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相手のやる気を引き出し、行動につなげるための聴き方
やりたいことがないと、プロデュースは、はじまりません。
「こんな状況をうみだしたい」というビジョンがないと、人は、行動のしようがありません。
これは、重要な真実です。
しかし、心の中で、
「こうなったらいいなあ」とか、
「もうこんな状態は嫌だ、脱却したい」とか、
思っていても、はじめからどんどん行動できる人は少ないと私は思います。
頭の中に、ふっと湧いてきたアイディアがあったとき、その面白さを自分で感じていたとしても、
〈自分にそんなことができるのだろうか〉
〈このアイディアは、夢で終わってしまうような思いつきに過ぎないのではないだろうか〉
と感じて、そのままにしてしまうことは、誰にでもあると思います。
自分では、素晴らしい思いつきだと思っても、
人に話したら、馬鹿にされるんじゃないか、とか
先輩や上司に話したら、怒られてしまうかもしれない
と思って、やめておこう、となることはよくあること。
つまり、はじめの段階で、新規なアイディアや思いつきは、とても弱い存在だということです。
当然、そこには、さまざまなツッコミどころ、論理的な不整合がありえます。
ですから、本人が、自信を持って、そのアイディア、思いつきを
「これはいける!」
「やるべきことだし、実現できるかもしれない」
と感じて、モチベーションをもって、自分でさらに考え、内容を整理したり、情報を集めたり、誰かに会いに行って相談したり、という行動を起こすためには、
「その気にさせる」
ということが必要なのです。
そこで、ビジョンや、プロデュースの話を聴くときは、次のようなスタンスが重要になります。
1.まず、相手の考えていることを肯定し、受けとめる
(相手の話の良い部分を、それはいいねえ、とか、それはすごいことだね、などと言ってあげましょう)
2.相手が実現したい状況をイメージして、膨らます
(相手が思っている以上に、実現した際に生まれる新たな価値、誰がどうハッピーになるのか、など、影響力の広がりなどもイメージして、どんどん膨らまして伝えましょう)
3.相手の実現したいことを、どうやったら実現できるか
相手以上に未来をイメージして、一緒に考える
(もちろん、はじめは、不確実な仮説や妄想レベルのアイディアでも構いませんので、いろいろな可能性を考えてアイディア提供、情報提供しましょう)
4.事実誤認など修正すべき点があれば相手に伝える
(上記1~3をしたうえで、相手が目指している価値創造を実現するために、修正すべき点などをアドバイスすると、相手はありがたく聞いてくれ、それを役立てようと思います)
この4つです。
これで、相手は、自分の「やりたいこと」が肯定されただけではなく、もっと真剣にきちんと考えていこうという気になります。
もちろん、聴いてくれたこと、肯定してくれたこと、一緒に考えてくれたことなどが良いイメージとなってインプットされ、感謝してくれるでしょう。
そして、つぎに「聞き手の私」と会うときには、いろいろ調べたり、動いて小さな実験をしてみたりして、考えを深めてくるはずです。
こうして、「やりたいこと」は、誰かをハッピーにすることをイメージしながら次第にカタチになっていきます。
こういうコミュニケーションを取れるようになると、信頼感が高まります。
また、たくさんの良い情報が集まるようになります。
ですから、ちょっと相談に乗るだけで、たくさんのビジョン実現に関与できるようになります。
とても逆説的なことですが、
人のビジョンを支援できる人は、自分のビジョンを実現しやすい
という法則があります。
なぜそうなのか。理由は2つあります。
1つめは、人のビジョンを支援できるひとは、相手応援してくれる関係になりやすいから。
2つめは、近くにいる人同士のビジョンは、どこか共通の部分があることが多く、互いに、ビジョン実現のための必要な情報や人脈、コンセプトワークを共有できる場合が多いから。
つまり、ビジョンの聴き方が上手くなると、自分のビジョンが実現しやすくなるのです。
とうぜん、そういう関係をつくれるチームや組織はハイパフォーマンスで、変革、創造的な成果が出やすく、ムードもよく、お互いの個人的志向も理解してリスペクトしあい、応援しあえる関係になれる
ということになります。