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『MIZZ先生がイラストたっぷりで教える〈便秘〉からの脱出』の著者 MIZZ先生こと”みずかみよしのり”が 渋谷道玄坂百軒店伝説のロック喫茶『ブラックホーク』を語り尽くします

Episode10 ヒッピー文化は『ブラックホーク』でも花開いた?!

  1968年あたりから『ブラックホーク』が“ロック喫茶”と言われるようになってくると,店内でリクエストされる曲も,ヒッピームーブメントの一大エポック「サマー・オブ・ラブ(Summer of Love)」で中心的役割を果たしたグレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインのようなサイケロックと呼ばれた音楽の他にも,アル・クーパーやマイク・ブルームフィールドなどのブルースロック,ディープ・パープルやブラック・サバスに代表されるハードロック等々,まさに「Anything goes.」何でもありの状態となっていきました。

 フリーも,来日した影響もあってかなりの人気がありましたし,ブラインド・フェイスやレッド・ツェッペリンに至っては1日4,5回以上リクエストされる有り様で,「それは今かけ終わったばかりで他のリクエストもいっぱいあるんで~」と苦しい言い訳で凌ぐことも頻繁でした。

 ところでヒッピーには,7つの「決め事」があるとよく言われていて,これらの条件をすべて満たしていれば,立派な(?)ヒッピーとなることができたようです。
①男女ともロン毛 男は鼻下やあごにヒゲ
(男性でも腰近くまで髪を伸ばしている人もいました! 山下達郎さん然り,「はちみつぱい」の本多信介さんもですね!)
②ヘアバンド(花飾りだとなおgood!)を付けている
③カラフルでゆったりしたシャツを着ている
④フレアジーンズを履いている
⑤ロックミュージック(サイケロック)を愛している
⑥シンボルマーク(反戦平和のピースマーク)を装着している
⑦自然素材で手作り感のあるアクセサリーを身にまとっている
 その当時の『ブラックホーク』のお客さんたちの中にも,上記ヒッピーの「掟」(?)①④⑤⑦の四点については見事クリアという方が大勢いましたけれども,結局それを超えるものではありませんでしたね。

 時に,ヒッピー最前線の新宿辺りから流れてきたのか,「エッ! 何をどうしたらそうなってしまうの?」と目を剥くような奇抜なファッションで,ウェイトレスさんから“お化けちゃん”とか“フリフリちゃん”とかの隠れニックネームを頂戴してしまうような方が来店し,ヒッピー文化の薫りを十分に振りまいていく場面もあるにはありましたが,『ブラックホーク』店全体の雰囲気はと言いますと,そんな様子をはにかみながら冷静に眺めているお客さんが主立っていたように思います。

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