詩 大きな言葉を失くした肢体たちの世界
大きな言葉を失くした肢体たちの世界
嗚呼、皆、口々に呻きを上げている
世界の輪舞に、取り残されたままの
この、自然なき、古い樹に
誰もが知りながら、留まったそこは
大きな言葉を失くした肢体たちの世界
やっぱり、まっ昼間から、灯を燈すようになった
何かから離脱しても、何かが回帰してくる
永劫に そして いつしか
肢体たちは、時間をまで、空間に分散させたのだ
わたしはわたしにしか出会えず
あなたはあなたにしか出会えず
おれの肢体が時空に流出しておれに出会いに来る
もう、何度も聞いた小さな言葉を繰り返している
嗚呼、皆、口々に呻きを上げている
大きな言葉を失くした肢体たちの世界
もう、どれほど経っただろうか
もう、どれほど歩いただろうか
あまりに明るい暗さのなかで
呻き声としての嘲笑が響く
大きな言葉を失くした肢体たちの世界