じです。
さすがにこれは去年から変化していないですね。
わーさんの大雑把な把握では、まあ、SNSとかブログ系、その他諸々のサービスが、ある程度共通の決め事を使うことで、違うサービス同士でも情報のやり取りができるようになったグループ、みたいな感じです。
有名な決め事(規格)にActivityPubがあり、それを利用できるプラットフォーム的なソフトウェアとしてMastodonやMisskeyなどがあり、それぞれに独自機能を追加されたフォークがあり、更にWordPressもプラグイン次第では乱入でき、お互いに情報をやり取りしているわけです。
FediverseにはMastodon、Misskeyの他にもpleroma、akkoma、その他多くのSNSプラットフォーム的ソフトウェアがありますが、ここではSNSとして国内でも有名どころであるMastodon系とMisskey系の話を中心に進めます。
上述のソフトウェアそれぞれについて、そのソフトウェアを利用して開設されたサーバーがあり、サーバー管理者(俗に鯖缶)やモデレーター(通報対応する方々)の意向次第で様々な雰囲気や使い心地のサービスを提供しているのです。
将来的にはThreadsも参加しそうだとか噂がある一方で、恐らくくるっぷやたいっつーは独自の世界を保つでしょうし、BlueSkyは……どうなんでしょうね?中の人ではないわーさんには、分かりません。
本記事の作者、わーさんの背景
本職を他に持ちながら創作活動を趣味にしながら2023年にFediverseに舞い戻って以来、何故か鯖缶(サーバーを立てて管理する人のことを指す俗語です)業にも手を出して見事に沼り、こうして記事を書くに至る。ノリ(興味)と勢い(好奇心)で行動するため、たまに周りからフッ軽と評価される。それが、わーさんです。
実際に立てたかな、と言えるのはMastodon系のkmyblue、Misskey、Sharkeyで、他にはホスティングサービスで管理しているMastodon本家がありましたし、CalckeyからFirefish、さらにneko flavorへと変化したものも持っていました。
自分の手の出した範囲でしか物事を語れないのもあって、この比較シリーズではMastodon系やMisskey系の話が中心となります。
→2024年4月15日追記:最近はちょっと落ち着きまして、管理している鯖がだいぶ減りましたし、新規に手を出したり情報を追うことも減りました。
Mastodon系について
Mastodon(本家)
Mastodonは、2016年くらいから開発されている、分散型ソーシャルメディアプラットフォームです。
メインの開発者さんはドイツのEugen Rochko(オイゲン・ロホコ)さん。
開発当初から、分散型であることを強く意識されているみたいです。また、保守的でもあり、しばらく離れていても復帰しやすいのが特徴の1つに挙げられています。
日本でも様々なサーバーが開設されており、PixivさんがPawooを開設した(そしてクロスゲートさんに譲渡された)のは有名な話。
サードパーティ製のアプリ開発がMisskey系より多く、Twitterに何かがある度に流入先になることが多いサービスの1つですね。
見た目は質実剛健な印象。機能もMisskeyよりシンプルです。何せ、Misskeyでは有名な絵文字リアクションも、本家Mastodonでは全て⭐️(いいね)に変換されてしまうほど。
日本発のフォーク(独自機能の追加などで枝分かれしたもの)で絵文字リアクションに対応しているサービスが、今から述べるFedibirdとkmyblueです。
Fedibird
のえるさんによって開発されているMastodonの派生型です。フォークとしての整備はそこまでですが、同名のサーバーがあり、そちらはかなり大規模です。
連合する(他サーバーとつながる)ことを意識しているとのことで、ローカルタイムライン(サーバー内のアカウントによる投稿だけが流れるタイムライン)がないことが特徴の1つ。
現状、フォークとして新規に同型のサーバーを構築するのは難しそうですが、Fedibirdサーバーは検索能力の高さや絵文字リアクションへの対応、サーバーの安定性などから、Mastodon系の中でも人気のサーバーの1つと言えます。
kmyblue
雪あすかさんによって開発されているMastodonのフォークです。同名のサーバーもあります。
中小規模のテーマサーバー(外に出したくない話があるようなコミュニティ)向けに開発されているとのことです。
フォークとしての整備が進んでいて解説ページが日本語かつ懇切丁寧だったり、機能的にも絵文字での反応ができることなどから、2024年1月現在、じわじわとサーバー数を増やしているような気がします。特に個人でサーバーを立てている方々からの注目度がそれなりに高いかも。
Misskey系について
Misskey(本家)
Misskeyは、2014年くらいから開発されている、日本国産の分散型ソーシャルネットワーキングプラットフォームです。
メインの開発者さんは、日本のsyuiloさん。ActivityPubには2018年から対応しているようです。
Mastodonと比較して技術の最先端を突っ走る傾向にあるようで、新技術に興味のある方には興味深いと思われます。
国産だけあって、公式サイトも日本語がデフォルトです。Mastodonとは無関係に開発されてきたサービスなんですが、共にActivityPubを使用することから、初見の方に混同されることもある模様……?
