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障がい児を育てる親の、心地よい暮らしの作りかた


僕は障がいがある子どもを育てる親は、自分自身のことに目を向けた方がいいと思っています。

子どものことを気にすることが多いために、自分自身を大切にする意識が希薄になりやすいためです。

とはいえ、家事や育児に加えて仕事をしていたりすると、そう簡単にはいかないことも事実。

そこで、障がい児の親が心地よい生活をどう作ってゆけばよいのかについて考えていきます。




心地よいという感覚は人それぞれ異なります。

ここでは「余裕を持って自分のペースで過ごすことができる生活」と定義して話を進めていきます。



まず育児では親にしかできないこと以外はしない、ということが大切になってきます。

仕事が休みだったり時間に余裕があるとき、保育園や放課後デイを休ませている人を見かけることがあります。

できることはしてあげたいという気持ちはとてもよくわかるのですが、そのために自分の時間や精神的な余裕がなくなってしまっている場合は少し無理をしている可能性があります。


障がい児の育児には、うまくいかないことや突発的なトラブルが付きもの。

イレギュラーなことに余裕を持って対応するためにはエネルギーを温存しておいた方が良いのですが、意識していないとすぐにガス欠になってしまいます。

自分でなくてもいいことは普段から人やサービスに任せるようにし、できた時間で心の中を整理したり趣味を行ってみるということが心地よい暮らしにつながっていくのです。





障がいがある子どもを育てていると、定期的に病院や療育へ送迎したり、休日に公園に連れて行ったり、外出のほとんどが子どもの用事になってしまうことがあります。

このような時には、子どもとの外出のついでに親自身の小さな楽しみを付け足すと、心持ちが軽くなります。


一緒にポッドキャストをしているかくたさんは、子どもとの外出の時には好きなコーヒースタンドでコーヒーをテイクアウトするのが楽しみだと言われていました。

僕も休日に子どもを公園に連れて行かねばならない時には事前に調べたベーカリーでパンを購入して、公園でピクニックシートを広げて缶コーヒーと共にのんびり楽しんでいました。

また定期的にある受診や外来リハビリにも好きな小説を持参して、待ち時間に読むようにしていました。



日常の子どもの用事に小さな自分の楽しみを付け足すという工夫は、日常を少しだけ豊かにしてくれる力があります。




子どもを大切に思う気持ちが強い人は、日々のスケジュールを子どもの予定を優先させて立ててしまいがちです。

そうすると自分の予定が入れにくくなってストレスが溜まってしまう。

そんなときは、ちょっとした自分の予定でも子どもの予定より先にスケジュールに入れ込んでしまうという方法が効果的です。
(コミットメントという行動経済学のテクニックです)


僕は1人で考えたり、あるいは何も考えない時間を確保するために、定期的に「自分会議」という名目でスケジュールをコミットメントするようにしていました。

自分自身のための時間は、障がい児の育児の中では簡単に失われてしまいます。

失われるだけなら良いのですが、それによってストレスが溜まってしまうことに注意が必要なのです。





最後にくらしの中心になる生活空間のことについても触れたいと思います。

心地よい生活をするための生活空間。それはモノが少ない空間です。

知的障害がある子どもは、多くのモノの中からひとつのモノを探し出すことが苦手なことが多いです。

だから、モノが少なくすれば自立しやすくなります。

身体障害がある子どもはモノが少ない方が移動スペースが広く取れるため、動きやすくなるでしょう。

そして親は、子どものお世話が少なくなり、掃除や片付けも楽になります。




親が情緒不安定になったとき、その吐け口になりやすいのは言うまでもなく子どもです。

その意味で親である私たちが心地よく暮らすということは、子どもが安心して暮らせることに繋がっています。

自分自身を大切にするということは、障がい児の成長にとっても重要なことなのではないかと考えます。

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