放デイとぷれいす
地域に根差したみんなの居場所、ハイパー児童館ぷれいすを作りたい。
とある勉強会にお邪魔した際、ご一緒した方にハイパー児童館ぷれいすの構想をお話ししたところ、
「放デイが参考になるのでは?」
というお話しをいただいた。
放デイとは、放課後等デイサービスのこと。
障害児の放課後の生活支援と療育を目的とした施設。
障害児版の学童保育と言ってもいいだろう。
つまり、障害児のための放課後の居場所だ。
職業柄、放デイの存在もざっくりとは内容もわかっていて、ぷれいすと通ずるところ、相容れないところが混じり合っているイメージでいた。
あくまでイメージなんだけど、そのイメージが邪魔して、せっかくの提言もどうしたらいいものかと煩悶していた。
それからしばらくして、今度はsoarのイベントでお会いした方に、とある放デイをご紹介いただいた。
神奈川県藤沢市(辻堂海岸)の、遊びリパーク lino’a(リノア)さんだ。
ここでは、放デイとして肢体不自由児の受け入れをしながら、障害のない児童との交流を積極的に行っている施設。
障害のあるなしの垣根を越えた取り組みを数多く行っている。
お邪魔した時も、たくさんのこどもがそれぞれの時間を楽しんでいた。
当初、肢体不自由児の放課後の居場所として開設されたリノア。
お勤めの方が、ご自身のお子さん(障害のない)を一緒に過ごさせたいという所から、そのお友達、さらにそのお友達…と広がった結果、インクルージョンが自然と作り上げられていったんだとか。
また、こどものいない午前中には、様々に趣向を凝らした教室を開き、地域にも積極的に開いている。
その結果、地域に根差した存在になり、ますます障害のない子の利用の垣根が下がっていくという流れも生み出していた。
もしかしたらもしかするかもと期待が湧きながら、こどもが帰宅したあと、代表の横川さん、副代表の大郷さんにいろいろとお話を伺った。
しかし、伺ったお話から受けた印象は、むしろ厳しいものだった。
インクルーシブな場にすることは初めからは目論んでいなかったと。
そして、登録上はインクルーシブな場であることが難しいという現実も。
放デイと一般の学童保育を手続上併設とすると、空間や備品の類を明確に区分しなくてはいけないのだ。
また、放デイの制度上、個々の障害の度合に応じて使えるコマ数が決まっており、来所日を予約しなければならない。
また、肢体不自由児向けの放デイは肢体不自由児しか使えない。
いつでも誰でもを目指すハイパー児童館ぷれいすにとってはそのどちらもが厚いカベである。
リノアさんの取組や存在は素晴らしい。
が、同時にハイパー児童館ぷれいすが放課後デイサービスとは相容れないものであることも明確になった。
そのことに気付けたことが、リノア訪問の最も重要な学びだったかもしれない。
妄想と模索は続く。