ラサ(六味)という考え②
皆さん、こんにちはー!
コロナの影響が多大に、世界的に広がっていっていますね。何か息苦しさを感じる時期だなーと思うのと同時に、それでも季節の変化はやはり例年と変わることなく、桜が咲いて、新たな草木がこれからぐんぐん育っていこうとする気配を感じ、どこかに安心を感じています。
現実的にちょっと営業はどうしたものか考え中ですが、、、
考え方によっては、文章を書ける時間も得たので、せっかくの機会なのでそちらに意識を向けていこうと思います。できることをやっていこう。
photo: フライドライスを作る風景, Matara, Sri Lanka, 2019
さて、前回はラサ=六味(甘味、酸味、塩味、苦味、辛味、渋味)という意味を持つと書きました。六つの味を含んだ食事がバランスが良いと、この考えの素地となっているアーユルヴェーダでは言っているのです。
ところで、スリランカカレーの現地スタイル「ライス&カリー」の一つの特徴といえば、ご飯の上にカレーやおかずが3〜5種類ほど乗っているというものです。これは、家庭料理でも屋台、レストランであってもメインのカレー(チキンかフィッシュなど)を選べば、基本的に何種類かはセットで付いてくる。一種類のカレーとご飯を食べるというシーンに出くわしたことがないんですね。もちろん、茶畑で働いているタミル人などは例外で、あくまでライス&カリーの話です。
それで、食べ方の特徴としては、手でおかずを潰しながら混ぜて食べる。いくつかのおかずを、お米と混ぜ合わせるので、混ぜ合わせたご飯たちを口の中に含んだ時は、様々な風味、様々な「味」が現れるわけです。それぞれの野菜や肉の風味、酸味、辛味、苦味などの「味」がそれぞれに舌の上に展開していく。それで、ここからは私見ですが、食べていると辛味や塩味によって口の中がちょっとしたお祭りみたいに盛り上がってくるのも、スリランカカレーの一つの特徴だと思っています。
photo: ライス&カリー, Biyagama, Sri Lanka, 2018
冒頭で述べたように、六味が揃っている(六味を感じる)のが「良い食事」であるとアーユルヴェーダの教えというか、ラサという概念であるんですね。そして、これもあくまで主観になりますが六味が揃っているプレートの方が複雑さを増す、と考えています。味や風味の複雑さは舌の上で「味わい深さ」となり、フラットなツルッとした味わい、シンプルな味わいとは離れた味わいになります。
「シンプルさ」と「複雑さ」あるいはこうも言えるかもしれません。「フラット」と「ピーク」。どちらが良い、というものでもないのでしょうが、ぼくは口の中に広がる、それぞれの風味や味の山々が好きです。この山々、どんなイメージなのかと言えば、それぞれの風味、味がペタっとした単純な味わいでなく、それぞれの特徴を持って、それぞれが顕れるというニュアンスです。これが元々のラサの考え方と合致しているとは思いませんが、ぼくの考える「ラサ」です。
一つのプレート(食事)の中に、様々な特徴を持ったモノがあることを「認める」あるいは「認めることができる」というのが大事な考え方なのだと思います。
ぼくが目指しているプレートはこの「ラサ」に基づいた料理です。食べた時に、様々な香り、ピークがそれぞれの特徴を持って、でも一部が混じり合って、一体となったバランスの取れた「味」となる。
photo: おもてなし料理, Tissamaharama, Sri Lanka, 2019
「ラサ」の概念。食事の話だけでなく、他の物事にも当てはまると思いませんか?
人生、社会、コミュニティ、個人、一瞬のその時。スケールの大きさはあれど、何となく「そう」ではないのかなという予感がしてきたのです。それで、ラサという言葉を調べてみました。するとすぐにネット上で出てきました。ラサはインドの舞踊でも用いられる概念だそうです。
また近々、その概念を勝手に紹介したいのでしていこうと思っています。
そこそこ長くなってしまったので、これにて!
See you again!!
photo: 僧侶の礼拝, Buttala, Sri Lanka, 2019
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