【投信の基準価額】安いタイミングで購入できるか?
投資信託の基準価額について知ることは、正しい商品選びや、失敗しない運用をするためにとても重要です。
数回にわけて、「基準価額の大事なポイント」をお伝えしています。
今回のテーマは、「価格が安いタイミングを狙って、投資信託を買うことはできるか?」について。
結論を先に書くと、「安いタイミングを狙って購入することはかなり難しい」ということになります。
注文した時点では、いくらで買えるか分からない
投資信託の値段である基準価額は、日々変動しています。その頻度は、「毎営業日ごとに1回だけ更新」と決まっています。
また、投資信託を注文した時点では、適用される基準価額はまだ決まっていません。
注文したあと(当日の締め切り後)に、運用実績をもとに基準価額が決まり、その基準価額が購入価格となります。
(この購入価格のことを約定価格といいます。)
したがって、「いま安いから買おう」とピンポイントで購入することは出来ない仕組みになっているんですね。
なお、ちょっと細かい話しをすると、投資先が国内か海外かによって、適用される基準価額が決定するタイミングは異なります。
国内の場合は、証券取引所が閉まる15時の少し手前で注文すれば、当日の終値がある程度予測できます。
一方、海外(たとえば米国)の場合は、時差のため日本時間の深夜~翌日朝になって投資対象の値段が分かるので、注文時(当日15時まで)に予測するのは不可能です。
値動きの予測はプロでも難しい
次に、中長期での値動きを予測できるかを考えてみます。
たとえば、2021年のアメリカの株価指数(S&P500)は次のような値動きとなっています。
このグラフをみると、おおむね右肩上がりで増加していることが分かります。
まだ2ヵ月あるので最終結果は分かりませんが、このままいくと「2021年は年始に投資するのが最安値だった」ということになります。
しかし、これはあくまで「結果論」なんですね。
株価指数に限らず、各投資対象の値段は、いろいろな要因が複雑に影響しあって変化しています。
これを「予測」するのはプロでも難しいと言われています。
予測せず計画しよう
データをみる知識があれば「いまは割高か、割安か?」という判断はある程度可能です。
しかし、いくら知識や経験があっても、未来の値動きについて「絶対」を言い当てることはできません。
これから資産運用を始めようとする方には、値動きの予測法を身につけるのではなく、「運用計画を立てる」ことをお勧めします。
具体的には、毎月の積み立て金額を決めたり、運用期間を想定していく作業になります。
「長期的な運用計画を立てることができるか」が、将来資産を堅実に増やせるかどうかに、大きく影響してくるのです。