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『MIZZ先生がイラストたっぷりで教える〈便秘〉からの脱出』の著者 MIZZ先生こと”みずかみよしのり”が 渋谷道玄坂伝説のロック喫茶『ブラックホーク』を語り尽くします

Episode3 『BLACK HAWK NEWS』発刊へ

 店は無事始まりはしたものの,購入できるレコード予算には限りがあり,「これからどうする?!」と頭を悩ませている時でした。
 中村とうよう氏(故人,㈱ミュージック・マガジンの元取締役会長・代表取締役)や,当時まだ大学生になったばかりの山下達郎氏らが救いの手を差し伸べてくれるという僥倖に恵まれたのです。「これ! しばらくお店に置いてお客さんに聴いてもらって!」と,大量のレコードを預からせてもらい一気にレパートリーを増やすことができました。

 その頃は,ビートルズだろうがハードロックだろうがサイケロックだろうが,ジャンルなど見境なく,レッド・ツェッペリン,ブラック・サバス,ディープ・パープル,アル・クーパー,ブラインド・フェイス等々何でもござれでどれもこれも大音量で流し続けていました。『ブラックホーク』=〈シンガソングライター〉〈ウェスト・コースト〉〈ブリティッシュトラッド〉のお店,とイメージされているお客さまたちには思いもよらぬ選曲嗜好ではなかったかと思います。

 1969年頃には,いまなお語り継がれる史上最大のロックの祭典ウッドストック・フェスティバルの熱狂が日本にも押し寄せ,国内の音楽シーンにも多大な影響を与えるようになっていくわけですが,この時期『ブラックホーク』も,一日中フォークロックミュージックを流し続けるお店に変貌していました。

 そうしたなかで,”輸入レコードの伝道師”を広く謳う『ブラックホーク』は,この期に合わせ,ジャズ,ロック,フォークとあらゆる分野に造詣が深かったレコード室担当の松平維秋氏(故人)の知識や分析力を活かすべく,私(MIZZ=みずかみよしのり)が徹夜厭わず鉄筆を振るい今や時流に消えかかる” ガリ版刷り”を駆使して,新入荷のレコード紹介を主目的とした『BLACK HAWK NEWS』紙を月2~3回のペースで発行するようになっていきます。

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