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これからの未来は過去にある

ほんねこ堂読書会/海竜めざめる ジョン・ウィンダム 星新一訳 福音館

ある夫婦が船旅の途中、いくつかの火球が大西洋に落下するのを目撃する。
それからも火球は目撃され、落ちるのはある特定の海域だった。
というところからはじまる、SF黄金期の作品だ。

・センス・オブ・ワンダーが楽しい
突然現れた火球、海でしか目撃されない不思議、そして……
読みながら、驚嘆の数々に翻弄されるのが楽しい。

・未来を見通す想像力に脱帽する
原著の初版が1953年、70年前の作品にもかかわらず、未知の事象に右往左往する政府やマスコミの姿は、
今世紀に起こったことを想起させる。それから、あれとか、これとかも。

・星新一氏のもう一つの顔に驚嘆する
飜訳したのはショートショートの神様、星新一氏なのだ。
星氏が翻訳した小説は、ほかにはフレドリック・ブラウンのいくつかの短編しかない。
珍しい訳文は、味わい深い。

驚異の感覚を味わい、脱帽し、驚嘆してほしい一冊です。


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