ナッジと仕掛学の決定的な違い#50
心理学と行動経済学の記事 第50回
今回で、なんと50回目を迎えました!これまで、書いてきた内容は、心理学と行動経済学についての知見が深められるものになっています!
特に、私は行動経済学のナッジ、そして仕掛学にれ興味があり、日々人とのコミュニケーションから使える場面はないかと考えている所存です。
それを受けて、今回は、そもそもナッジと仕掛学には違いがあるのか、そして、その決定的な違いとは何かについてお話しします!
多く語ると、何時間喋ってしまうので、焦点を一つに絞って説明していきます!
ナッジと仕掛学とは?
まず、前提として、ナッジと仕掛学とは何かを説明します。
ナッジ→強制や金銭的インセンティブなどによってではなく、自発的に特定の行動を促す手法や仕掛けのこと。
仕掛学→問題解決に資するよう人の行動をいざなうもの。
どちらも、なにかによって、人の行動を動かすことを目指しています。
ナッジと仕掛学に関して、詳しく記事にしているので、以下を参照にしてください!
決定的な違いとは?
では、ここから重要な論点になります。
両者はかなり似ているように見えますが、実は全く別なのです。
なにが別なのか?
それは、行動する本人の意識の違いです。
ナッジは、自発性が強く、無意識化での決定になります。
一方、仕掛学は仕掛けられた状況において、本人がこうしたいという意識化の決定になります。
一例をあげます。
ナッジ→臓器提供をしてくれる人の率を上げるために、、臓器提供意思カードにあらかじめチェックの入った状態のオプトイン方式を採用する。臓器提供をしない人は、それを意識的にチェックを外さないといけないが、ほとんどの人は、そこへ深い関心を持たないため、外すことが少なく、チェックを入れるオプトアウト方式よりも、臓器提供者の割合が上がった。
仕掛学→ゴミを適切に捨ててもらうために、ゴミ箱の上にバスケットゴールを設置した。すると、人々は、自らシュートすることを意識するため、興味本位で行うことになる。結果的に、ゴミをゴミ箱に捨てる人が増えた。
どうでしょう!かなり違いますよね!
一般的にナッジは、無意識化の決定になるので、本人の意図していない結果を招いてしまうことが多くあります。
しかし、仕掛学に関して、自らその行為を行うように誘発されているため、本人の意図した形が実現できるのです。
大阪大学の松村教授が提唱したこの考え方は現代の生きる知恵になりますね!
ただ、無意識化の決定はあまりにも強く、選択決定を意識させないため、制作者の思った通りの結果を誘発しやすいほだ強いものになります!
この違いを意識して、日常の人の行動を見ると面白いものが見えてくると思います!