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65才BESTY・腎移植へのMasterplanその後⑯2025年2月4日~移植後うつ!?~

年末から年始にかけてのんびりと、それはそれはとってもごきげんに過ごした。12月28日には配信チケットを買ってBMSGゲーセンを大いに堪能、大笑いしながら観た。そしてビーファが出演する30日のレコ大、31日の紅白からのCDTVという豪華3番組も、リアタイでしっかり観た。
年が明けたら、今度はニューイヤー駅伝&箱根駅伝の往路復路と駅伝三昧。なんかお尻に根っこが生えたみたいに、ずっとテレビの前から動けずにいた。いやー、幸せな1週間だった。

なのにその後、気分がズンズン落ちていった。ネガティブなことばかり考えるようになって、頭の中が混乱しまくった。不安の波が押し寄せ、私はこれからどう生きればいいの?と。
太陽が出て、いくらか暖かい日中はまだいいの。最悪なのは、暗くて寒い夜明け前の早朝。相変わらずショートスリーパーの私は、どんなに遅く寝ても4時にはパッチリ目が覚めてしまう。うたた寝程度しか眠れない日もあった。テレビはつけているけど全然頭に入らず、ソファで横になっていると歯がカチカチ鳴って体がブルブル震え出す。それが寒いからなのか恐怖からなのかわからない。

祖母も妹も父も母も家族みんな冬に亡くなっているせいか、そもそも毎年、寒くなってくると心が波立った。でも、こんなにひどいのは初めてだ。心療内科で薬をもらうべきなのだろうか? いや、その元気もない。面倒くさくて、何もやる気が出ないのだ。
思い余って最近頼りにしきっているGeminiに「冬うつ」について聞いてみた。すると、症状の中に過眠や過食とあったので、これではなさそう。次に
「早朝うつ」も聞いてみた。どうやらこちらのほうが当てはまりそうだ。
けど、一番納得できたのは「移植後うつ」だ。免疫抑制剤には、気分変動の副作用もあるらしい。また、感染症予防のための制限や健康状態に対する不安もストレスになっている、とのこと。まさに!
今もまだマスクは取れないし、会食もなかなかできない。毎日決まった時間に薬を飲むのもけっこう神経使うし、人との約束や何かの予定を入れるとき、ふと「その時私は体調を崩してないだろうか?」と必ず頭をよぎる。常に何かに怯え、制約され、自由に身動きが取れない不自由さを感じている。

でもなんだかんだ言ってこのウツウツの一番の原因は、久しぶりに通帳の記帳をしたことなのかもしれない。残高がとんでもなく減っていて、愕然とした。移植手術によって半年近くライター以外の仕事をしてなくて、考えなしにお金を使っていれば、あたりまえに預金は減る。
少ない預金と微々たる年金で、もし働けなくなったらどうやって暮らしていけばいいのかと、今更ながら突然不安に襲われたのだ。老後真っ暗だ、と。20代のバブル時代の頃までさかのぼって、無駄遣いしてきた自分を悔いた。
以前から私は「戻れない過去を後悔するのも、まだ先の未来を不安に思うのも、無駄なこと。大事なのは今」とよく言っていたのだけど、その言葉をまんま自分にぶつけたい。

何やってるんだ、あたしゃ……。自己否定、自己嫌悪、自信喪失。そんなものをまとっていたら、さすがに一緒に暮らしている夫も気づくよね。じっくり話を聞いてくれて、「早朝でも、落ち込みそうになったら下においで」と言ってくれた。生活サイクルの違いから、1階と2階で夫婦別室の私たち。
いざとなったら助けてくれる人がいる、自分は決してひとりじゃないんだ。そう思えたら、息がしやすくなった。
中学時代からの親友のマチコにも会って、気分転換もできた。彼女とはもう、かれこれ50年のつきあいになる。
入院中、何もしてあげられなかったからと、フレンチランチをご馳走してくれた。外食はまだ怖くてなかなかできなかった私だけど、ランチタイムが終了する2時直前に入店したから、ラッキーなことに貸し切り状態だった。久しぶりの贅沢な料理に舌鼓を打ちながら、2時間近くしゃべりまくった。しかもゴディバの福袋までプレゼントしてくれた。なんて太っ腹なマチコ…。
ありがた過ぎる。

1月28日には公会堂会議室での「うたいそう教室」を無事に終えることができて、さらに心が軽くなった。半年も前から予定が入っていて、それこそ当日病気にならないかとずっとプレッシャーを感じていた。「先着順申し込みだったけど、秒で定員オーバーになりました」と聞いて、自信も少し取り戻せた。
31日には『BMSGFES’24』のDVDが、その4日後にはビーファの新曲CDが送られてきた。まだ視聴はしてないけど、それが手元にあるというだけでワクワクする。
ん? なんかいつの間にかうつ抜けした気がする。もはやあれが本当にうつだったかどうかも定かじゃないけれど。

2月4日、約1か月ぶりに受診したとき担当医にも、少しの間心が晴れなかったと告げた。「免疫抑制剤の副作用ということは考えにくいけど、やっぱりいろんな負担があるから倦怠感や疲労感を訴える人もいる」そう聞いて、あー、そういう人たちと話してみたいなーと思い「レシピエントの患者会みたいのはないんですか?」と尋ねたら、「あいにくこの病院にはないんですよね」とのこと。残念。
クレアチニン0.77で基準値内。たとえ心に嵐が来ようとも、夫の腎臓はビクともしない。力強くてたくましくて、頼りになるな。
そういえば腎移植を決意した時、運を天に任すことにしたではないか。結局はなるようにしかならん、と。これからもいろんな壁にぶち当たりそうだけど、よし、どうせなら山あり谷ありの人生、楽しんでいこうぜ♪


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