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ある受刑囚の手記6

何が起こったのか分からなかった。
目の前に見せつけられる食餌のことしか考えられなくなっていたせいもあるし、なんといっても死角から突然だったからだ。
体当たり。
かつてはさぞ鮮やかだったろう金髪をふりみだしたジーマとの、それが最初の出会いだった。

初対面から友好的な受刑者もいるものではなかったが、ジーマの場合はとことん攻撃的だったと思う。
状況を理解する間も与えず、さらに飛びかかってきて、喉笛に噛みつこうとしてきた。
ともかくも危険を悟って、突っ込んでくる彼女の顔面を前足の爪で引っかいてやろうとしたが、するとその足首に食いつかれてしまう。

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