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現代社会の分断の構図
今、この社会で何が起きているのか?
現代社会は、かつてないほどの分断と対立に満ち溢れている。それは、単なる意見の相違や立場の違いといったレベルではなく、お互いの存在を否定し、足を引っ張り合うような、より深刻な分断である。
この分断は、大きく二つの陣営に分けられる。一つは、我々が生きる共同体、すなわち、自分自身や家族、友人、同胞などが属する「A」の陣営。もう一つは、そこからドロップアウトした人々が集まる「B」の陣営である。
AとB、それぞれの陣営
Aの共同体は、社会の主流、あるいは「表」の世界と見なされることが多い。そこでは、弱者男性狩りやホワイト社会化(今まで必要悪的に黙認されたことが許されなくなる現象)、欧米追従主義、そして表社会的な階級社会の中で、人々が互いにいじめ合い、つまはじきにされた人間は自動的にBへと追い出される。
一方、Bの陣営は、Aからドロップアウトした人々が集まる場所である。そこでは、いじめ合いも起こるが、いざという時にはB同士で共闘したり、互いに助け合ったりする。AからBへの転落は容易だが、BからAへの復帰は難しい。
分断の具体例
この分断は、様々な形で現れている。
政治: かつては保守とリベラル、右翼と左翼、富裕層と貧困層といった政治思想の対立であったものが今や男性と女性、都会人と田舎者、車バイクに寛容な人と車バイク嫌い、リア充に寛容な人とリア充を拒絶する人などのように分断の質が悪化傾向にある。
文化: 現代のSNSやスマホの時代の社会は極端なことを言えば同じ家族との間に深い溝を作り出している。
Bの論理
Bの陣営は、Bなりの価値観や美学を持っている。そして、時にAに対して危害を加えることがある。しかし、その際にはB同士が団結し、巨大な戦力となる。
Aを西側諸国・一般人・欧米的リベラリズムに親和的な人・ギャルやオタクや不良などに感化されていない人とするならば、Bは東側諸国・非一般人・欧米的リベラリズムを拒絶する人(それこそトランプ大統領を支持してバイデン大統領を支持しない人や石破政権の次の首相は高市だと主張する人)・ギャルやオタクや不良などに感化されなおかつ一般人ではなくなった人・地下社会の住民といったところだろうか。
Aの世界が科学世界ならばBの世界は魔法世界だ。
例えば、ロシアの戦争に北朝鮮が相乗りしているのも、中国の対米工作に反社会的勢力が加担しているのも、女性蔑視活動をするグループにオタクが共鳴するのも、一般人から毛嫌いされる右翼的な人間に不良やオタクが共鳴するのも、一部の弱者若者が不良や反社の悪行に加担するのも、反ワクチン界隈に反社の手先のような人間がうじゃうじゃいるのも、Bの界隈に占い師や魔女など反科学的な人々がいるのも、すべてこの論理で説明できる。
Aの弱点
Aの共同体は、「Bは悪だ、やっつけろ」と主張する。しかし、Aの中では団結よりも分断が優先される傾向がある。A同士で足を引っ張り合い、いがみ合うことが多いため、Bに対抗する力を十分に発揮できない。
一番わかりやすい例を挙げるとイスラエルとパレスチナの問題についてのアメリカ国内での分断といったものだろうか。
結論
現代社会は、まさに分断と対立の社会である。それぞれの価値観が尊重される時代は、当分の間訪れないだろう。
この状況を打破するためには、AとBがお互いを理解し、共存の道を探る必要がある。しかし、現状ではその見通しは立たない。それはそうだ。Aの人たちはみんなBの集団に憤慨の拳を限界まで振り上げていて下せる見込みがないので下手なことすれば自分自身がBの集団に叩き込まれかねないからだ。
我々は、この分断と対立の時代を生き抜くために、それぞれの陣営の論理を理解し、したたかに立ち回る必要がある。
エピローグ
この分断は、決して他人事ではない。我々自身も、どちらかの陣営に属している。そして、この分断の中で、様々な選択を迫られている。
どのような道を選ぶかは、あなた次第である。しかし、どのような道を選んだとしても、この分断の時代を生き抜くためには、したたかさが必要である。