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バレンタイン。失恋ショコラティエのサエコさんになれなかった話。
石原さとみさんのどハマり役であり代表作とも言える失恋ショコラティエ。
わたしはあのドラマがだいすきですっかりハマり原作まで読んだ。
恋愛落第生のわたしにとって、石原さとみさん演じる「サエコさん」は恋愛の師匠であり、名言だらけのバイブルだった。
関係ないけど、「恋愛落第生」と打とうとしたら、iPhoneが勝手に「恋愛楽大生」と変換してくれた。
いいなこれ。なんか楽しそう。すごい楽勝に恋愛謳歌してきた人みたい。
もうこれでいい気がしてきた。
恋愛楽大生のわたしには恋愛がさっぱりうまくいかなかったので、サエコさんに学ぶしかないと思って毎週血まなこでドラマを見ていた。いやべつに普通に見ていた。本当に血まなこだったらめっちゃおもしろいなと思ってひとりで笑ってるけど読んでいる方はわたしの妙な笑いのツボが少しもつかめないと思うので気にしないでほしい。
そんなわたしと同じように、世間の恋愛がうまくいかない女性たちの代弁者として、
気が強くてかわいくなくて、好きな人の前じゃ素直にもなれなくて、ついわざと思ってもいないような憎まれ口ばかりたたいて結局嫌われてしまう
サエコさんとは対極にいるような恋愛に不器用な女性を演じたのが
水川あさみさん演じる薫子さんである。
石原さとみさんと水川あさみさん。この対極キャスティングが素晴らしくて、薫子さんへの共感とサエコさんへの崇拝で感情の忙しいドラマでした。
名言だらけのサエコさんのセリフの中に
ひときわ全女子が突き刺さったであろう言葉がある。
ありのままの自分を好きになってもらいたいのに、男性に好かれるために無理したり、がんばりたくないという主張をサエコさんにぶつける薫子さん。
好きになってもらうために
何かしなくちゃいけないんだったら、
好きになってもらわなくて結構です
それに対してサエコさんが、ぴしゃーん!と放ったセリフはこちら。
お菓子だって味だけで十分美味しいのに、
それでも売れるためには形や色をかわいくしたり、
きれいな箱に入れたり、
愛される努力が必要なんだなって思うし
意識的にでも無意識的にでも、
人の気を引く努力をしてる人が
好かれてるんだと思うんですよね。
いやーーさすがサエコさん、素晴らしい。モテの殿堂。
と言いたいところですが、どうですかね。
わたしは当時、
「そうかあーーー、お菓子ですら飾ったりするんだもんなーーー選ばれる努力は必要だよなあーーー自分みがきしよっ」
とかめっちゃ思ったけど
今は、
そうかな?
って思う節もある。
とくに、「愛される努力」っていう部分。
わたしさんざんマッチングアプリとか結婚相談所とかで
男性に求められる女性像みたいなのを研究したんですよ。
たぶんめっちゃした。愛される努力。
このドラマもめっちゃ勉強になった。
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あらゆるエンタメでモテを勉強してた当時の自分、かわいすぎる。
そんなことよりこのドラマの藤木直人さんが三度の飯より好き。
おおせのとおりに女子アナみたいな服だとか、清楚で清潔感がある服とか着てコリドー通りとか行きましたよ。おなじく恋愛楽大生の友人と。
結婚相談所ではプロフィール写真がなにより命だ!とか言って、奇跡の一枚を撮るために髪の毛をコテでぐりぐりに巻かれてくっそまぶしいフラッシュたかれて写真撮ったりとか。
無理してやろうと思えばできるんですよ。男性が求める像みたいなの。
ちゃんと好かれるんですよ。でも、
着飾って好かれた自分なんてぜんぜん自分じゃないからびっくりするほど嬉しくないんだよ。
なんかさ好かれるために飾ってよく見せようと思えば思うほど肝心の
「そもそもこの人のこと好きなんだっけか?」
がわからなくなるし、自分のこともわからなくなるのよ。
好かれたところで好きじゃないや…
ってなるんですよね。
それって自分らしくしてないからだし、その自分らしくない状態で関わったところで相手は本当のわたしじゃないものを見て良いとおもってくれてるから会話も噛み合わないし別に楽しくもないんですよね。
だから結局一周まわって今は
好きになってもらうために
何かしなくちゃいけないんだったら、
好きになってもらわなくて結構です
の方が近いんじゃないかと思ってる。
言い方がかわいくないけども。
ごめんよサエコさん。
サエコさんみたいにあらゆるところに好かれるための種を撒いておいて、好いてくれた人を素直に好きになれないめんどいやつで。
でもさ薫子さん
「好かれるために何かしなくちゃいけない」っていうとめっちゃ聞こえ方だるいけど
好きな人ができたら好かれる努力なんて勝手にしますわ。
勝手にかわいくするし勝手にメイクも服も気合い入るし、それはだるいものじゃなくて楽しい努力なんだと思うからね
好きでもない人の前でべつに無理に好かれようとして着飾ったりしなくていいんよ。疲れるし。
だからそんなにツンケンしないでくれたまえ。
みたいなことを現代のわたしは思ったり思わなかったり。
ありのままで愛されたいと思うことは悪いことじゃない。
勝手に努力したくなるような好きな人がいたらそんなにしあわせなことはないと思う。
バレンタインが近づくと毎年わたしは、結局サエコさんにはなれなかったな…と心の中で思いながら、失恋ショコラティエが見たくなる。