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監督の愛人1
女子校運動部が舞台のエロ小説。
特定のスポーツ、学校、指導者をおとしめる意図はなく、ところどころ曖昧な表記になります。
私ひとりを呼び出すために、監督はわざわざ部員全員のグループチャットを使う。
ふたりのスマホが同時に通知を知らせ、同室の瑞穂が息を飲むのが分かった。
寮のあちこちでそれぞれに時間を過ごしていただろう仲間たちにも、同様の表情が浮かんでいるのがたやすく想像できる。
「あー、ここのところ続くなぁ。き、昨日もあんなにしてあげたのに」
精一杯おどけた風に言って立ち上がる。
どうせ来るのだろうと練習着から着替えずにいたので、そのままでも出かけられる。
もう、鍛練の汗とはまるで違うもののしみこんでしまったユニフォーム。
「じゃ、行ってくる。どうせ遅くなるから、待ってなくたっていいからね」
「アリサ!」
ドアに手をかけたところで、感極まった様子で瑞穂は叫んだ。
「あの、みんな、ちゃんと分かってるからね、アリサの気持ちは」
「うん、大丈夫。負けないから」
「ごめん、私たちがもっと強ければ」
「大丈夫だったら!」
彼女から目をそらし、突き放すように言った。
両の瞳を潤ませる瑞穂を見ていると、自分も心がくじけてしまいそうだった。
「私が自分で選んだことだもの。それよりもチームのことはしっかりね、キャプテン」
まだ何か言い募ろうとする前に、逃げるように廊下へ駆け出した。
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