この作品は、人間愛の物語だ。
Amazonプライム・ビデオ『モアザンワーズ』を観た。
お目当ては青木柚さん。
自分のnoteを何度か読んだことある人なら聞いたことがあるだろう、1番推している俳優さん。
発表された時に最初に思ったことは「柚くんもとうとうBLかぁ」だった。
当時の僕に伝えたい、「確かにそのような描写はあるけどこれはBLじゃないぞ」と。
この記事では感想や思ったことを綴ろうと思う。
ドラマ・原作の内容に踏み込んで話す部分もあるかもしれないので自己責任で読んでもらえればと。
まず第1話を観た時に思ったこと。
「…あれ、合わないぞ…?」
槙雄がどうも自分の中で釈然としなかったのだ。
「どうしようか。このままの状態で観続けたくないな」そう思えて少し時間を空けた。
その時にふと思いついたのが『原作』を先に読んでみよう、だった。
kindleで『モアザンワーズ』と『IN THE APARTMENT』を購入し、時系列順で読んだ。
青木柚くんが漫画になっていた。槙雄が青木柚くんでしかなかった。
一瞬で読み終えた。
傑作だった。
ただそれと同時に
「これドラマでちゃんと描けているのか?ドラマの雰囲気と僕は合うのだろうか」
という不安がよぎった。
原作はわりかしライトな感じで書いている部分が多いのに、
ドラマの1話を観た限りだと少し重苦しい感じに描いている感じがあり、
そのギャップに違和感があったのだ。
重い腰がなかなか上がらなかった。
それでもととりあえず2話観てみようと思い視聴。
言い方がおかしいかもしれないが、
原作とドラマがお互いに補完し合っていた。
そう2話を観終えた時に思えた。
あぁこれは安心して観れる。
そして1話を観た時にあった槙雄への釈然としなかった部分が消えていることにも気付いた。
そこから3話4話と引き続き観始めた。
たぶん原作を読んでいなければ未だに1話で止まっていたし、観終わるまでにもっと期間がかかっていただろう。
そうして観始めたこの『モアザンワーズ』。
原作も読みながらもあったモヤモヤがドラマで観るとより感じることが出来た。
この作品で気がかりなのが『BL』というジャンルだった。
BLという先入観で見始めたからなのか、僕にはこの作品がBLとしては全く思えなかった。
僕がこの作品を観ながら頭にずっと浮かんでいたのは、「人間愛」という言葉だった。
ジャンルが恋愛ですらないなとも感じた。恋なんてほぼ描かれていない、『愛の物語』だった。
朝人が槙雄に対して言ったこの一言が全てを物語っている。そうとさえ思えた。
そもそも『モアザンワーズ』ってどういう意味なんだろう。
この作品を観終えて少し時間が経ってからそう思った。
そういえばタイトルの意味を知らずに最後まで観たなぁ。
なんて気軽に思いながら『more than words』と打ち込んで検索をした。
「あぁ」
見た瞬間に小さく言葉が溢れて、
その直後に頭の中でよぎった言葉が
「なるほどな」
だった。
観終わった後に思った「なんとも言い難い」という思い。
その想いとタイトルの意味が少し近しいと感じた時。
腑に落ちたと同時にこの作品のことを何故だか愛しく思えた僕がいた。
まさに『言葉では表せられない』、表しづらい作品だった。
『言葉よりも』大事なものがあることを発見出来た作品だった。
『言葉以上の』伝える方法がこの作品にはあった。
僕は『モアザンワーズ』という作品やその言葉の意味を、とても素晴らしいタイミングと順番で観て知れたことに幸せを感じた。
この作品に出会えて良かったな。
失礼な言い方かもしれないが、
きっと原作もこのドラマがあってこそ完成されたのではないだろうか。
ここまで綴ってきた中で。
内容に関する感想がほぼないけど、
きっと今の僕にはこの作品のことを作品全体でしか語れないのだろう。
いつか内容について書きたいと思えた時に綴ることにする。
ただ1つだけ。
藤野涼子さんは美枝子で、青木柚くんは槙雄で、中川大輔さんは永慈で、兼近大樹さんは朝人でしかなかった。
素晴らしいキャスティングだった。
ありがとうございます。
この作品が多くの人の目に触れますように。
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