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ある受刑囚の手記・一括購入用

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有料公開分の一括購入のために創刊します。 死刑という制度がなく、すべての人間性を奪われ獣に落とされる刑罰が行われている国で服役することになった女性の回顧。
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#残酷描写あり

ある受刑囚の手記12

ある受刑囚の手記12

エリカは当時あの国でも普及の始まっていた、それでも子供が持つにはまだまだ贅沢品だったはずの携帯端末を取り出して、たぶん自宅へだろう、通話した。
相手は大人だったはずだけど、その態度や簡潔な物言いから、彼女が他人に何かを命令することに慣れた人種であることは分かった。

さほど待つまでもなく、外国製の大型車が校門の前に乗り付けた。
制服姿の運転手と、力仕事専門という感じの作業着の使用人ふたり。
彼らは

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ある受刑囚の手記10

ある受刑囚の手記10

ある受刑囚の手記1
ある受刑囚の手記9

子供たちとの話を続ける。
軽く触れるだけのつもりだったが、書いているうちに思い出してきたこともあって、思った以上に長くなりそうだ。

そうなるとやはり名前のないのは話しづらい。
以降便宜的に仮名をつけるがもちろん私が勝手にそう呼ぶだけで、彼ら彼女らの本当の名前は知りようがない。
今では高等科学校に進んでいるだろうか。
万万が一にも当人たちに迷惑の及ばないよ

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ある受刑囚の手記9

ある受刑囚の手記9

ある受刑囚の手記1
ある受刑囚の手記8

受刑者にとって子供は天敵のようなものだ。
大人なら見てみぬふりをする私たちのことを放っておいてはくれない。

小さな子供が私を指差して、そばにいる大人に何かを尋ねる姿を、何度も見た。
「あのお姉ちゃんはどうして裸なの?」とでも聞いているのだろう。
「あのお姉ちゃんはワンワンなの?」かもしれない。

聞かれた大人も答えに困るだろう。

見るんじゃありません、

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ある受刑囚の手記6

ある受刑囚の手記6

何が起こったのか分からなかった。
目の前に見せつけられる食餌のことしか考えられなくなっていたせいもあるし、なんといっても死角から突然だったからだ。
体当たり。
かつてはさぞ鮮やかだったろう金髪をふりみだしたジーマとの、それが最初の出会いだった。

初対面から友好的な受刑者もいるものではなかったが、ジーマの場合はとことん攻撃的だったと思う。
状況を理解する間も与えず、さらに飛びかかってきて、喉笛に噛

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ある受刑囚の手記5

ある受刑囚の手記5

身体を許した多くのオスたちとともに、今でもよく思い出すのはジーマのことだ。
私がもっとも多くやりあったメスだと思う。

ジーマというのは今適当につけた、もちろん仮名だ。
受刑者になった時点で名前などなくしたも同じなのだが、やはり受刑者A、受刑者1などでは話しづらい。
以後これと同じと思ってもらいたい。
何の目的もなくホテルの立ち並ぶ区画へ迷いこんでしまうことが多かった。
私自身も人間だった頃に宿泊

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