サードパーティ製のアプリ開発はMastodonほどはないようですが、そもそもPWA(プログレッシブウェブアプリ)としてホームに貼り付けてアプリ風に使うことについて、Mastodonよりも便利に作られています。
絵文字リアクションやアイコンデコレーション、猫モードなどの華やかで遊び心あふれる機能や、チャンネル、Playなどサーバー内を中心に楽しむ機能、ページ、ギャラリーなど作品展示に向きそうな機能など、とにかく全て使いこなすには一朝一夕では難しいほどの多機能ぶりが特徴でしょうか。
一方で、新しいものを試行錯誤するために仕様がガラッと変わることもあり、アプリ開発者さん泣かせとも言われています。それで、余計にPWAで使う人が多くなるという。
Misskeyは日本発ですが、国内外にて幾つかのフォーク(独自機能の追加などで枝分かれしたもの)が開発されており、2023年はCalckey(後のFirefish)が有名でしたが、今では更に増えているようです。
Firefish(元・Calckey)
Firefishは、 Calckeyの時代から考えると、(多分)2022年くらい?から開発されている、Misskeyからの派生です。
メインの開発者さんはアメリカのKainoa Kanterさんでした。恐らくFirefish本家は英語メインですが、naskyaさんによるneko flavorなど、恐らく日本語メインで開発されているバージョンもあります。
ここから更にIceshrimpという派生が発生したとか、Catodonのルーツにも含まれるとか、とにかく2023年から2024年頭にかけて、何かとサーバー管理者たちの話題になりがちなプラットフォームでした。
2024年1月現在は開発ペースが落ちている雰囲気で、閉鎖したり他サービスに移行するサーバーも出てきています。
新規に利用するなら、neko flavorを視野に入れるのも検討して良いかも?
→2024年4月15日追記:その後、メインの開発者さんがnaskyaさんに丸投げ?されるという事件が起こりまして、現在はnaskyaさんが開発されています。
Iceshrimp
Firefishから更に派生したらしいです。
わーさんは、あまり調べていないので、詳しくありません。
Catodon
Iceshrimpの流れを汲むそうです。
メインの開発者さんはギリシアのPanos Damelosさん?かな?2023年の年末辺りから、一躍有名になってきました。
Sharkey
Sharkeyは、恐らく2023年、つまりFirefishよりも後にMisskeyから派生したフォーク(独自機能の追加などで枝分かれしたもの)です。
メインの開発者さんはドイツのAmeliaさん?
基本的にMisskeyを追いかけながらも、投稿編集機能などの独自機能を追加してきました。公式サイトはほぼ英語ですが、Misskeyが分かっていれば、まだ色々と分かりやすいかもしれません。
その他の派生
Misskey派生はいいぞ。という、ふうせんさんの記事を見ますと、2023年の年末あたりのMisskey派生状況がわかります。
今後の記事の展開について
去年と同じように、一般ユーザー目線で比較した記事、鯖缶目線で比較した記事、わーさんの感想を徒然と書く記事、みたいな感じで行こうと思っています。既に前置きのこの記事が恐らく去年よりも長いので、スクショなどは持ってこないです。
では、また次の記事でお会いしましょう。
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