Strange City
真夜中をひとり歩くことがある。
目的もなくただフラフラと。
聴こえてくるのは、小さな虫の音と自分の足音くらい。
誰にも気を使わない、誰も干渉して来ない時刻。
自分でも驚くほど妄想が駆け巡ることがある。
それは自分ではコントロールできないもの。
それは突然始まり、突然終わる。
そこは混濁した世界。
そこは脈絡なく変化していく。
気がついた時には足を踏み入れ、感情を伴って流される。
浮かんでくる情景や台詞がどこから来ているのか分からない。
積み重なった記憶から生まれた想像なのかもしれない。
そんな時、僕は必ず迷子になっていると思う。
手探りで出口を探している。
そして偶然に小さな光を見つけることがある。
[NO TITLE]
スポットライトが誰も映さない時刻に
点滅している emergency
像をなさない あいまいな街
思い出せない 続きの言葉
僕も君もいつしか
古い映画のような世界に迷い込んで
出口を見失っている
どうすることもできずに
時は立ち止まったまま
ナビゲーションは気まぐれのアジテーション
辻褄合わせのノンフィクション
かたちのないもので 繋ぎ止めている
予定調和の語呂合わせ
空白を埋め尽くしていく
覗き込んだパネルの中のひび割れた世界に
流れている 無数のつぶやき
降り続ける 暗いイメージ
忘れたくない 無垢な眼差し
僕も君もいつしか
昔本当に信じた未来を笑い話にして
自分を見失っている
疑うこともできずに
物語は途切れたまま
civilizationは色褪せたillustration
身動きとれずにクラクション
かたちあるものに 頼りすぎていた
ため息混じりの声はこだまし
暗闇に沈んでいく
繰り返される歴史の一ページへ
変わり続けるタイムラインの風向き
最後にひくのはジョーカーのカード
足跡だけ過去に残して
ナビゲーションは気まぐれのアジテーション
手繰り寄せてるインスピレーション
かたちのないもので 繋ぎ止めている
予定調和の語呂合わせ
余白を埋め尽くしていく